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★1番人気馬が12連敗中の“古馬牝馬GI” エリザベス女王杯には3頭のGI馬含む18頭が出走
11月10日、京都ではエリザベス女王杯(GI)が実施される。3歳以上のレースとなった1996年以降、エリザベス女王杯の1番人気馬は23回中4勝、勝率.174と苦戦しており、過去10年で勝利を挙げたのは2011年の外国馬・スノーフェアリー1頭だけとなっている。
春季に実施されるGIヴィクトリアマイルでも1番人気馬は苦戦しており、現在実施されている“古馬牝馬GI”では1番人気馬が12連敗中。今年のエリザベス女王杯には、オークス馬ラヴズオンリーユー(3歳、栗東・矢作芳人厩舎)、秋華賞馬クロノジェネシス(3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)、一昨年の“2歳女王”ラッキーライラック(4歳、栗東・松永幹夫厩舎)と3頭のGI馬を含む18頭が出走予定だが、果たして、どのような結果になるだろうか。なお、エリザベス女王杯では、2014年から5年連続でGI未勝利馬が優勝している。
★4戦4勝のオークス馬ラヴズオンリーユー 史上最少キャリアでの“古馬GI”制覇なるか
オークス馬ラヴズオンリーユー(3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、エリザベス女王杯(GI)が秋初戦となる。同馬は、レース史上最少キャリア記録に並ぶ4戦目でオークスを制し、ここまで無敗の4戦4勝という成績を残している。エリザベス女王杯が3歳以上のレースとなった1996年以降、同レースの最少キャリア優勝記録は2002年ファインモーションの6戦目で、ラヴズオンリーユーが勝てばこの記録を更新するが、デビューからの連勝を伸ばすことができるだろうか。なお、デビュー5戦目で“古馬GI”を勝てばファインモーション(2002年エリザベス女王杯)、リアルインパクト(2011年安田記念)、フィエールマン(2019年天皇賞・春)のデビュー6戦目を上回り、グレード制が導入された1984年以降では最少キャリアでの勝利となる。
また、ラブズオンリーユーを管理する矢作芳人調教師は、昨年のリスグラシューに続くエリザベス女王杯連覇がかかっている。矢作調教師は昨年、JRA・GIで2勝、海外ではコックスプレート(豪・GI)を制しているが、今年3度目のJRA・GI制覇を果たすことができるだろうか。
★3歳勢はGI馬2頭含む3頭が出走予定 昨年敗れた姉の雪辱なるか、クロノジェネシス
3歳勢は、オークス馬ラヴズオンリーユー(栗東・矢作芳人厩舎)、秋華賞馬クロノジェネシス(栗東・斉藤崇史厩舎)、秋華賞4着のシャドウディーヴァ(美浦・斎藤誠厩舎)の3頭が出走を予定している。エリザベス女王杯が3歳以上のレースとなった1996年以降、3歳馬の優勝は8回で、今年の3歳勢が勝てば2017年モズカッチャン以来、2年ぶり9回目となるが、古馬との初対決で勝利を挙げることができるだろうか。
クロノジェネシスは父バゴ、母クロノロジストという血統で今年のヴィクトリアマイル(GI)勝ち馬ノームコアの妹にあたる。ノームコアは、昨年のエリザベス女王杯で5着に敗れているが、クロノジェネシスは秋華賞に続くGI連勝で姉の雪辱を果たすことができるだろうか。また、クロノジェネシスの毛色は「芦毛」で、芦毛馬がエリザベス女王杯を勝てば1984年のキョウワサンダー以来35年ぶりとなる。
★府中牝馬Sを制したスカーレットカラー Vなら、高橋亮調教師はJRA・GI初制覇
スカーレットカラー(4歳、栗東・高橋亮厩舎)は今年の牝馬限定重賞に4回出走し、愛知杯(GIII)10着、マーメイドS(GIII)3着、クイーンS(GIII)2着、府中牝馬S(GII)1着という成績を残している。前走の府中牝馬Sでは、4コーナー通過順位14番手から直線で13頭を抜き去り、重賞初制覇を果たした。スカーレットカラーはこれまで芝2000m以下のレースに出走を続けており、今回は初めて芝2200m戦に出走するが、府中牝馬Sで見せたパフォーマンスをGIの舞台でも示すことができるだろうか。なお、同馬に騎乗予定の岩田康誠騎手はエリザベス女王杯で4回の2着があり、14回目の挑戦で同レース初勝利なるか注目される。
また、スカーレットカラーを管理する高橋亮調教師にはJRA・GI初制覇がかかっている。同調教師は騎手時代にJRA通算305勝(うち重賞7勝)を挙げたが、GIには惜しくも手が届かず、3度の2着が最高だった。高橋亮調教師は今回が10回目のJRA・GI挑戦となるが、騎手・調教師通じて初のビッグタイトルを手にすることができるだろうか。
★約1年8カ月ぶりのV目指すラッキーライラック C.スミヨン騎手との新コンビで参戦予定
2017年にJRA賞最優秀2歳牝馬を受賞したラッキーライラック(4歳、栗東・松永幹夫厩舎)が、久々の勝利を目指している。同馬はデビューから3連勝で2017年の阪神JF(GI)を制し、3歳初戦となったチューリップ賞(GII)でも1着となったが、同レース以降は勝利から遠ざかっており、前走の府中牝馬S(GII)では3着だった。今回、ラッキーライラックにはC.スミヨン騎手が騎乗する予定だが、チューリップ賞以来約1年8カ月ぶりの勝利、阪神JF以来約1年11カ月ぶりのGI勝利を挙げることができるだろうか。エリザベス女王杯が3歳以上のレースになった1996年以降、最優秀2歳牝馬の同レース制覇は1998・99年に連覇したメジロドーベル1頭のみで、ラッキーライラックが勝てば20年ぶり2頭目となる。
なお、ラッキーライラックを管理する松永幹夫調教師は、騎手時代の2000年にエリザベス女王杯(ファレノプシス)を制しており、同レース史上初の“騎手&調教師”双方制覇がかかっている(※クロコスミアを管理する西浦勝一調教師にも同記録がかかっている)。
★今年こそ女王の座を射止めるか 2年連続で2着惜敗のクロコスミア
2年連続2着のクロコスミア(6歳・栗東・西浦勝一厩舎)が、悲願のエリザベス女王杯制覇を狙っている。同馬は2017年、2018年と2年続けて府中牝馬S(GII)をステップにエリザベス女王杯に挑んだが、2017年はモズカッチャン、2018年はリスグラシューにいずれもクビ差及ばず2着となっている。クロコスミアは今年も府中牝馬S(5着)をステップにエリザベス女王杯に参戦するが、今年こそ女王の座に就くことができるだろうか。なお、同馬には2017年は和田竜二騎手、2018年は岩田康誠騎手が騎乗していたが、今年は藤岡佑介騎手が騎乗する予定となっている。
★エリザベス女王杯で2着2回の斎藤誠調教師 ウラヌスチャーム、シャドウディーヴァの2頭が出走
斎藤誠調教師(美浦)は2014年のオークス馬ヌーヴォレコルトの管理調教師で、2014年、2015年に同馬をエリザベス女王杯に出走させたが、2年連続でクビ差2着と惜しくも敗れている。斎藤調教師は、今年のエリザベス女王杯にウラヌスチャーム(4歳)、シャドウディーヴァ(3歳)の2頭を出走させるが、同レース初制覇を遂げることができるだろうか。
ウラヌスチャームは前走で京都大賞典(GII)に出走して7着に敗れているが、エリザベス女王杯が3歳以上のレースになった1996年以降、同年の京都大賞典出走馬はエリザベス女王杯で3勝、2着4回(勝率.143、連対率.333)という成績を挙げている。また、シャドウディーヴァは通算9戦1勝という成績だが、前走の秋華賞(GI)では4着に入っている。同馬が勝てば、グレード制が導入された1984年以降では、リアルインパクト(2011年安田記念)以来、8年ぶり2頭目の1勝馬による“古馬GI”制覇となる。
★5連勝で女王の座に就くか サトノクラウンの妹ポンデザール
ポンデザール(4歳、美浦・堀宣行厩舎)は、昨年8月の3歳未勝利戦で初勝利を挙げると、荒川峡特別(500万下)→北海ハンデキャップ(2勝クラス)を連勝し、前走はオープン特別の丹頂Sを制して目下4連勝中。同馬は父ハーツクライ、母ジョコンダIIという血統で、2017年の宝塚記念を制したサトノクラウンの妹にあたる。兄サトノクラウンは4歳時の12月に香港ヴァーズ(香・GI)で初GIタイトルを手にしたが、ポンデザールも兄と同じように4歳秋に初のビッグタイトルを獲得することができるだろうか。Vなら、重賞初挑戦の馬によるエリザベス女王杯制覇は、同レースが3歳以上のレースとなった1996年以降では初めてのケースとなる。
★牝馬限定GI完全制覇がかかる国枝栄調教師 府中牝馬S2着のフロンテアクイーンが出走
国枝栄調教師(美浦)は、2010年にアパパネ、2018年にアーモンドアイで2度の“牝馬三冠”制覇を果たすなど、牝馬限定GIで8勝をマークしている。同調教師がエリザベス女王杯を勝てば、現在実施されている牝馬限定GIの完全制覇となるが、史上初の快挙を成し遂げることができるだろうか。なお、国枝調教師は府中牝馬S(GII)2着のフロンテアクイーン(6歳)を出走させる予定で、Vなら、府中牝馬S2着馬の優勝は昨年のリスグラシューに続く2年連続2頭目、6歳馬のエリザベス女王杯制覇は史上初となる。
今年の“古馬牝馬重賞”9レースの年齢別勝利数を見ると、4歳がトップの5勝、6歳が3勝、5歳が1勝となっており、5月のヴィクトリアマイル(GI)以降は4歳馬が4連勝を決めている。今年のエリザベス女王杯(GI)には3歳が3頭、4歳が10頭、5歳が2頭、6歳が3頭の計18頭が出走するが、どの世代が女王の座に就くだろうか。
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リピーターのG1
2年連続2着のクロコスミア
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