菅原明騎乗の10番人気
カラテが、中団から直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切り。トップハンデタイの57・5キロを克服し、昨年の
東京新聞杯以来、2度目の重賞タイトルを手にした。2着に9番人気
ユーキャンスマイル、3着3番人気
フェーングロッテンで、3連単は70万9120円の波乱。1番人気
ヒートオンビートは5着だった。
新たなチャレンジで気合の一発回答だ。昨年の
東京新聞杯Vをはじめマイル戦線で実力を磨いてきた
カラテが、久々の2000メートルでも堂々たるパフォーマンスを披露。トップハンデタイの57・5キロを背負いながら2着に1馬身3/4差をつけた完勝劇を、主戦の菅原明騎手がほおを紅潮させながら振り返った。
「長く脚を使ってくれるのがこの馬の良さ。本当に素晴らしい走りをしてくれました。2000メートルがもつのか不安でしたが、信じて乗りました。僕に初めて重賞を勝たせてくれて本当に思い入れがある馬なので、結果を出せてとてもうれしい。こうして乗せ続けてもらえて感謝の気持ちでいっぱいです」
2000メートルを走るのは約2年5カ月ぶりで、勝利となると3年半前の未勝利戦までさかのぼる。鞍上にも不安な気持ちはあったが、「昔とは馬も変わっていると思ったので、また違った競馬ができれば」と相棒を信頼。好スタートから7番手でぴたりと折り合い、4コーナー以降も馬場のいいギリギリのラインを選択。手応え良く直線を迎えられたぶん、残り400メートル過ぎで早々と先頭に立っても後続を突き放す余力があった。
2月に定年で引退した高橋祥元調教師から
カラテを引き継いだ辻野調教師も、転厩後初勝利に喜びひとしお。「調教でまたがった感じからマイラーではないなという印象を受けていたので、一度中距離を走らせてみたいと。フットワークが大きいので、直線で伸び伸び走れるコースで、距離延長を試してみたかった」と、采配がズバリはまった。次走は未定だが、「2000メートル前後で、GⅢからまた一つ
ステップを上げていけるのか見てみたい」と胸の内を明かした。
終わってみれば、10番人気の低評価は何だったのかと思うほどの強さ。6歳夏に中距離路線の新星として浮上した
カラテの進化は止まらない。
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カラテ 父
トゥザグローリー、母レディーノパンチ、母の父フレンチデピュティ。黒鹿毛の牡6歳。栗東・
辻野泰之厩舎所属。北海道新冠町・中地康弘氏の生産馬。馬主は小田切光氏。戦績32戦7勝。獲得賞金2億1474万7000円。重賞は2021年GⅢ
東京新聞杯に次いで2勝目。
新潟記念は
辻野泰之調教師、
菅原明良騎手ともに初勝利。馬名は「空手」。