サマーマイルシリーズ第2戦の
中京記念が18日、小倉競馬場で12頭によって争われ、川田騎乗で1番人気の
アンドラステが、好位追走から抜け出し、6度目の挑戦で念願の重賞初勝利を挙げた。牝馬の優勝は22年ぶり。2着は6番人気の
カテドラル、3着は5番人気の
クラヴェルが入った。
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小倉のターフを吹き抜ける、強烈な向かい風をものともしなかった。1番人気の
アンドラステが、1年2カ月ぶりの勝利で念願の重賞初制覇。コンビを組んで2戦2勝の川田騎手は充実の汗をぬぐった。
「なかなか勝ち切ることができなかったですけど、能力が重賞級であることは間違いなかったですからね。久しぶりに乗ってこうやって決めることができて何よりです」
好スタートを決めて道中は好位のインで折り合いをつける。勝負どころからエンジンを吹かしつつロスなく内ラチ沿いを進むと、ぽっかり前が開いた直線で早め先頭に立った。最後は内外から猛追する後続を封じて惜敗続きにピリオドを打ち、6度目の挑戦で初タイトルをつかみ取った。
中京記念を牝馬が制したのは、1999年の
エリモエクセル以来、22年ぶりだ。
決して順風満帆ではなかっただけに、陣営の喜びはひとしおだ。2019年1月のデビュー戦勝利後、左前脚を骨折して半年間休養。その後も蟻洞(ぎどう)、骨瘤(こつりゅう)などに悩まされ、今年2月にも左前脚を骨折した。中内田調教師は「順調さを欠いた時期もあったけど、もともと期待していたので、勝ち切ることができて良かったです。ジョッキーがうまく乗ってくれて、レース中のすべてが最後の差(3/4馬身)につながったと思います」と人馬をねぎらった。
川田騎手は「もうひとつ良くなってくれると思うので、いい夏を越してくれればと思います」と締めくくった。次走は未定ながら、殻を破った
アンドラステにこれからも勝利の女神はほほ笑みそうだ。(川端亮平)
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アンドラステ 父
オルフェーヴル、母ヴァリディオル、母の父ダイナフォーマー。黒鹿毛の牝5歳。栗東・
中内田充正厩舎所属。北海道白老町・社台コーポレーション白老ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。戦績12戦5勝。獲得賞金1億2880万3000円。重賞は初勝利。
中京記念は
中内田充正調教師が初勝利、
川田将雅騎手は2006年
マチカネオーラに次いで2勝目。馬名は「古代ブリタンニアの
ケルト人が信奉した、戦いと勝利の女神」。