ヴィクトリアマイルが17日、東京競馬場で16頭によって争われ、ルメール騎乗で1番人気の
アーモンドアイが4馬身差で完勝。史上最多タイの芝GI7勝目をマークした。管理する
国枝栄調教師(65)=美浦=は、現役トレーナーで最多記録を更新するJRA・牝馬GI9勝目。2着は4番人気の
サウンドキアラ、連覇を狙った5番人気の
ノームコアは3着だった。
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分かってはいても、やっぱり強い。
アーモンドアイが圧勝でGI7勝を達成し、国枝調教師の表情も緩みっぱなしだ。
「今回は牝馬同士だったからね。牡馬の強い相手と戦ってきたことを思えば、これぐらいの勝ち方はできる。でも、勝てるだろうとは思っていたけど、やっぱりホッとした」
いつもなら関係者の歓喜の輪で包まれる検量室前も、無観客で馬主や生産者も自粛では静かなもの。それでも女王は堂々とした姿で帰ってきた。東京は前日の雨から一転して好天に恵まれ、急激に気温が上昇。そのため、史上7頭目の7冠馬は厩舎へ戻る前に体や首筋に水をかけてもらい、気持ち良さそうに引き揚げていった。
レースはスタートを決めて4番手から。直線では肩ムチだけで前の馬を抜いていき、4馬身突き放す楽勝だった。「やっぱりすごいよね。レースはルメールに任せているけど、ゲートをポンと出て安心して見ていられたし、折り合ってなめらかな走りをしていた」とトレーナーは完ぺきな内容に終始笑顔。
有馬記念9着も、現地入りしながら
ドバイターフが中止で帰国を余儀なくされた影響も、嫌な流れのすべてを吹き飛ばす勝ちっぷりに満足そうだ。
これで芝GI7勝。
ディープインパクトなどに並ぶ最多になった。ルメールの「負けないと思う」の言葉に、「心強いひと言だね。われわれも負けないようにしないと」と笑う国枝師。
「歴代の名馬に並ぶすごい馬。今後はまだ具体的に決まっていないけど状態を見て考えたい」
次こそは強すぎる
アーモンドアイを大観衆の前で-。芝GI8勝の新記録はすぐに達成されるに違いない。(柴田章利)
★売り上げ…
ヴィクトリアマイルの売り上げは159億284万1300円(取消による返還金5億6005万9000円を差し引いた金額)で、前年比100・5%とアップ。無観客競馬のGIでは、前週の
NHKマイルCまで5レース連続で前年比マイナスとなっていたが、今年は
高松宮記念以来2レース目のアップとなった。
★17日東京11R「
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