にしのけいご
伊吹雅也
くりーく
山口吉野
田口啄麻
ゼット1号
きいいろ
奥野憲一
秋華賞トライアルの紫苑S(芝2000メートル)が7日、中山競馬場で15頭によって争われ、戸崎騎乗で2番人気のパッシングスルーがゴール前の接戦をハナ差制して重賞初勝利を飾った。2着は6番人気のフェアリーポルカ。1番人気カレンブーケドールは1/2馬身差の3着で、この3頭が秋華賞(10月13日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。 これぞ競馬のだいご味とばかり、ゴール前は手に汗握る大接戦となった秋の中山の開幕重賞。写真判定の末、2番人気のパッシングスルーにハナ差で初重賞の凱歌が上がった。 「ゴールしてすぐは勝っていると思ったけど、スロー(VTR)を見直すともう、ヒヤヒヤものでしたね」 殊勲の戸崎騎手がこう振り返った炎天下の激戦。最後にモノを言ったのは人馬の勢いだった。夏の新潟リーディングを獲得して気分よく秋を迎えた鞍上と、圧巻Vの福島戦からプラス8キロと一段とパワーアップした姿を見せたパートナー。大外(15)番枠から正攻法で押し切って、堂々のオークス2着馬狩りだ。 「スタートが良くて終始手応え良く運べたし、僕が仕掛けどころさえ間違えなければ…と思っていました。本当に乗りやすいし、牝馬にしてはパワーもある。GIでも期待されていいと思います」。コンビ2戦2勝の鞍上が最高級の言葉で愛馬をたたえた。 管理する黒岩調教師は2016年エルムS(リッカルド)以来の重賞V。「今回は思い描いたようにここに向かうことができたし、今日は自信を持って臨めました」と表彰台で満面の笑みを浮かべた。調教をしっかりとこなしながら精神面にも余裕が出て、「今日も落ち着きがあった」とトレーナーは胸を張る。 最高の形で秋華賞の優先出走権を獲得したパッシングスルー。「今後のことは(ノーザンファーム)天栄に放牧に出してから考えたい」と黒岩師は明言を避けたが、大舞台が視界に浮かび上がってくる見事な秋の好発進となった。 (内海裕介)パッシングスルー 父ルーラーシップ、母マイティースルー、母の父クロフネ。鹿毛の牝3歳。美浦・黒岩陽一厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績5戦3勝。獲得賞金6352万5000円。重賞初勝利。紫苑Sは黒岩陽一調教師が初勝利、戸崎騎手は2016年のビッシュに次いで2勝目。馬名は「抜き去る」(ライバルを華麗にかわすシーンをイメージして)。★7日中山11R「紫苑S」の着順&払戻金はこちら