第76回
オークス(優駿牝馬)(24日、東京11R、GI、3歳牝馬オープン国際(指)、定量、芝2400メートル、1着本賞金9700万円 =出走17頭)
浜中俊騎乗の3番人気
ミッキークイーンが、中団から末脚を伸ばして差し切った。
桜花賞で除外されたうっぷんを晴らし、見事に樫の女王に輝いた。タイム2分25秒0(良)。2着は1番人気の
ルージュバック、2冠奪取を目指した
桜花賞馬
レッツゴードンキは10着に敗れた。
525・9メートルの長い直線。ほれ込んだ愛馬を激励し続けた。
桜花賞では3頭の抽選でただ1頭の除外に泣いた
ミッキークイーンを、浜中騎手が見事にエスコート。身上の末脚を存分に引き出して、樫の女王へと導いた。
「デビューからずっと乗せてもらっていたので、除外は(賞金を加算できなかった)自分の責任でもありましたから。重賞未勝利でもこの馬が一番強いと思っていましたし、証明できてうれしいです」
主戦の浜中騎手が除外のうっぷんを晴らす会心の勝利に胸を張った。
課題のゲートを無難に出て、道中は中団をキープし、脚をためた。直線はメンバー最速の上がり3ハロン34秒0を披露。
ルージュバックと
クルミナルの追い比べを、ラスト50メートルで外から一気にかわした。重賞初制覇が、うれしいGI勝利だった。
「道中は折り合いをつけて、直線にかけようと思っていました。最後は真っ向勝負。この馬の方が切れるという自信がありました」とジョッキーは笑顔で振り返った。
初めて東京に長距離輸送した
クイーンC(2着)は馬体重20キロ減。今回は、どれだけ馬体をキープできるかが課題だった。そして、前走の忘れな草賞から4キロ増での出走。カイバの配合を工夫したり、調教をセーブしたりと、小柄な牝馬だけに馬体重の維持を主眼に置いて調整。それが功を奏した。
池江調教師はJRA・GI11勝目で、旧8大競走のうち、
桜花賞と天皇賞・春を除く6レースを制覇。だが意外にも、牝馬では初制覇で、
ディープインパクト産駒でのGI勝ちも初めてだった。「ディープを管理した父(泰郎元調教師)は『産駒は見た目が細くて頼りない馬でも、中身ができていれば走る』と言っていました。この馬をやってみて“なるほど”と思いますね」と指揮官はうなずく。
夏は休養して、秋は
秋華賞(10月18日、京都、GI、芝2000メートル)が最大目標。これからも
ミッキークイーンは、女王であり続ける。 (鈴木康之)
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ミッキークイーン 父
ディープインパクト、母ミュージカルウェイ、母の父ゴールドアウェイ。鹿毛の牝3歳。栗東・
池江泰寿厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は野田みづき氏。戦績5戦3勝。獲得賞金1億6632万8000円。重賞初勝利。
オークスは、
池江泰寿調教師、
浜中俊騎手ともに初勝利。馬名の意味は「冠名+女王」