とぅっけ
スガダイ
岡村信将
第60回北海道新聞杯クイーンS(29日、札幌11R、GIII、3歳上牝馬オープン国際(特指)、別定、芝1800メートル、1着本賞金3500万円=出走14頭)池添謙一騎乗、1番人気に支持された3歳のアイムユアーズが、5番手追走から直線で早めに先頭に立つと、10番人気ラブフールの猛追を退け、重賞3勝目をあげた。タイム1分47秒2(良)。この秋の最大目標である秋華賞(10月14日、京都、GI、芝2000メートル)に向けて、北の大地から好発進した。3着には中団から伸びた4番人気のミッドサマーフェアが入った。 これが春の牝馬クラシックを戦ってきた馬の底力だ。3歳牝馬のアイムユアーズが、正攻法のレースで歴戦の熟女たちを一蹴して、夏の女王決戦を制した。 好スタートを切ると、早々と先行馬を見据える好位置をキープ。道中は折り合って、直線で鞍上が軽く仕掛けて後続を引き離したところで勝負あり。秋華賞に向けて最高のスタートを切った。 「状態がいいと感じていたし、1番人気に応えられると思った」と昨年のアヴェンチュラに続き、クイーンS連覇を達成した池添謙一騎手は汗を拭いながら安堵の表情を見せた。「(抜け出すのが)若干、早いかなと思ったが、やっぱり力があるね。古馬と斤量差はあったが、春のクラシックで惜しい競馬をしてきたしね。この後も順調なら…」とパートナーの実力を改めて感じていた。 戦前から「ここでいい競馬ができないと、本番での楽しみがなくなる」と話していた手塚貴久調教師も満足顔だ。「24キロ増は成長分だし、1番人気で勝てて良かった。本番の鞍上はまだ何とも言えないが、池添君が満点の競馬をしてくれたし、きょうの競馬なら…という気持ちはある。春の2冠はジェンティルドンナに完敗(桜花賞3着、オークス4着)したけど、あれから(ユアーズも)力をつけているしね」と、逆転への手応えはつかんだ。 この後は北海道安平町のノーザンファームに放牧に出て、9月上旬に美浦トレセンへ帰厩する予定。昨年の勝ち馬アヴェンチュラはクイーンSをステップに秋華賞を制した。ローテーションは最高だ。真夏の太陽を浴びて、さらに成長しているアイムユアーズが、秋の京都で最後の1冠に挑む。 (片岡良典)