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中山競馬場から阪神競馬場に舞台を移した2014年以降の1~3着馬27頭のキャリアを確認すると、1戦から4戦までの範囲に収まっている。まずは、キャリア4戦以内の馬に注目すべきだろう。次に距離実績を検証すると、芝1400m以上のレースで1着経験がなかった馬の好走(3着以内)例は皆無となっている。ダートや1400m未満の距離に勝ち鞍が偏っている馬は、過信禁物とみておきたい。また、2014年以降の1~3着馬27頭はいずれも、前走から中2~9週の間隔で臨んでいた。「詰めすぎずあきすぎず」のローテーションを選択した馬が好結果を残す傾向にあるようだ。朝日杯FSが行われる阪神芝1600mは、外回りコースを使用。向こう正面も最後の直線も距離がじゅうぶんにあり、各馬が実力を出しやすいレイアウトとなっている。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
【人気】
阪神移行後の結果を検証すると、上位人気に限れば中山施行時と大差はなく、ほぼ同様の傾向ととらえてもいい。2016年こそ波乱決着となったが、基本的に1番人気が強いレースで、2014年以降は【4.2.2.1】と優秀な成績を残している。とくに注目したいのは、「芝1600m1着からの参戦馬」が1番人気の高支持を集めたケース。2014年以降は複勝圏を外した馬がゼロという、抜群の安定感を見せつけている。その一方で、2桁人気馬の健闘が目立つのも、阪神移行後の朝日杯FSの特徴。人気馬を中心に据えるとしても、相手は絞るのではなく手広く散らしたほうが、好結果につながりやすいように思える。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 7-3-6-4 | 35.0% | 50.0% | 80.0% | 100.5% | 103.0% |
2番人気 | 6-4-2-8 | 30.0% | 50.0% | 60.0% | 155.5% | 100.5% |
3番人気 | 2-2-3-13 | 10.0% | 20.0% | 35.0% | 70.0% | 72.5% |
4番人気 | 1-3-2-14 | 5.0% | 20.0% | 30.0% | 43.5% | 92.5% |
5番人気 | 1-2-3-14 | 5.0% | 15.0% | 30.0% | 73.0% | 97.5% |
6~9番人気 | 3-4-1-72 | 3.8% | 8.8% | 10.0% | 82.8% | 39.9% |
10番人気以下 | 0-2-3-136 | 0.0% | 1.4% | 3.5% | 0.0% | 41.4% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 0-2-1-1 | 0.0% | 50.0% | 75.0% | 0.0% | 82.5% |
2.0~2.9倍 | 4-1-3-2 | 40.0% | 50.0% | 80.0% | 93.0% | 96.0% |
3.0~4.9倍 | 5-1-3-6 | 33.3% | 40.0% | 60.0% | 124.0% | 86.0% |
5.0~7.9倍 | 6-6-3-15 | 20.0% | 40.0% | 50.0% | 124.3% | 95.0% |
8.0~14.9倍 | 3-4-6-35 | 6.3% | 14.6% | 27.1% | 78.1% | 90.4% |
15.0~19.9倍 | 1-2-1-12 | 6.3% | 18.8% | 25.0% | 109.4% | 92.5% |
20.0~49.9倍 | 1-2-0-68 | 1.4% | 4.2% | 4.2% | 48.6% | 21.1% |
50.0倍以上 | 0-2-3-122 | 0.0% | 1.6% | 3.9% | 0.0% | 44.1% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 1,750円 | 200円 | 647円 |
複勝 | 2,360円 | 110円 | 345円 |
枠連 | 10,060円 | 460円 | 2,484円 |
馬連 | 14,050円 | 520円 | 3,936円 |
ワイド | 13,830円 | 180円 | 1,945円 |
馬単 | 20,260円 | 840円 | 6,973円 |
3連複 | 42,820円 | 700円 | 12,498円 |
3連単 | 221,200円 | 2,630円 | 61,508円 |
【脚質】
1400m以下のレースで良績を挙げてここへ臨む馬も少なくなく、直線の長い阪神外回りとしては道中のペースが速くなりがち。よどみのない流れのまま直線に向き、最後の急坂での凌ぎ合いになる年が多い。そのため、4角先頭馬は分が悪く、阪神移行後の好走例は2016年3着ボンセルヴィーソの1頭だけとなっている。直線を向いてからの加速力、ならびにラストにかけての持続力が問われる一戦といえよう。まずは末脚のしっかりしたタイプを重視したい。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 1-1-2-18 | 4.5% | 9.1% | 18.2% | 28.2% | 66.8% |
先行 | 10-4-6-53 | 13.7% | 19.2% | 27.4% | 107.3% | 72.7% |
差し | 7-13-9-100 | 5.4% | 15.5% | 22.5% | 44.7% | 59.3% |
追込 | 2-2-3-90 | 2.1% | 4.1% | 7.2% | 13.0% | 40.4% |
【枠順】
阪神で施行された2014年以降の結果を振り返ると、1~4枠が6勝を含む3着以内16頭、5~8枠は3勝を含む3着以内11頭。数のうえでは真ん中より内が優勢となっている。とはいえ、単勝6番人気以下で1~3着に入った馬たちの枠順を確認すると、1~4枠が4頭、5~8枠も4頭となっており、その点を勘案すれば内有利と決めつけるのは早計のように思える。このレースに関しては、枠順にこだわらず、柔軟なスタンスで臨むのが正解かもしれない。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 5-2-3-27 | 13.5% | 18.9% | 27.0% | 91.1% | 66.2% |
2枠 | 4-2-4-29 | 10.3% | 15.4% | 25.6% | 45.9% | 79.5% |
3枠 | 2-5-2-31 | 5.0% | 17.5% | 22.5% | 26.8% | 73.8% |
4枠 | 3-3-4-30 | 7.5% | 15.0% | 25.0% | 30.5% | 43.8% |
5枠 | 1-3-1-34 | 2.6% | 10.3% | 12.8% | 20.0% | 86.7% |
6枠 | 2-5-1-32 | 5.0% | 17.5% | 20.0% | 44.5% | 43.5% |
7枠 | 1-0-4-37 | 2.4% | 2.4% | 11.9% | 82.1% | 48.1% |
8枠 | 2-0-1-41 | 4.5% | 4.5% | 6.8% | 45.7% | 21.8% |
【血統】
のちに東京優駿(日本ダービー)をも制して世代の頂点に輝いた2021年ドウデュースは最たる例といえるかもしれないが、純然たるマイラーが勝ち馬になるとは限らず、むしろ中距離をこなせる下地がある馬のほうが勝ち負けになりやすい。現行コースでは、ディープインパクトが3勝、ハーツクライが2勝、この2頭の種牡馬が複数頭の勝ち馬を出しているため、まずは父が中距離実績を持つかどうかにも注目すべきだろう。ほか、10番人気以下の2桁人気で激走した4頭に目を向けると、2015年3着シャドウアプローチ(父ジャングルポケット)・11番人気、2016年3着ボンセルヴィーソ(2代母の父トニービン)・12番人気、2019年3着グランレイ(父ルーラーシップ)・14番人気の3頭はトニービンの血脈を持つ点で共通していた。なお、前述したハーツクライも母の父がトニービンであることを気にとめておきたい(阪神芝1600mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり)。
◆同コース種牡馬別成績(京都競馬場/芝/1600m/過去5年)集計期間:2019/02/18~2024/02/18
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディープインパクト | 14-6-9-61 | 15.6% | 22.2% | 32.2% | 91.2% | 98.7% |
2 | ダイワメジャー | 4-5-5-30 | 9.1% | 20.5% | 31.8% | 51.6% | 86.1% |
3 | ステイゴールド | 4-1-0-8 | 30.8% | 38.5% | 38.5% | 158.5% | 68.5% |
4 | イスラボニータ | 4-0-1-0 | 80.0% | 80.0% | 100.0% | 340.0% | 184.0% |
5 | ルーラーシップ | 3-4-2-21 | 10.0% | 23.3% | 30.0% | 110.0% | 72.7% |
6 | キズナ | 3-0-2-14 | 15.8% | 15.8% | 26.3% | 65.8% | 43.2% |
7 | ヴィクトワールピサ | 3-0-2-13 | 16.7% | 16.7% | 27.8% | 233.9% | 97.2% |
8 | ジャスタウェイ | 3-0-0-8 | 27.3% | 27.3% | 27.3% | 677.3% | 149.1% |
9 | ロードカナロア | 2-3-3-37 | 4.4% | 11.1% | 17.8% | 43.3% | 53.3% |
10 | Palace Malice | 2-0-0-0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 440.0% | 190.0% |
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