【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2022年03月13日号】特選重賞データ分析編(297)~2022年スプリングS
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G2 フジテレビ賞 スプリングステークス 2022年03月20日(日) 中山芝1800m内
<ピックアップデータ>
【生産者別成績(2018年以降)】
○ノーザンファーム [2-1-3-5](3着内率54.5%)
×ノーザンファーム以外 [2-3-1-37](3着内率14.0%)
ノーザンファーム生産馬は非常に堅実。一方、生産者がノーザンファーム以外だったにもかかわらず3着以内となった6頭のうち5頭は、前走のコースが“JRA、かつ右回り”、かつ前走の上がり3ハロンタイム順位が3位以内でした。この条件に引っ掛かっている馬は思い切って評価を下げるべきでしょう。
主な「○」該当馬→アサヒ・アライバル・ソリタリオ
主な「×」該当馬→サトノヘリオス・ドーブネ・ビーアストニッシド
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「中山・京都・阪神のレースにおいて“着順が4着以内、かつ4コーナー通過順が2番手以下”となった経験がある」馬は2018年以降[4-4-4-26](3着内率31.6%)
主な該当馬→アサヒ・アライバル・サトノヘリオス・ビーアストニッシド
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【TAROの競馬研究室】特に直行組が多くなりそうな皐月賞/フィリーズレビュー展望
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先週の弥生賞はアスクビクターモアがドウデュースの追撃を振り切り勝利。ロジハービンのマクリが結果的にドウデュースやその後ろを追走していた組に不利を与えたこともあり、先行勢のメリットが大きかった。
アスクビクターモアの鞍上は田辺騎手。田辺騎手といえば本コラムや筆者の書籍でも再三指摘している通り、中山芝中長距離は一番の得意舞台。今回も田辺騎手らしいスムーズに脚を溜める競馬で、馬の末脚を引き出した。もっともレースぶりを見ていると少し神経質な面もありそうなだけに、本番でもどれだけ我慢が利くかがポイントになりそう。そういう意味では、逆にペースが流れるのは悪くないかもしれない。
~初対決の直行組が多い今年の皐月賞
さて、まだトライアルを残すが、皐月賞戦線が徐々に見えて来た。
先週の弥生賞はアスクビクターモアもさることながら、2着ドウデュースも武豊騎手はダービーを見据えて騎乗したとコメントしているように、手応えはあった模様。不利も考えれば悪くない前哨戦だった。
皐月賞戦線を改めて考えると、今年は近年の例にもれず直行組が多い。東京スポーツ杯2歳Sからの異例の直行となるイクイノックス、ホープフルSからの直行となるキラーアビリティ、京成杯からの直行となるオニャンコポン、そして共同通信杯からの直行(これはもはや直行ではなく通常モードかもしれない)となるダノンベルーガ。これらの馬たちとアスクビクターモアやドウデュース、そして今後のトライアル出走組が激突することになる。初対戦の組も多く、予想する楽しみは大きそうだ。
初対戦が多いということは、それだけ比較が難しく、人気=実力には必ずしもならないということ。2010年に京成杯から皐月賞へ直行し、皐月賞3着→ダービー1着と活躍したエイシンフラッシュは、この時点ではともに人気薄だった。また豪華メンバーと言われた2016年の皐月賞も、共同通信杯から直行したディーマジェスティが勝利。しかし、この時も皐月賞時点では8番人気と人気はなかった。
今年は例年にも増して直行組が多いので、潜在能力の見極めができれば、もしかすると本来強い馬でも意外な人気で買える可能性もある。現時点ではドウデュースの2~3着付けを軸に考えているが、まだ時間はあるのでこれからじっくり精査していきたい。
さて、今回も恒例の次走狙い馬を。
【次走狙い馬】ゲキザル(日曜中山2レース3着)
デビュー以来一貫して中山ダート1200mを使われており、この舞台なら安定感がある。唯一崩れた2走前は展開や馬場による不利が大きく、今回は流れに乗れない中でもキッチリ巻き返した。現状勝ち切れるかは微妙だが、開催を考えても引き続き当舞台を使われる可能性が高く、軸としての信頼度は高い。内田騎手の連続騎乗がベスト。
~フィリーズレビュー展望
さて、先週のチューリップ賞に続いて、今週末も桜花賞トライアルが行われる。今週はフィリーズレビュー。最後はいつも通り注目馬で締めたい。今回はフィリーズレビューからこの馬。
・マイシンフォニー(武豊騎手)
注目はマイシンフォニーと武豊騎手。デビュー以来一貫してコンビを組んでいるが、4戦目の前走でようやく勝ち上がり。戦績は地味だが、デビュー戦ではアライバルと差のない競馬をしており、母系を見てもスピードタイプ。掛かるくらいのスピードがあるので初となる1400mはプラスになりそうだ。折り合いさえつけば鋭い脚を使えるのはデビュー戦で証明済み。距離短縮で一変を見込めるはずだ。
最後に新刊発売のお知らせです。
新刊『キムラ&TAROが教える馬券の授業』(ガイドワークス)が発売されました。ウマニティ動画でもおなじみのキムラさんとともに、1番人気との向き合い方や、外が伸びる馬場への対応方法などについてお話しする、実践的な内容になっております。是非お買い求めください。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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伊吹雅也のPOG分析室 (2021) ~第8回注目馬ランキング上位馬の近況
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秋季競馬の開幕戦にあたる4回中山・5回中京が先週いっぱいで幕を閉じ、今週末からは4回東京・4回阪神・5回新潟がスタート。ちなみに、阪神競馬はここから11月6日開幕の5回阪神、12月4日開幕の6回阪神と、3か月連続で開催されます。6回阪神では12月12日に阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳G1・阪神芝1600m外)が、12月19日に朝日杯フューチュリティステークス(2歳G1・阪神芝1600m外)が施行される予定。連続開催でダメージを受けた馬場への適性もポイントになりそうです。
例年と同じく、9月中旬から10月中旬までの間に施行されるJRAの2歳重賞は、今週末10月9日のサウジアラビアロイヤルカップ(2歳G3・東京芝1600m)のみ。G1シーズンのスタートと重なっていることもあり、一時的にPOGへの関心を失っている方も少なくないでしょう。しかし、スペシャル以外の各ワールドでは今後も仮想オーナー募集枠が順次解放される予定。現状のラインナップを見直し、改めて手駒を揃えるのにはちょうど良いタイミングかもしれません。
今回は、2歳戦が開幕する直前の時点における注目POG馬ランキング(2021/06/05 01:00更新)の上位100頭を対象として、各馬の近況をまとめてみました。今後の入札を検討するうえでの参考資料としてご活用ください。
既にJRAのレースで勝ち上がりを果たしている馬は32頭。ちなみに、注目POG馬ランキングでベスト10入りを果たしていた馬は3頭だけです。まだまだ序盤戦の最中とはいえ、早期勝ち上がりの難しさを改めて実感しますね。
●2位 コマンドライン(コンドコマンドの2019) 1戦1勝
●3位 ダンテスヴュー(クロウキャニオンの2019) 2戦1勝
●6位 レッドベルアーム(レッドファンタジアの2019) 1戦1勝
●14位 ベルクレスタ(ベルアリュール2の2019) 2戦1勝
●21位 フィデル(ラッキートゥビーミーの2019) 1戦1勝
●22位 リアグラシア(リアアントニアの2019) 3戦1勝
●24位 ハイアムズビーチ(ユキチャンの2019) 2戦1勝
●25位 トゥデイイズザデイ(キトゥンズクイーンの2019) 1戦1勝
●26位 ソネットフレーズ(ボージェストの2019) 1戦1勝
●29位 キラーアビリティ(キラーグレイシスの2019) 2戦1勝
●32位 アライバル(クルミナルの2019) 2戦1勝
●35位 ブラックボイス(ソングライティングの2019) 2戦1勝
●36位 ホウオウプレミア(アドマイヤテンバの2019) 1戦1勝
●39位 クレイドル(オーマイベイビーの2019) 2戦1勝
●44位 リューベック(ライツェントの2019) 2戦1勝
●50位 グランディア(ディアデラノビアの2019) 2戦1勝
●51位 サトノヘリオス(エアマグダラの2019) 2戦1勝
●53位 メリトクラシー(メリオーラの2019) 2戦1勝
●55位 スタニングローズ(ローザブランカの2019) 3戦1勝
●59位 プルパレイ(マイジェンの2019) 3戦2勝
●61位 ヴァーンフリート(ロスヴァイセの2019) 1戦1勝
●64位 アバンチュリエ(パンデイアの2019) 1戦1勝
●66位 ステルナティーア(ラルケットの2019) 1戦1勝
●67位 モンゴリアンキング(Minoretteの2019) 1戦1勝
●69位 セリフォス(シーフロントの2019) 2戦2勝
●73位 スリーパーダ(シンハリーズの2019) 2戦1勝
●74位 ロムネヤ(ヤンキーローズの2019) 1戦1勝
●78位 ルージュラテール(レッドメデューサの2019) 2戦1勝
●84位 グランアプロウソ(Fiduciaの2019) 1戦1勝
●87位 ミント(ビートマッチの2019) 1戦1勝
●89位 フェズカズマ(シナジーウィスパーの2019) 2戦1勝
●100位 コラリン(モルジアナの2019) 3戦2勝
本賞金額はセリフォス(シーフロントの2019)が3800万円で単独トップ。2220万円のコラリン(モルジアナの2019)が単独2位、1900万円のスリーパーダ(シンハリーズの2019)とアライバル(クルミナルの2019)が3位タイでした。4頭ともデビュー当初からそれなり注目を集めていましたが、人気の中心と言えるほどではなかったので、今後の入札においては面白い存在となりそう。伸びしろがありそうで、なおかつ実績のわりに手頃な価格で落札できそうな雰囲気なら、積極的に狙っていくべきかもしれません。
デビュー済み、かつ未勝利の馬は35頭。デビュー戦で期待を裏切ってしまった評判馬など、入札における人気が急落した馬もいるので、あえてこの辺りを狙ってみるのもひとつの手でしょう。
●1位 コリエンテス(イスパニダの2019) 1戦0勝
●4位 アグリ(オールドタイムワルツの2019) 1戦0勝
●5位 レディナビゲーター(レディスキッパーの2019) 2戦0勝
●9位 グットディール(マリアヴァレリアの2019) 1戦0勝
●11位 ラクスバラディー(リッチダンサーの2019) 3戦0勝
●13位 スパイダーバローズ(マラコスタムブラダの2019) 1戦0勝
●15位 マイシンフォニー(テディーズプロミスの2019) 3戦0勝
●17位 アドマイヤラヴィ(アドマイヤミヤビの2019) 1戦0勝
●18位 ソクラテス(ブルーダイアモンドの2019) 1戦0勝
●23位 プルサティーラ(カヴァートラブの2019) 2戦0勝
●31位 フォーグッド(ウィキッドリーパーフェクトの2019) 1戦0勝
●38位 ママコチャ(ブチコの2019) 2戦0勝
●40位 ダノンアーリー(ファイネストシティの2019) 2戦0勝
●41位 メトセラ(ドナブリーニの2019) 1戦0勝
●42位 アカデミー(イサベルの2019) 1戦0勝
●45位 ダノンフォーナイン(タミーザトルピードの2019) 1戦0勝
●47位 ヴァラダムドラー(バラダセールの2019) 1戦0勝
●48位 サトノアヴァロン(サトノシュテルンの2019) 1戦0勝
●49位 セレブレイトガイズ(ライフフォーセールの2019) 1戦0勝
●58位 ティーガーデン(ルミナスパレードの2019) 1戦0勝
●60位 エルバリオ(インナーアージの2019) 3戦0勝
●62位 ローマンネイチャー(キューティゴールドの2019) 1戦0勝
●72位 ウラヤ(Wadiの2019) 1戦0勝
●75位 ナインティゴット(フルマークスの2019) 3戦0勝
●76位 ショウナンハクラク(Shonan Adelaの2019) 2戦0勝
●77位 グールドベルト(アナンジュパスの2019) 1戦0勝
●79位 ライラスター(ハープスターの2019) 1戦0勝
●81位 インプレス(ベアトリス2の2019) 1戦0勝
●88位 ソリダリティ(ミュージカルロマンスの2019) 1戦0勝
●91位 フォアランナー(ジュモーの2019) 1戦0勝
●92位 プレミアムスマイル(ジンジャーパンチの2019) 1戦0勝
●93位 アンジーニョ(ポルケテスエーニョの2019) 2戦0勝
●95位 ロジマギーゴー(ゴーマギーゴーの2019) 3戦0勝
●98位 ダグザ(タリサの2019) 2戦0勝
●99位 フェニックスループ(マルセリーナの2019) 1戦0勝
残る32頭は現時点で未出走。もっとも、JRA-VANによると下記の13頭は10月5日時点で入厩済みとなっていました。おそらく近日中にデビューするでしょうし、ひと通りチェックしておいた方が良さそうです。
●8位 アルファヒディ(ドバイマジェスティの2019) 0戦0勝
●16位 スタニングスター(Stacelitaの2019) 0戦0勝
●19位 ショウナンアデイブ(シーヴの2019) 0戦0勝
●20位 サンセットクラウド(ロードクロサイトの2019) 0戦0勝
●27位 リアド(タイタンクイーンの2019) 0戦0勝
●30位 エリカヴィータ(マルシアーノの2019) 0戦0勝
●46位 チェルノボーグ(コンテスティッドの2019) 0戦0勝
●56位 ラスール(サマーハの2019) 0戦0勝
●65位 ダノンギャラクシー(ベネンシアドールの2019) 0戦0勝
●82位 エピファニー(ルールブリタニアの2019) 0戦0勝
●83位 グルアガッハ(マネーキャントバイミーラヴの2019) 0戦0勝
●90位 アートハウス(パールコードの2019) 0戦0勝
●96位 レイフル(シェルズレイの2019) 0戦0勝
未出走、かつまだ入厩していない注目POG馬ランキング上位馬は下記の通り。
●7位 パラレルヴィジョン(アールブリュットの2019) 0戦0勝
●10位 ディーンズリスター(ラヴズオンリーミーの2019) 0戦0勝
●12位 アストロフィライト(ウェイヴェルアベニューの2019) 0戦0勝
●28位 ピエドラデルーナ(スイープトウショウの2019) 0戦0勝
●33位 サリエラ(サロミナの2019) 0戦0勝
●34位 カラパナブラック(ウリウリの2019) 0戦0勝
●37位 フィアレスデザイア(ヒルダズパッションの2019) 0戦0勝
●43位 ブレスク(パララサルーの2019) 0戦0勝
●52位 マリーナドンナ(ジェンティルドンナの2019) 0戦0勝
●54位 サンドレス(ツルマルワンピースの2019) 0戦0勝
●57位 ヴァンガーズハート(ケイティーズハートの2019) 0戦0勝
●63位 ライラックワイン(ライラックスアンドレースの2019) 0戦0勝
●68位 ショショローザ(マンデラの2019) 0戦0勝
●70位 ダノンマイソウル(フォエヴァーダーリングの2019) 0戦0勝
●71位 ミッキーキング(ミッキークイーンの2019) 0戦0勝
●80位 デアリングオウカ(デアリングバードの2019) 0戦0勝
●85位 グラヴィタス(ヴィルシーナの2019) 0戦0勝
●86位 ルージュエクレール(マーブルケーキの2019) 0戦0勝
●94位 サラビ(ザズーの2019) 0戦0勝
●97位 アドマイヤカーム(アドマイヤシーマの2019) 0戦0勝
このうちグラヴィタス(ヴィルシーナの2019)は残念ながら既にJRAの登録を抹消されているのでご注意ください。
早い時期から注目を集めていたとはいえ、さすがに現時点で初陣のメドが立っていないとなると、入札を決断する心理的ハードルはだいぶ高いはず。その分、意外と手頃な価格で落札できるのではないかと思います。気になる馬は今のうちに確保しておきましょう。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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伊吹雅也のPOG分析室 (2021) ~第7回ワールド上位者考察
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JRAの夏季競馬が先週をもって終了。今週からはいよいよ秋季競馬がスタートします。
2021年の夏季競馬シーズン中に施行されたJRA、かつ2歳のレースは177競走。既に1300頭がデビューを果たし、約13%にあたる170頭が勝ち上がりました。重賞も既に4レースが施行され、7月17日の函館2歳ステークス(2歳G3・函館芝1200m)をナムラリコリス(ナムラキッスの2019)が、8月29日の新潟2歳ステークス(2歳G3・新潟芝1600m外)をセリフォス(シーフロントの2019)が、9月4日の札幌2歳ステークス(2歳G3・札幌芝1800m)をジオグリフ(アロマティコの2019)が、9月5日の小倉2歳ステークス(2歳G3・小倉芝1200m)をナムラクレア(サンクイーン2の2019)が勝利。各ワールドのランキングにも大きな動きが出てきたところです。
今回は、9月5日終了時点における各ワールドの上位プレイヤーと、その指名馬をひと通りチェックしていきたいと思います。まだスペシャル以外の各ワールドでは仮想オーナー募集枠が順次解放されていますし、そもそも最終的な順位を左右するようなビッグレースが施行されるのはかなり先。好スタートを決めたプレイヤーの指名戦略を読み取り、今後に向けた対策を検討しましょう。
なお、2020年、かつJRA、かつ2歳のレースにおける競走馬ごとの本賞金額(9月5日終了時点)トップ20は下記の通りでした。
【1位】ナムラクレア(サンクイーン2の2019) 4880万円
【2位】ナムラリコリス(ナムラキッスの2019) 3890万円
【3位】ジオグリフ(アロマティコの2019) 3800万円
【3位】セリフォス(シーフロントの2019) 3800万円
【5位】トーセンヴァンノ(トーセンソニアの2019) 2860万円
【6位】ヴィアドロローサ(ロイヤルストリートの2019) 2300万円
【6位】ラブリイユアアイズ(オープンユアアイズの2019) 2300万円
【8位】ベルウッドブラボー(マチャプチャレの2019) 2290万円
【9位】アスクワイルドモア(ラセレシオンの2019) 2190万円
【10位】アライバル(クルミナルの2019) 1900万円
【10位】カイカノキセキ(カイカヨソウの2019) 1900万円
【10位】スリーパーダ(シンハリーズの2019) 1900万円
【13位】コムストックロード(ニシノムーンライトの2019) 1730万円
【14位】ヒノクニ(トワイスアップの2019) 1677万円
【15位】ブッシュガーデン(フリスコベイの2019) 1530万円
【16位】アネゴハダ(イニシャルダブルの2019) 1480万円
【16位】オタルエバー(ルージュクールの2019) 1480万円
【18位】エーティーマクフィ(テンシンランマンの2019) 1430万円
【19位】カワキタレブリー(カフジビーナスの2019) 1410万円
【20位】テイエムスパーダ(トシザコジーンの2019) 1340万円
【20位】ポメランチェ(オレンジティアラの2019) 1340万円
重賞ウイナーが上位を占めているものの、8月14日のコスモス賞(2歳オープン・札幌芝1800m)を制したうえ札幌2歳ステークスでも3着に食い込んだトーセンヴァンノ(トーセンソニアの2019)など、地道にポイントを積み重ねた馬も少なくありません。こういったタイプの扱いにも注目しておきたいところです。
スペシャルワールドでトップに立っているのは、1億2726万円を獲得したムーンシュタイナーさん。スリーパーダ(シンハリーズの2019)などを指名している長澤まさみさんが最終週に迫ったものの、1401万円差で夏季競馬シーズンのチャンピオンに輝いています。
ムーンシュタイナーさんは第1回入札でセリフォスを獲得。本賞金額トップ20にランクインした指名馬はこの馬だけでしたが、9月5日のすずらん賞(2歳オープン・札幌芝1200m)で4着に食い込んだジョーブリッランテ(ジョーアラマートの2019)など、他にも3頭の指名馬が勝ち上がりを果たしました。また、新馬や未勝利で上位に食い込んだ馬も多数。これらの馬が順調に出世したら、獲得ポイントはさらに伸びてくるでしょう。夏季競馬に特化しての作戦勝ちというわけではなく、層の厚さや順調度の差で自然と首位に立った印象です。
G1ワールドは1億5686万円を獲得しているよ~じさんがトップ。ジオグリフを第5回入札で、セリフォスを第3回入札で獲得し、この2頭が2週連続で重賞を制しました。デビュー戦を勝ち上がった後の馬、それも夏の2歳重賞で有力視されるような馬は、注目度が上がってしまいがち。未デビュー馬とは違った難しさもある中で落札した2頭がしっかり結果を出したのですから、お見事と言うほかありません。全体的なラインナップを見ても、将来性のある逸材が多数。今後もしばらくはよ~じさんが首位争いの中心となっていくのではないでしょうか。
G2ワールドは1億1285万円を獲得している0d2fb65705さんがトップ。ナムラクレアやアライバルをデビュー前に獲得していました。ナムラクレアは新馬こそ3着に敗れてしまいましたが、未勝利の身で出走した8月14日のフェニックス賞(2歳オープン・小倉芝1200m)、そして小倉2歳ステークスを連勝。指名できた方、特にデビュー戦前後の段階で獲得した方にとっては、会心の展開だったのではないかと思います。
G3ワールドは1億2981万円を獲得しているムタオさんがトップ。よ~じさんと同じくジオグリフやセリフォスを指名されていますが、いずれも獲得したのはデビュー前です。ムタオさんは全体的に入札が早く、第4回までに20頭すべての指名を完了。ラインナップを拝見したところ、当連載の第1回でも名前が挙がっていたような、POG期間中の成績が良い調教師を重視されているように見えました。所属ワールドのルールは異なれど、基本的な戦略はおそらく私とほぼ同じ。もっとも今後が気になるプレイヤーと言っても過言ではありません。
オープンワールドは1億5813万円を獲得している銀の荼毘さんがトップ。ナムラリコリスを第4回の入札で獲得しているほか、8月14日のコスモス賞(2歳オープン・札幌芝1800m)で2着となったエーティーマクフィ(テンシンランマンの2019)らを指名されています。夏季競馬シーズンの重賞やオープン特別を積極的に狙ったと思しきラインナップで、思惑通りのスタートダッシュ成功だったんじゃないでしょうか。既に11頭の指名馬が勝ち上がりを果たしていますから、今週以降も着実に獲得ポイントを伸ばしてきそう。どこまで勢いが続くのか楽しみです。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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くりーくの中間調教チェック 新潟2歳ステークス2021
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
8月29日(日)新潟11R 第41回新潟2歳ステークス(2歳G3・芝1600m)
【登録頭数:14頭】(フルゲート:18頭)
アライバル(牡馬、前走474kg、中9週、前走時印×)<C>
前走時の追い切りでは力強く伸びて迫力があったが、パドックでは丸みのある馬体でまだひと絞りあって良さそうに感じた。この中間も2週前、1週前と南Wで追い切られて、前走以上の好時計が出ている(ただし、前走時は自動計測に変わる前でその辺を考慮すると時計的には前走時とは変わらない感じ)。併せ馬では遅れ、坂路での時計は特に良くなった感じもなく、上積みは感じられない。
ウインピクシス(牝馬、前走424kg、中7週、前走時印△)<D>
小柄な牝馬だが、前走時の追い切りでは終いバネのある走りでしっかりと伸びていた。パドックでは落ち着きがあり、馬体はまだ締まりそうな感じに見えた。この中間は、自動計測に変わったことを考慮するとやや物足りない感じ。1週前の動きを見ると悪い馬場に伸び脚を殺されて伸びきれていない。良馬場で時計の速い馬場のほうが向いていそうな感じ。
オタルエバー(牡馬、前走468kg、中4週、前走時印△)<A>
前走時の追い切りでは重心の低い走りで栗東の坂路を力強く伸びていて、パドックでは毛艶も良く無駄肉がなく好仕上がりだった。この中間は1週前にCWを長めから併せてアスターマリンバ(先週小倉の3勝クラスで大穴演出)に1秒先着と、引き続き仕上がり良好。動きを見ても重心が低く安定した走りで、抜群の伸び脚。
キミワクイーン(牝馬、前走424kg、中9週、前走時印△)<D>
小柄な牝馬でも、前走時の追い切りではしっかり乗り込まれていた。1週前に強めに追われ、直前は馬なりで併せ馬と仕上がり上々が伝わる内容。若干トモは寂しく映ったものの毛艶良く見せたパドックでも、好仕上がりが目立った。この中間は馬なりでの調整で、前走時とそれほど変わっておらず(この馬も、今回から自動計測に切り替わっている)、実質前走時よりも時計がかかっていると判断していい。小柄な牝馬であまりビシビシと追えないのかもしれず、上積みはなさそう。
クラウンドマジック(牡馬、前走496kg、3ヶ月、前走時印△)<C>
この世代最初の新馬戦を勝利してから3ヶ月ぶりの一戦。前走時には乗り込み豊富で最終追い切りでは併せて先着していたが、この中間は間隔が空いているにもかかわらず乗り込み量に乏しい。1週前追い切りでは芝コースで終い伸びきれず遅れており、やや調整不足では。
クレイドル(牝馬、前走456kg、3ヶ月、前走時印▲)<B>
6月初めの新馬勝ちからの休み明け。前走時は馬なりでの調整も、3週連続長めから併せてしぶとさと素軽さを示す内容で、パドックでも仕上がり良好な馬体を披露していた。この中間も、馬なりでの調整だが2週前、1週前と南Wで併せ馬の動きを見るに重め感はなく仕上がりは良さそう。
サイード(牡馬、前走466kg、中6週、前走時印◯)<A>
前走時の追い切りでは、1週前に長めから3頭併せで追われてしっかりとした伸びを見せていた馬。そして直前は坂路で終いを伸ばす内容で仕上りは良かった。この中間は1週前に芝コースで3頭併せの外に併せる調整メニュー。悪い馬場も関係なしといった具合に、伸び脚は抜けて良く映り、仕上がり自体も良好だろう。
セリフォス(牡馬、前走480kg、中10週、前走時印◯)<A>
前走時は乗り込み豊富で2週前、1週前と強めに追われて直前は馬なりと、好仕上がり。動きにも力強さがあり、パドックでもやや重心が高めも毛艶がピカピカで締まった馬体だった。この中間も乗り込み豊富で2週前、1週前と併せ馬で一杯に追われて先着。動きを見ると、多少重さは残るが気合い乗り抜群で終いも伸びた。あと1週間あればさらに良化を果たせそう。
タガノフィナーレ(牝馬、前走484kg(+4)、中2週、前走時印◎)<B>
浅見厩舎の馬で新馬戦、前走と1週前の日曜日に速い時計を出しての仕上げ(直前は軽め)。これまでの2戦のパドックでは馬体は大きいがトモがまだ寂しく映る感じ。この中間は間隔が詰っているが、1週前、日曜と坂路で好時計が出ていて仕上りは悪くない。
グランドライン(牡馬、前走514kg(±0)、中7週、前走時印▲)<C>
この中間は坂路で乗り込まれて、時計は新馬戦当時と変わらず。時計に表れての通り、大きく変わったという印象はない。
コムストックロード(牝馬、前走434kg(+4)、中2週、前走時印◯)<B>
新馬、未勝利、ダリア賞と使われて中2週でのレースとなるが、1週前に速い時計を出していて調子落ちはなさそう。動きを見ても手応えに余裕があり、終いの伸びも良かった。小柄な牝馬だが使われる度に締まってきている感じで、前走時がいちばん好パドックに映った。
スタニングローズ(牝馬、前走478kg(-2)、中8週、前走時印◎)<A>
デビュー前から坂路で好時計の出ていた馬で、この中間も2週前、1週前と強めに追われて好時計は出ている。牝馬でも馬体はしっかりしていて前走時のパドックではまだ絞れそうな感じにも見えたので、上積みはまだありそう。
オカンモシャチョウ(牝馬、未出走)<D>
8月から坂路で乗り込まれて優秀な時計は出ているが、内容を見るとスピードが勝ったタイプという印象も。それ以前に新馬戦を勝ち上がってきた馬たちを相手に、初出走で勝てるほど相手も弱くない。
ピンクダイヤ(牡馬、未出走)<B>
この馬は乗り込み量がかなり多いが、併せ馬での遅れが多く終いの時計もかかり気味。経験馬相手では厳しそう。
※今回のこのコラムからの推奨馬はオタルエバー、サイード、スタニングローズ、セリフォスの4頭をあげておきます。
◇今回は新潟2歳S編でした。
前回のコラムでも紹介した美浦トレセンの南Wコースの自動計測に関してですが、運用が開始された週とその前の週では明らかな違いが出ています。
人間の手による計測と機械による計測なので違いが出てしまうのは仕方がないことですが、南Wコースに関しては7月27日以降の時計が速くなっています。
前走時の調教タイムと比較して予想する際には、そのことを前提に予想して頂きたいと思っています。
この新潟2歳Sに関しても、自動計測前の新馬戦を勝って今回が2戦目という馬が何頭かいますので、そのような馬に関しては調教内容や映像があれば実際に走っている姿を観て比較したほうが良さそうです。
※新潟2歳S出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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