【TAROの競馬研究室】単複配当逆転現象が起こった背景とは?/根岸S展望
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AJCCは岩田康誠騎手騎乗のノースブリッジが勝利。道中は内でじっくりと脚を溜めて抜け出す、ジョッキーの得意パターンだった。
岩田康誠騎手は、継続騎乗で手の内に入れていくのが最近の勝負パターン。ノースブリッジには2歳時から騎乗しており、今回も2週連続で調教にまたがっていた。まさに「満を持して」の一戦だった。ノースブリッジ自身も最近にしては珍しく2年以上放牧に出さず在厩調整を続けている。これで重賞2勝目、成長力のあるモーリス産駒だけに、今年はG1戦線でも期待できそうだ。
敗れた中ではユーバーレーベンが久々に好走。東京でG1を制したことで東京を使われる機会が多かったが、本来は上りが掛かる中山の方が合うタイプ。これをキッカケに再浮上できれば面白い。
期待した◎ラーゴムは、4コーナーで外から上がって来た際にはやったかと思ったが、あとひと伸びを欠いてしまった。昨年ほど外が伸びる馬場にはならなかった点も痛かった。
また、1倍台の支持を集めたガイアフォースは5着どまり。すっかり白くなった馬体の美しさに画面越しとはいえ目を奪われたが、同コースで行われたセントライト記念の時のような伸びが見られなかった。そんなガイアフォースに絡めて、今回は配当の話を少ししてみたい。
今回1倍台のガイアフォースが飛んだことにより、上位3頭の複勝配当は、
ノースブリッジ 300円
エヒト 380円
ユーバーレーベン 270円
ご覧の通り、人気を考えればなかなかの高配当だった。複勝オッズは1倍台の馬が4着以下に敗れると期待値以上に跳ねる傾向にあり、今回もまさにその傾向通り。
さらに象徴的だったのは、土曜小倉の3R。このレースでは単勝1.3倍という断然の支持を集めたカンフーダンスが6着に敗れる波乱が起こり、複勝が大波乱。
勝った2番人気のメタマックスは、なんと単勝340円、複勝400円という理論上は考えれない逆転現象が起こった。2着のクリーデンスも、単勝オッズ17.5倍ながら複勝配当は1,160円、3着コスモジョセフも同様に、単勝オッズ22.8倍ながら、複勝配当1,220円。
単勝1倍台の馬が4着以下に敗れると、複勝は期待値以上に跳ねるケースが多い。心情的には逆転を期待できるほかの馬の単勝を買いたくなるが、相手筆頭1番手の単勝は逆に売れ過ぎになることが多い。
様々なファン心理を反映した結果の、単複逆転現象だった。こういう配当をピンポイントで狙うのは現実的ではないかもしれないが、単勝1倍台の馬が飛ぶと、途端に他の馬の複勝は跳ねる、ということくらいはアタマに入れておけば生かせるシーンがあるはずだ。
~今週末の注目馬~
というわけで、最後は根岸Sの注目馬で締めたい。現時点での狙いはコチラ。
・レモンポップ(戸崎圭太騎手)
レモンポップに注目。フェブラリーSに向けて好メンバーが揃ったが、その中でも安定感ならこの馬。戦績通りレースセンスが高く抜群の安定感を誇る馬。正攻法の戸崎騎手とも手が合っており、本番のマイルよりも、前哨戦でこそのタイプだ。この舞台なら武蔵野Sで敗れたギルデッドミラーを逆転することも可能とみる。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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2022年11月24日(木) 10:00
くりーく
くりーくの中間調教チェック ジャパンカップ2022
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
11月27日(日)東京12R 第42回ジャパンカップ(3歳以上G1・芝2400m)
※ジャパンカップは第12Rです。
【登録頭数:23頭(外国馬6頭)】(フルゲート:18頭)
<前走:天皇賞(秋)出走馬>(中3週)
ダノンベルーガ(3着、500kg(+6kg))<A>
前走の天皇賞(秋)時は、大柄な馬の休み明けらしく追い切りでモタモタしているようなところがあり、好評価にはしなかった。ただ、乗り込み量は豊富で、無理に馬を追い込むことをしていなかったので見た目以上に仕上がりは良かったのかもしれない。パドックではまだ余裕がある馬体だったので、100%に近い状態ではなかったとは思うが直線しっかり追い込んでの3着は能力の高さ。前走時にしっかり乗り込まれ、この中間には坂路にも入れての調整。1週前追い切りでは、ムーア騎手騎乗でダービーの1週前のように無理に馬を追い込むことはせず、馬なりで相手に併せていく内容と、理想的に状態を上げきている印象。前走からの上積みに十分期待が持てそう。
シャフリヤール(5着、456kg(前々走海外出走))<C>
前走時のパドックでは、馬体は仕上がっていたもののややテンション高さが感じられた。今回、芝コースでの1週前追い切りでもかなり行きたがる面を見せていて、不安が残る。今回は強力な逃げ馬もいないので、もう少しリラックスして走れていないと、レースでの折り合い面が心配に。
カラテ(6着、528kg(-4kg))<D>
かなり大きな馬だが、前走時のパドックでは太め感なく馬体はできていた感じだった。今回、距離延長で追い切りでは行きたがるところを押さえ込んでの調整となっているが、首が高くなってしまい走りに余裕がない。日曜日の坂路での時計も良い時には好時計が出ていたが、ここ2戦は平凡な時計で。
ユーバーレーベン(8着、476kg(-22kg))<C>
前走時は大きく馬体が減っていたが、通常に戻ってきた感じ。ただ、追い切りで強めに追われていることが多かったので当日のパドックではかなりテンションが高かった。この中間も1週前に強めに追われているので、直前は馬なりでの調整が理想的だが。
<前走:京都大賞典出走馬>(中6週)
ヴェラアズール(1着、518kg(+8kg))<B>
大型馬の休み明けで迎えた前走時のパドックでは、馬体こそ増えていたがそれほど太め感はなくドッシリと構えている感じだった。この中間も2週前、1週前とCWで好時計が出ていて、大きく良くなったという印象は受けないものの上積みは窺える。
ボッケリーニ(2着、472kg(+8kg))<D>
休み明けの前走時のパドックでは肩の出が硬く感じた。この中間、1週前追い切りでもモタモタした感じがあり、物足りない動きだった。
<前走:その他のレース出走馬>
デアリングタクト(エリザベス女王杯:6着、486kg(+2kg)中1週)<C>
前走時は追い切りの動き、パドックでの馬の様子と決して悪くはなかった。ここ2戦は前半から力みがあり、その分終いの伸び切れなさにつながっている感じで、ペースが速くなって気分よく追走できれば直線の伸びも変わってきそう。
ユニコーンライオン(福島記念:1着、530kg(-2kg)中1週)<B>
福島記念からの中1週でこの中間は軽めの調整。前走時のパドックでは、硬い感じも太め感はなく良い仕上りだった。
ハーツイストワール(アルゼンチン共和国杯:2着、478kg(+4kg)中2週)<B>
この中間は、間隔が詰まっているため軽めの調整。前走時に目を向けると、追い切りは坂路で平凡な時計も動き自体悪く見せず、パドックではトモの筋肉こそ寂しく映ったが毛艶はかなり冴え、出来良く見せていた。
テーオーロイヤル(アルゼンチン共和国杯:6着、458kg(-2kg)中2週)<C>
前走時の追い切りでは、モタれる面を見せていて終いの時計もかかっていた。こちらもこの中間は軽めの調整。坂路、CWと速い時計の出る馬なので、休み明け3戦目でどこまで上がってくるか。
ヴェルトライゼンデ(オールカマー:7着、494kg(-2kg)中8週)<B>
前走時も坂路で好時計が出ていたが、当時は走りやすそうな馬場で時計ほど伸びている感じはなかった。この中間は、乗り込み量も多く、1週前追い切りではジョッキー騎乗で終いの伸びも良好。変わり身が期待できそう。
シャドウディーヴァ(府中牝馬S:7着、486kg(±0kg)中5週)<D>
前走時の追い切りでは、重心が高く首も上がっている感じだった。この中間も、乗り込み少なく坂路での時計も平凡と評価しづらい。
トラストケンシン(オクトーバーS:11着、468kg(+4kg)中5週)<D>
この中間乗り込み量は多いが、併走遅れ、坂路での時計も平凡と大きな変わり身なし。
リッジマン(桂樹杯:7着、475kg(+7kg)中10週)<E>
JRA所属時は重賞勝ちもあったが、前走盛岡の芝でのレースで凡走と昔の勢いはない。
<外国招待馬>
オネスト(凱旋門賞:10着、中7週)<B>
終いの脚を活かす馬だが切れるという馬でもなく、スローの切れ脚勝負になると厳しそう。ただ、ルメール騎手が騎乗予定で日本の馬場、レースにあった乗り方をしてくる可能性もあり注意は必要。
グランドグローリー(凱旋門賞:5着、中7週)<C>
昨年好走してその後も好成績の1年だったが、日本のレースでは昨年以上は期待できそうもない。
シムカミル(ニエル賞:1着、中10週)<C>
ニエル賞ではドウデュースに先着も、フラつく場面もあり東京の馬場ではもっと甘くなりそう。
テュネス(バイエルン大賞:1着、中2週)<A>
デビュー戦で敗れているが、2戦目から5連勝。今年3戦は長距離のレースを使い、6馬身、8馬身、10馬身とタフな馬場を重い斤量を背負って先行しての圧勝続き。ヨーロッパでももっともタフな馬が多いドイツの馬で、日本馬に一番足りないものを持っており能力はかなり高そう。来年のヨーロッパでは、大きなレースをいくつか勝つ馬になっているか。今回のジャパンカップに関しては、馬場が向くかどうかに焦点が集まっているが、これだけ圧勝できる馬なので未知の魅力のほうが勝るとの印象。
<出走回避馬>
ブルーム、マジカルラグーン、ウインマリリン、ウインマイティー、ゴールドスミス
※今回このコラムでの中間の状態からの推奨馬は、ダノンベルーガ、テュネス、ヴェラアズールの3頭をあげておきます。
◇今回は、ジャパンカップ編でした。
ジャパンカップ過去10年の連対馬は関西馬15頭に関東馬5頭。それらの馬の調教内容を見てみると、連対した5頭の関東馬はカレンブーケドールの1週前追い切りが坂路だった以外、すべて南Wでの追い切りでした。その南Wでの追い切りも、1回目にアーモンドアイが勝った時の最終追い切りが終い仕掛けられていたのみで、あとは1週前、最終追い切りいずれも馬なりという調整過程。関東馬に関しては、休み明け2戦目で中間に南Wで追われ、そこで馬なりで好時計をマークというのが理想的な調教パターンと言えそうです。
そして、連対馬の多くを占める関西馬に関しては、坂路、CWが半分くらいずつではあるものの、勝利した8頭だけに絞ると坂路での追い切り6頭、CWでの追い切り2頭と、坂路調教馬の活躍が目立っています。ただ、坂路での追い切りも一杯に追われた馬はなく、馬なりもしくは終い仕掛けられて伸ばす内容となっています。関西馬に関しては、天皇賞(秋)同様に輸送を控えているため1週前までに仕上げておき、直前は馬なりもしくは軽く終いを伸ばす程度の調整というのが理想的なようです。
最後に近年不振が続く外国招待馬に関しては、シンプルに日本で追い切られている本数が多いか強めに追われて好時計をマークしている馬が好走しています。東京競馬場に検疫用の厩舎ができたことで、今年から来日後に東京での調整が可能に。追い切りの本数が多く好時計の出ている馬に関しては、注意が必要かもしれません。
※ジャパンC出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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2022年11月20日(日) 15:00
伊吹雅也
【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2022年11月20日号】特選重賞データ分析編(333)~2022年ジャパンカップ
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 ジャパンカップ 2022年11月27日(日) 東京芝2400m
<ピックアップデータ>
【“前年以降、かつ東京、かつG1のレース”において3着以内となった経験の有無別成績(2017年以降)】
○あり [5-4-5-10](3着内率58.3%)
×なし [0-1-0-54](3着内率1.8%)
コース適性が最大のポイント。2017年以降の3着以内馬15頭中14頭は、前年以降に東京のG1で3着以内となった経験がある馬でした。今年はこの条件をクリアしている馬が極端に少ないため、ある程度は柔軟に評価したいところ。それでも、中山・阪神のレースやローカル場のレースがベストと思しき馬は疑ってかかるべきでしょう。
主な「○」該当馬→シャフリヤール・ユーバーレーベン
主な「×」該当馬→ヴェラアズール・デアリングタクト・ハーツイストワール・ボッケリーニ
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【向かい風データ】
×「“同年4月以降、かつJRA、かつ出走頭数が12頭以上、かつG1・G2のレース”において3着以内となった経験がない」馬は2017年以降[0-0-1-44](3着内率2.2%)
主な該当馬→シャフリヤール・ユーバーレーベン
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【甘粕代三のドバイWCデーレース展望②】ドバイシーマクラシック・ドバイワールドカップ
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ドバイシーマクラシック(芝2410m)
日本馬が出走14頭のうち5頭を占めるドバイシーマクラシックは日本馬中心、というよりも日本馬が間違いなく上位独占を果たします。
史上最強世代と謳われる昨年のダービー馬シャフリヤール、そのダービー馬を神戸新聞杯で退けたステラヴェローチェ、シャフリヤールに昨年のジャパンカップで1馬身半先着したオーソリティ、香港ヴァーズ連覇のグローリーヴェイズ、亡き岡田繁幸の墓前にオークス制覇を手向けたユーバーレーベンと日本国内でもこれだけの顔ぶれが揃うことはあり得ません。おかげで今春のG1長距離路線は空き家といってもいい惨状。JRAも番組編成を再考する時期に来ているのではないでしょうか。
日本馬5頭は他国10頭と比べても明らかに力量上位。掲示板独占も夢じゃない、どころかその可能性は無限に高いと言えます。この5頭の中ではステラヴェローチェを狙います。重の鬼ながら晴雨兼用。後方一気の脚質ゆえ届かず涙を飲むレースが続いてきましたが、メイダンの芝は府中、東京よりは重く、香港シャティンとほぼ同じ。切れ味勝負の他の日本勢よりも有利といえます。
それだけではありません。ステラヴェローチェには海の向こうと天空から無敵の味方が舞い降りたのです。海の向こうからの援軍は言うまでもなく有馬記念から主戦となったM.デムーロと彼のファミリーです。ミルコとは彼の香港遠征時代からの付き合いで、ドバイへのエミレーツ便でも一緒になりました。最終追切の木曜午前、競馬場での朝食会で再会を約束して空港で別れましたが、朝食会には乳母車を押し現れたのです。
「オㇵヨ! 僕のファミリーです。よろしくね!」
乳母車の中には来月1歳を迎えるという長男、そして傍らにはイタリア美女3人がいるじゃないですか! コロナ禍のため夫人と長女と次女はイタリアに戻り、3年以上離れ離れになっていたのです。ミルコが里帰りした11か月後に生まれたのが乳母車の中にいる長男でした。ドバイは既にコロナ禍も収まって入国制限がなくなったので、ドバイワールドカップデーにイタリアから呼びよせ、長男とは初の御対面を果たしたのです。ミルコは満面の笑みを浮かべて長男を抱いていました。
「ファミリーの前でカッコいいとこ見せないと、ね」
ミルコへの乗り替わりは大野剛嗣オーナーの強い希望からでした。オーナーはドバイワールドカップデーへの出走を終生の夢にしていて、2011年東日本大震災直後、ヴィクトワールピサで日本馬初のワールドカップ制覇を果たしたミルコに、その夢を託したのです。ところが、その大野オーナーは3月2日、終生の夢を見ることなく亡くなったのです。最終追い切りの夜、ミルコとファミリー、須貝尚介調教師と夕食を共にしました。ミルコと須貝師、2人は亡き大野オーナーの墓前にドバイシーマクラシック制覇の朗報を届ける、と誓いを立てたのです。傍らで2人の言葉を耳にし、その思いに接した身としてはステラヴェローチェを応援しない訳には参りません。
競馬の世界には葬式馬券という言葉があります。オーナー、調教師、騎手ら関係者に弔事があると、その馬は必ず走るというジンクスです。最近ではアドマイヤ軍団の総帥、近藤利一オーナーが急逝した2019年、アドマイヤマーズが12月の香港マイルを圧勝したことが思い出されます。海の向こう、そして天空からの援軍をご理解いただけたでしょうか。ステラヴェローチェを不動の本命に日本発売馬券では3連単、香港発売馬券では4連単、畢生の大勝負をかける決心を致しました。
さて、相手は言うまでもなく日本勢、海外馬ではユビアー、ドバイオナー、アレンカー、パイルドライヴァーまで手を伸ばそうか悩みは尽きません。
ドバイワールドカップ(ダート2000m)
昨年2着と涙を飲んだチュウワウィザードが雪辱に燃えています。ドバイ到着後も順調、仕上げに抜かりなし。日本では堂々の一番人気に押されることは間違いありません。
しかし、ダート2000mは何といっても米国馬の金城湯池。BCダートマイル、ペガサスWCマイルとG1を連勝しているライフイズグッドが頭抜けていることは否定のしようもない事実。チュウワウィザードとの実力差はオッズ差の十倍どころではありません。ドバイシーマクラシックのステラヴェローチェ以上の不動の本命と見ました。ライフイズグッドに続くのは世界最高賞金のサウジC2着のカントリーグラマー。そのカントリーグラマーは馬体を調教で見るにつけ、名は体を表すという諺の妙に唸りました。もちろん調教に唸らされましたよ。そして前哨戦の一つ、2月のアルマクトゥームCR2の2着馬、ホットロッドチャーリー。サウジC3着のミッドナイトバーボンまではチュウワウィザードよりも高い評価を与えざるを得ません。
地元ドバイはサウジCで惨敗したリアルワールドがホストの面目を施さんとあのC.スミヨンを鞍上に迎えました。ハヤ王妃との離婚騒動、巨額の慰謝料請求でその悪名を世界に広めたドバイの王様、シェイク・モハメドの強い意向が働いたようです。これにも注目せざるを得ません。
★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースのドバイワールドカップデー3レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。
甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。 |
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