菊花賞・2019
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秋華賞は難しかったですね。春のトップが抜ければ次位グループが順当に繰り上がる、と言ってしまえばそれまでの結果なのですが、上がり馬に期待して失敗でした。春に期待しつつイレ込みがひどくなって期待を裏切られ続けたシゲルピンクダイヤには参りました…。南部杯も上位評価3頭が逆順に来ちゃうし、難しいものです。
菊花賞ですがステイヤーの時代でないとはいえ、近年では最も層の薄い三冠目となりました。皐月賞馬もダービー馬も不在で、好勝負していたのがヴェロックスのみ、両レースでかろうじて掲示板に載れたのでさえニシノデイジーだけ(ダービー5着)という寂しさ。また重賞勝ち馬も、かなりの人気薄で弥生賞を勝ったメイショウテンゲン(8番人気)、京都新聞杯を勝ったレッドジェニアル(11番人気)とその一発以外は凡走続きの2頭と、実績馬の層が異常に今年は薄い状況。晩成型の大物というのもこれといっていない、なんとも寂しいメンバー構成となってしまいました。その分、馬券的には面白いのかもしれませんが……。
それでは恒例の全頭診断へ
1番人気想定 ヴェロックス:皐月賞2着、ダービー3着ときて前哨戦の神戸新聞杯ではサートゥルナーリアには完敗の2着だったが、サートゥルナーリアは菊花賞に出てこないので、先週のクロノジェネシス同様最後の一冠でようやく戴冠というのは十分ありえる。本質的には3000m向きではないと思うが、ライバル達が他の路線に行く中、ギリギリ菊にも対応できるのでは(春の二冠ではともに本命を打ったが今回はちょっと悩ましい)。ジャスタウェイは、自身はマイルで強い競馬を見せていたが産駒は明らかに2000m前後で結果を出しており、中距離種牡馬とみられる。ただ、ここで菊花賞馬を出すことによりハーツクライ後継として評価を上げられるチャンスで、その意味で大事な一戦。
2番人気想定 ワールドプレミア:春はヴェロックスに若葉Sで3馬身差完敗の2着の後に骨折。その後、神戸新聞杯から登場し3着とそれなりに格好をつけたが、武豊騎手に「秋になっても気性面の成長が無い」とコメントされているように、3000mまで距離が延びるとダメかも。ただライバルのレベルが低過ぎで、多少掛かってスタミナロスしても相対的にやれてしまうのかも。
3番人気想定 ニシノデイジー:ルメール騎手への乗り替わりで評価急上昇のよう。確かに勝浦騎手の残念騎乗が再三にわたり、西山オーナーもよくここまで辛抱したなあという感じの馬ではあるが、種牡馬としてハービンジャーは思ったよりステイヤー寄りではなく中距離向き。京都3000mは向かず、ルメール騎手でも苦労するのでは。
4番人気想定 ヒシゲッコウ:札幌2600mで2勝クラスを勝ってきた、ステイヤー色の強いルーラーシップ産駒(ステルヴィオの半弟)。2000mの新馬勝ちから、堀厩舎らしく大事に使うパターンで、春は4ヵ月休んでのプリンシパルS3着止まりだったが、成長が追い付いてきて、この距離なら世代トップレベルともそろそろ好勝負できそう。洋芝2600m勝ちは最近は人気となってしまい妙味あまり無いのだが、乗った騎手が皆褒めているように好素材のステイヤー。
5番人気想定 ホウオウサーベル:調教師試験勉強中の蛯名騎手もこの馬は楽しみにしているようで、夏の新潟で2勝クラス勝ち(5馬身差での圧勝)の際には「トライアルを使いたくないから、責任を果たせてよかった」とコメントしたように、ハーツクライ×アカテナンゴと菊を意識できる血統とスケールあり。ただ先週の秋華賞を見ると、ぶっつけ本番の上り馬は、結果を出すのが難しいのかもしれない。
6番人気想定 ザダル:春は順延となったプリンシパルSを勝つも、日程が詰まるダービーは使わず秋に備えてきた。セントライト記念は3着だったが、菊に向けては1~2着馬よりも内容は良かったのでは。地味なトーセンラー産駒だけに人気にもなりにくそうだが、父父のディープインパクトよりはスタミナある種牡馬と思われる。
7番人気想定 サトノルークス:春は皐月賞14着、ダービー17着と惨敗だった良血馬だが、セントライト記念では2着と結果を出した。ただ川田騎手がはっきりと「距離延びるのは良くない」とコメントしているように中距離馬で、菊花賞が終わったらマイルあたりを中心に使うようになるのでは。
8番人気想定 レッドジェニアル:春は500万下を取りこぼした後だっただけに11番人気と低評価だった京都新聞杯を勝ってしまった。しかも倒した2着が、その後にダービー馬となるロジャーバローズでもある。だからと言ってこの世代でトップレベルにいるかと言えば、神戸新聞杯では掛かり気味に4着敗退。更にこの距離で良さが出る感じでもなく、かなり好条件が揃っての激走だった京都新聞杯とみるのが正しそう。
9番人気想定 タガノディアマンテ:きさらぎ賞での2着以降は掲示板に載れるかどうか程度の成績続き。1番人気だった京都新聞杯でも終いは止まったし、秋初戦ではズブさを見せるなど、距離適性がどこにあるのか含め好走は難しそう。
10番人気以下想定
シフルマン:逃げた神戸新聞杯は強過ぎるサートゥルナーリアに早めに来られて、あっさり敗北となったが、これをノーカウントとすると春は連勝を果たしており、やや中距離色強めではあるが、楽に行けると激走もあるかもしれない。地味な実力者の松山騎手も良い。
メロディーレーン:338kgという小ささで2600mの1勝クラスを勝ち上がってきたが、昔から細身のステイヤーというのはいるが、いくらなんでも小さすぎる。応援馬券票が入りそうで妙味無し。
ユニコーンライオン:岩田騎手が「まだまだ子供っぽい」とコメントしながらも、それなりの結果を出してきたマル外。矢作厩舎の馬で、まだまだ成長の余地ありとすると案外激走あるかも。
メイショウテンゲン:弥生賞を8番人気で制したが道悪巧者だったようで、以降は惨敗続き。ゲートも悪く、得意かと思われた道悪のセントライト記念も11着と冴えず、期待薄。
バラックパリンカ:勝ち上がるが上級馬をほとんど出さないノヴェリスト産駒で、ようやく1勝クラスを1ヵ月前に勝っただけと、大一番での一発は期待できそうにもない。
カリボール:末脚鋭いジャスタウェイ産駒でマイル前後が良さそうなタイプ。ここの後の適距離で期待か。
アドマイヤジャスタ:2歳時にはホープフルS2着と活躍し、2月のすみれSでも2着とここまでは好走していたのだが、気持ちが切れてしまったのか以降は惨敗続き。去勢でもしないと立ち直らないのでは。
カウディーリョ:キングカメハメハ×ディアデラノビアという良血馬で、堀厩舎らしく大事に使われてきた。ディアデラノビアの仔は瞬発力は足りないがスタミナ型に出ることが多く、穴馬としては面白いのでは。
ヴァンケドミンゴ:京都新聞杯10着と負けた後に、1勝クラス、2勝クラスと連勝して3勝クラスも3着と惜しい競馬(勝ったブレステイキングは重賞でもやれそうな馬)。長距離適性があれば、それなりに通用しても良く、ヒモ穴向き。
アドマイヤスコール:回避
ディバインフォース:ワークフォース×ゼンノロブロイという長距離配合なのだが、父の産駒の典型であるスピード不足のタイプで、京都だと青葉賞同様に後方に置かれるのでは。今後は障害転向が生き残る道では。
ナイママ:札幌2歳S2着して中央入りしてきた地方馬だが、その後は成長乏しく期待薄。
ヒッチコック:2勝はともにダートで芝は新馬戦しか使っていない。芝のG1では用無し。
<まとめ>
有力:ヴェロックス
ヒモに:ワールドプレミア、ヒシゲッコウ、ホウオウサーベル、ザダル
穴で:シフルマン、ユニコーンライオン、カウディーリョ、ヴァンケドミンゴ |
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2018年11月16日(金) 10:30
くりーく
くりーくの中間調教チェック 2018東京スポーツ杯2歳S編
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こんにちは、公認プロ予想家のくりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に、各馬コメントをしていきたいと思います。
11月17日(土) 東京11R 第23回東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳、G3、芝1800m)
【登録頭数:17頭】(フルゲート:18頭)
ニシノデイジー(B)
前走時は調教もパドックでの出来もかなり良かった。この中間は美浦に戻っての調整。乗り込み量は多く、水準以上の時計は出ているので調子落ちなくレースを迎えられるハズ。
カテドラル(B)
この中間もこれまで通り2週前、1週前とCWを長めから併せ馬で乗られていて乗り込み量は豊富。1週前追い切りでの遅れはやや気になるが、速い時計は出ているのであとは最終追い切りの動きを見ての判断となる。
トーラスジェミニ(E)
中1週での出走が続き、調教で特に良い時計が出る馬でもなく、さすがに厳しそう。
アガラス(D)
休み明けでこの中間は大きな馬の割に強めに追われることがなく、物足りない内容。
アドマイヤスコール(C)
前走未勝利勝ちで、その前走時と比べれば2週前、1週前と先着していて良いほうだと思うが、新馬戦時の時計と比べると物足りない感じもする。
ヴァンドギャルド(C)
この中間は間隔に余裕がある割に2週前に速い時計を出していない。1週前にビシッと追って好時計は出ているものの、急仕上げな感を受ける。
ヴェロックス(A)
デビューからの2戦はともにパドックでは少しうるさい面を見せていたが、前走時は特にうるさくその辺りはレース内容に影響していると思う。この中間は、CWを長めだけでも3本好時計をマークしており調教内容はかなり良い。
クリノガウディー(D)
前走のデビュー戦はかなり乗り込んでの出走で◎(1着)。この中間は乗り込み量が少なく、変わった印象はなく物足りなく映る。
ゴータイミング(C)
前走時は坂路を中心に乗り込まれ、特に目立つ時計が出ていた訳ではないが人気薄で1着。この中間はCW中心に2週前、1週前と併せて先着も、坂路での時計はまだ物足りない。上積みはありそうでも能力的に一線級とは差があるか。
ダノンラスター(B)
前走時は特に抜けて良い時計が出ていた訳ではないが、終いはしっかりと伸びていた調教内容だった。この中間も同じような内容で大きく変わった感じこそないが、悪くはないという印象。
トーセンギムレット(D)
休み明けの前走時は、マイナス体重もまだお腹のあたりが緩い感じに見えた。レースもスローの前残りで後方からではかなり厳しい展開。自力で勝ち切るには厳しそうだが、叩き2戦目での上積みと展開が向いて掲示板ぐらいまでなら。
ハクサンタイヨウ(F)
休み明けの前走は+14kgもトモは寂しく、パドックでも小走りが多く馬体の成長分はナシ。この中間も時計平凡で上積みもなさそう。
ホウオウサーベル(B)
前走のデビュー戦は調教では特に目立つ時計が出ていた訳ではなくパドックでもまだ緩そうな余裕のある馬体だったものの、レースでは圧勝と能力の違いを見せた。この中間は休み明けになるがしっかりと乗り込まれて、時計は前走時よりも少しずつ良化。ガラッと変わった感じはないが、状態面での上積みは期待できそう。
メイスンハナフブキ(D)
少し間隔が空いた前走の+10kgは、馬体が戻った分。パドックでは好馬体で仕上がっていた印象で、うるさい面も覗かせていた。この中間に関しては、速い時計は出ておらず、そこからの上積みは期待できない内容。
ラバストーン(F)
出走してくれば連闘となるが、馬体重が減り続けていて使ってきても上積みは期待できなさそう。
ルヴォルグ(B)
前走のデビュー戦ではパドックに入ってきた時にうるさい面を見せていたが、その後はおさまり周回。好馬体で気合い乗りも良く、レースでは好位追走から楽に先頭に立って危なげない競馬と能力は高そう。ただ今回はムーア騎手騎乗だが、中2週で最初からここを使う予定ならルメール騎手が乗ってくるだろうし、ここはもともとは予定になかった参戦か。この中間も軽め1本と上積みはどうかといった感はある。
<地方馬所属馬>
ナイママ(B)
札幌での2戦はパドックでは細く見えるくらいの馬体で、仕上りは良かったと思われる。その後川崎に転厩して調整されていて、輸送面に関しても距離的に短くなるのは良さそう。先週は元中央ガリバルディと併せて併入と、仕上がりも悪くなさそう。
◇今回は東京スポーツ杯2歳S編でした。
毎週2歳重賞が続きますが、東京スポーツ杯2歳Sには先週、先々週の重賞よりも頭数が揃いました。12月の2歳G1や、来年のクラシックを目指すにはローテーション的に一番良いということもあってか、実際に昨年は今年のダービー馬ワグネリアンが勝っていますし、過去10年の勝ち馬の顔ぶれを見ても10頭中7頭が後のG1ホースという所謂出世レースとなっていますね。今年もなかなかの素質馬が揃っているので、今年の勝ち馬からも後のG1ホースが誕生しそうな予感がしています。そういった意味でも楽しみで見逃せないレースになりそうです。
それでは次回ジャパンカップ&京都2歳S編(予定)でお会いしましょう。
※東京スポーツ杯2歳S出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論はレース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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