【TAROの競馬研究室】直線競馬で工夫できる騎手/アイビスサマーダッシュ展望
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函館記念は2番人気のトーセンスーリヤが勝利も、2着に14番人気アイスバブル、3着に12番人気バイオスパークが入り、またしても波乱の決着に。夏のローカル競馬らしい難解な重賞が続いている。
~直線競馬のポイント
さて、今週末は一年を通して唯一の直線重賞、アイビスサマーダッシュが行われる。個人的にも直線競馬は好きなので、とても楽しみな一戦だ。
直線競馬を読み解くポイントは大きく2つ。
1つは言うまでもなく、外枠有利という点である。これに関しては、
「そんなの知ってる」
と言われてしまうのだが、知っていてもなお外枠有利が顕著なのである。自戒を込めて書くが、実際、競馬においてわかっていることと馬券を買い切れることの距離はそれなりにあって、わかっていてもいざ馬券を買うとなるとためらってしまうことが多々ある。
2021年になり直線競馬は7レース行われたが、そのうち6レースで6~8枠の馬が勝利。回収率も外枠の方が優秀なのだから、”わかっているがそれでもまだ妙味は外枠にあり”というのが現状である。
事実、私も今年最初の直線競馬のレースでは7枠12番のタピオカを本命にした。当然外枠有利とみて相手にも外枠勢を選んだのだが、結果的には◎タピオカが勝利したものの3着の12番人気リュッカが抜けて取り逃してしまった。
なお、リュッカは6枠11番。枠順のセオリーから行けば押さえるべきなのだが、「さすがにこの馬は…」という気持ちが働いて消してしまったのだ。傾向に即して狙うことはカンタンなようだが、実はそうカンタンではない。むしろあまり詳しくない時期の方がこういうものは買えたりするから、いろいろ知ってしまうということは時には的中から遠ざかることでもあるのだ。
長くなったがそろそろ2つ目のポイントへ。それは騎手である。
かつては直線の村田や、直線の西田などと言われたこともあるように、騎手による得手不得手があるのものこの舞台の特徴。現在は特に直線の○○というのはあまり聞かないのだが、それでも工夫をするジョッキーとしないジョッキーの違いは開催を通してみているとよくわかる。
前開催唯一の直線オープン、韋駄天ステークスを14番人気で制したタマモメイトウに騎乗していた津村騎手は、直線コースで工夫をできるジョッキーだ。運よくこのレースでは本命にできたので、当時の記述をご覧頂きたい。
「◎6タマモメイトウ→内枠狙いはやや無理筋を覚悟で…今回は直線の逆転を期待したい。津村騎手は直線競馬で外への意識があり、外に持っていけるところではキッチリ持って行ってくれるのが特徴。今回は本馬の外にいるのがほとんど逃げ先行系で、外に持ち出すのにつっかえる可能性があるとすれば隣のヒロイックアゲン、10番のワンモアバイト、11番のレジェーロくらい。それでもテンに行けない本馬よりも速い馬ばかりで恐らくガラッと空いた外側に一気に進路を切り替えて行ける可能性が高い。あとは前がガリガリやり合うのを待つ他力本願レースにはなるが、近走重賞でもそこそこやれている脚があれば能力は通用する。初直線&内枠でまったく人気はないが、上がり掛かれば出番あるはず」
津村騎手は直線競馬で内枠からでも外に持っていく意識が強く、例えば5番枠から3着に持って来たリュウールドレ騎乗の際にも工夫が見て取れた。だからこそ、タマモメイトウを内枠でも本命にすることができたわけだ。直線競馬を見続けていると、外への意識づけがある騎手とない騎手の差が顕著に見えて来る。仮に馬券に絡めなくても、そういった工夫が実を結ぶこともあるのだ。
ちなみに津村騎手は前開催の直線競馬で(1-1-2-0)とパーフェクト。数字的には目立たないが、菱田騎手なども工夫の跡がよく見えた。結果を問わず、そういったプロセスを見ておくと、直線競馬で買うべき騎手が見えて来る。
~アイビスサマーダッシュの注目馬
というわけで、ココでは現時点の注目穴馬を一頭取り上げる。
・ビリーバー(杉原騎手)
昨年の当レース3着馬だが以後2度使われた直線競馬はいずれも内枠で持ち味を出せず。それでも韋駄天ステークスでは内枠からひと脚使えており、今年も枠順次第で通用の余地はありそう。上手く外で溜める競馬ができる枠順を引ければ好勝負になる。
※アイビスサマーダッシュの最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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先週は東西で2つの重賞が行われた。
西のプロキオンSではサンライズノヴァが鮮やかな差し切り勝ち。土曜日から阪神のダートは外が良く伸びていたが、日曜も傾向が継続し、メインも外枠勢や外を回した組が有利な決着となった。
ダートのバイアスは見た目でわかりづらい分、馬券的には美味しいケースが多い。手前みそになるが、私の本命もダート適性を見込んでいた外枠の◎エアスピネル。鮫島駿騎手らしい柔らかい当たりの騎乗で、外から伸びて来た。3着ヤマニンアンプリメも8枠16番を生かした外枠先行。3連複は14万馬券と、なかなかの高配当となった。
〜梅雨入りとともに大活躍の内田騎手
一方、夏の福島名物・七夕賞を制したのはクレッシェンドラヴ。内田博騎手は前週のバビットに続き、2週連続の福島重賞制覇。先月のエプソムCに続いて短期間で3つの重賞を固め打ちしたことになる。
この梅雨時に内田騎手が重賞戦線で活躍しているのは偶然ではない。かつて荒れ馬場の皐月賞でゴールドシップに騎乗し”インマクリ”を決めたように、タフな馬場をノメらせず走らせられるのが内田騎手の長所。そこは地方仕込みの技術なのだろう。荒れ馬場になりやすい梅雨時の開催は同騎手にとっては得意シーズンだ。ちなみにダイワキャグニーで制したエプソムCは不良、バビットで制したラジオNIKKEI賞はやや重、そして先週のクレッシェンドラヴで制した七夕賞は重馬場だった。
なお、古い話ではあるが初のJRA・G1制覇だった2007年のNHKマイルC(ピンクカメオ)はやや重、2度目のJRA・G1制覇となった2008年の宝塚記念(エイシンデピュティ)は重馬場。内田博幸には、芝の塊が飛び散るような馬場が良く似合っている。
内田騎手に限らず、騎手にはそれぞれ馬場の得手不得手がある。高速馬場が得意な騎手、荒れた馬場が得意な騎手、ダートの方が成績が良い騎手など、レースを観ているといろいろな傾向が見えて来る。宣伝で恐縮だが、4月に発売した『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』では、そういった騎手ごとの特徴を書いているので、興味のある方はぜひ手に取ってほしい。
〜9年連続3連複万馬券継続中、函館記念の穴馬
さて、今週末は函館最終週を飾るハンデ重賞・函館記念が行われる。過去10年で1番人気は1勝、2着1回のみという波乱の重賞で、ここのところ9年連続で3連複から万馬券になっている。思い切って穴馬を狙って良い、穴党向きの一戦だ。
ここでは注目の穴馬を2頭挙げてみたい。
ベストアプローチ
実に2年2か月ぶりの出走となった前走の巴賞がなかなか見どころのある内容。着順こそ6着と振るわなかったが、トーラスジェミニが逃げ切る完全な立ち回り戦を4コーナーで動いて最後まで脚を使えていた。距離延長は間違いなくプラスで、頻繁に穴をあける巴賞敗戦組。叩いた上積みがあれば通用の余地があるはず。荒れて来ている馬場も向きそうだ。
バイオスパーク
前走の都大路Sは最後差されたもののコース取りを考えれば上々といえる2着。レースぶりに安定感があるため派手さはないが器用なタイプで函館の2000mは合いそう。荒れ馬場も苦にしないので、上手く立ち回れればチャンスもある。
いずれにしても波乱必至のレースなので、あまり弱気にならず思い切って攻めて行きたい一戦だ。
※重賞の結論は、『TAROの競馬』にて無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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