ダンスパートナー(競走馬)

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写真一覧
抹消  鹿毛 1992年5月25日生
調教師白井寿昭(栗東)
馬主吉田 勝己
生産者社台フアーム
生産地千歳市
戦績25戦[4-9-3-9]
総賞金60,378万円
収得賞金11,050万円
英字表記Dance Partner
血統 サンデーサイレンス
血統 ][ 産駒 ]
Halo
Wishing Well
ダンシングキイ
血統 ][ 産駒 ]
Nijinsky
Key Partner
兄弟 ダンスインザムードダンスインザダーク
市場価格
前走 1997/12/21 有馬記念 G1
次走予定

ダンスパートナーの競走成績

[ 競走データ ] [ 繁殖データ ]
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成績 条件別 競馬場別 距離別 重量別 騎手別 タイム別
開催日

R 競走名 コース









指数

負担
重量
(kg)
騎手調教師



馬体重
(kg)




(秒)

3F
通過順 1(2)着馬
97/12/21 中山 9 有馬記念 G1 芝2500 161210.9514** 牝5 54.0 河内洋白井寿昭 438
(-10)
2.38.8 4.039.8⑮⑮⑯⑮シルクジャスティス
97/11/09 京都 10 エリザベス杯 G1 芝2200 15231.412** 牝5 56.0 河内洋白井寿昭 448
(-2)
2.12.5 0.035.1⑫⑪⑪⑪エリモシック
97/10/05 京都 11 京都大賞典 G2 芝2400 10332.012** 牝5 57.0 河内洋白井寿昭 450
(+6)
2.26.2 0.034.3⑨⑨⑧⑥シルクジャスティス
97/07/06 阪神 10 宝塚記念 G1 芝2200 125518.743** 牝5 56.0 河内洋白井寿昭 444
(-4)
2.12.1 0.236.3⑪⑪⑩⑦マーベラスサンデー
97/06/15 阪神 11 鳴尾記念 G2 芝2000 1581511.343** 牝5 57.0 河内洋白井寿昭 448
(--)
2.01.8 0.435.7⑫⑫⑪⑥バブルガムフェロー
97/04/13 香港   クイーンEC 芝2000 14--------8** 牝5 55.8 四位洋文白井寿昭 --2.01.6 0.0----ロンドンニューズ
96/12/22 中山 9 有馬記念 G1 芝2500 1481446.2126** 牝4 55.0 四位洋文白井寿昭 432
(0)
2.35.2 1.437.4⑪⑪⑪⑧サクラローレル
96/11/24 東京 10 ジャパンC G1 芝2400 1661213.6610** 牝4 55.0 四位洋文白井寿昭 432
(-6)
2.25.6 1.837.3⑫⑩⑩⑨シングスピール
96/11/10 京都 10 エリザベス杯 G1 芝2200 168152.411** 牝4 56.0 四位洋文白井寿昭 438
(-6)
2.14.3 -0.034.0④⑤⑥⑤フェアダンス
96/10/06 京都 11 京都大賞典 G2 芝2400 148146.524** 牝4 57.0 四位洋文白井寿昭 444
(+18)
2.25.2 0.133.9⑫⑫⑦⑥マーベラスサンデー
96/07/07 阪神 10 宝塚記念 G1 芝2200 13576.233** 牝4 56.0 四位洋文白井寿昭 426
(-6)
2.12.3 0.334.6⑦⑦⑥⑥マヤノトップガン
96/06/09 東京 11 安田記念 G1 芝1600 173515.476** 牝4 56.0 四位洋文白井寿昭 432
(+6)
1.33.6 0.534.8⑫⑭トロットサンダー
96/05/11 京都 11 京阪杯 G3 芝2200 16362.911** 牝4 56.0 四位洋文白井寿昭 426
(+6)
2.12.8 -0.033.5⑨⑦⑦④イブキタモンヤグラ
96/03/31 阪神 11 産経大阪杯 G2 芝2000 12334.224** 牝4 56.0 武豊白井寿昭 420
(-6)
2.00.8 0.134.4⑨⑨⑨⑧タイキブリザード
96/02/11 京都 11 京都記念 G2 芝2200 9442.822** 牝4 55.0 武豊白井寿昭 426
(+8)
2.14.6 0.634.4⑦⑦⑦⑦テイエムジャンボ
96/01/21 東京 11 AJCC G2 芝2200 9337.442** 牝4 55.0 蛯名正義白井寿昭 418
(-12)
2.15.3 0.333.8⑤⑥⑥④カネツクロス
95/12/17 阪神 11 サン阪神牝特 G2 芝2000 12681.712** 牝3 55.0 武豊白井寿昭 430
(-2)
2.00.5 0.235.1⑩⑩⑧⑦サマニベッピン
95/11/05 京都 10 菊花賞 G1 芝3000 18244.915** 牝3 55.0 武豊白井寿昭 432
(--)
3.05.0 0.636.0⑨⑩⑨⑤マヤノトップガン
95/09/10 フラ   ヴェルメイユ G1 芝2400 10--------6** 牝3 58.0 武豊白井寿昭 --0000 --------
95/08/27 フラ   ノネット賞 G3 芝2000 4--------2** 牝3 58.0 武豊白井寿昭 --0000 --------

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ダンスパートナーの関連ニュース

牝馬クラシック第2弾のオークスが21日、東京競馬場で行われる。JRA・GⅠ12勝を挙げた元調教師の白井寿昭氏(78)が、桜花賞でGⅠ2勝目をマークしたリバティアイランドの馬体を診断。胴が長くて背中が短い『長躯短背』(ちょうくたんぱい)の体形で、大きなトモやバランスの良さを絶賛。自身が管理したフサイチパンドラに似ていると指摘し、3歳の牝馬同士なら初の2400メートルもこなせるとジャッジした。



リバティアイランドの写真を見て、最初に目に飛び込んできたのは、雄大なトモ(後肢)です。先週、実際に栗東トレセンでも馬体をチェックしたのですが、3歳牝馬とは思えないくらいトモが大きく、容量が非常に豊富。後ろ脚の踏み込みもしっかりしていて、歩様に力強さを感じました。ここまで素晴らしいトモを見たのは、本当に久しぶり。これこそが、桜花賞で見せたような爆発力のある末脚の源と言っていいでしょう。

ひとつ、ひとつのパーツを見ても、その良さが目につきます。まず強調したいのは、顔です。意外に思われるかもしれませんが、馬を見るとき、私は顔も重視します。走る馬というのは、いい顔をしているものです。この馬は、目鼻立ちの良さが目立ちます。やる気がみなぎった目をしており、闘志を感じます。また、しっかりと顎が張っているので、カイバ食いの心配もないでしょう。

首差しは太さがあって、角度もいいですね。いいバランスをしています。キ甲(首と背中の間のふくらんだ部分)もしっかりと抜けて、発達しています。胸前が深く、胸囲も十分で幅もあるので、優れた心臓を持っていることが推察できます。そして、胴がゆったりとして、背中は短い。いわゆる『長躯短背』(ちょうくたんぱい)で、良馬の体形とされています。上手に背中を使ったフォームで走れる馬体なのです。

そのまま後方に目を移していくと、腰の筋肉の発達具合も素晴らしい。そして脚はスカッとしていて、四肢がキチッと伸びています。飛節の角度も理想的。それと、尻尾も重要です。尻尾が細い馬は頼りないところがあるのですが、太くて長さもあるので力強い。一見すると、牡馬と見間違えるほど、迫力のある馬体です。

気配も良く、どっしりとした風格のある馬。トレセンでも落ち着いていましたが、気合を入れれば、一気にスイッチが入りそうな雰囲気もあり、オン、オフの切り替えも上手そうでした。私が管理した中では、オークス2着で、エリザベス女王杯を勝ったフサイチパンドラ(※1)が近いかもしれません。パンドラも馬格があり、無駄なことをしませんでした。このあたりも、走る馬の特徴のひとつですね。オークスとエリザベ女王杯を制したダンスパートナー(※2)はその逆で、細身でいかにも長い距離が合いそうでした。そういった意味では、リバティは将来的にはマイルから中距離あたりが適距離になりそうです。

今回、2400メートルの距離は鍵になるでしょうが、3歳の牝馬同士なら本質的な距離適性よりも、高いポテンシャルでこなしてくれるはず。爆発力のある末脚の持ち主。切れ味も問われる東京なら、不安なくレースに向かえるでしょう。

■白井 寿昭(しらい・としあき) 元JRA調教師。1945(昭和20)年1月13日生まれ、78歳。大阪府出身。1968年に厩務員となり、調教助手を経て79年から調教師に。95年オークスダンスパートナー)でGI初制覇。98年にスペシャルウィーク日本ダービーを制し、他にもアグネスデジタルフサイチパンドラなど多くの名馬を送り出した。2015年に引退。JRA通算6933戦775勝で重賞はGI12勝を含む42勝。本紙でGⅠ当日にコラム「スペシャルジャッジ」を掲載。

※1 フサイチパンドラ 2006年オークス2着馬。同年のエリザベス女王杯は2位入線から繰り上がりで、GⅠ初制覇を飾った。産駒には、牝馬3冠を含むGⅠ9勝を挙げたアーモンドアイがいる。

※2 ダンスパートナー 1995年オークスを制覇。秋は3000メートルの菊花賞に参戦し牡馬相手に5着だった。翌96年エリザベス女王杯でGⅠ2勝目を挙げた。

◆きょう最終追い…昨年のスターズオンアースに続き、史上17頭目となる桜花賞オークスの牝馬2冠を目指すリバティアイランドは16日、栗東CWコースを半周してから坂路へ。4ハロン63秒1-14秒7で駆け上がり、活気ある姿を見せた。着々と態勢を整えており、きょう最終追い切りを行う予定だ。

【オークスの注目点】リバティアイランドが圧巻の末脚で史上17頭目の牝馬クラシック2冠を狙う! 2023年5月16日(火) 11:45

桜花賞は4コーナー16番手から差し切り勝ち 牝馬クラシック2冠制覇を狙うリバティアイランド

桜花賞リバティアイランド(栗東・中内田充正厩舎)が、牝馬クラシック2冠制覇を目指す。リバティアイランドは2歳時に阪神JFを制し、JRA賞最優秀2歳牝馬を受賞。今年初戦の桜花賞では4コーナーを16番手で通過したが、直線で前を行く各馬を差し切って優勝した。グレード制を導入した1984年以降のオークスでは、34頭の桜花賞馬が出走して10勝、2着7回(勝率.294、連対率.500)という成績を挙げているが、リバティアイランドは樫の女王の座も射止めることができるか。勝てば、桜花賞オークスの2冠制覇は昨年のスターズオンアースに続く2年連続17頭目、最優秀2歳牝馬のオークス制覇は17年ソウルスターリング以来6年ぶり13頭目となる。

★連対率100%の桜花賞2着馬コナコースト レーン騎手との新コンビで出走予定

コナコースト(栗東・清水久詞厩舎)は通算4戦1勝、2着3回という成績で、桜花賞では勝ったリバティアイランドから3/4馬身差の2着に入った。キャリア3戦以上で連対率100%を記録していた馬は過去10年のオークスで5勝、2着2回(勝率.417、連対率.583)という成績を残しているが、コナコーストは新馬戦以来の勝利をオークスで挙げることができるか。勝てば、桜花賞2着馬のオークス制覇は16年シンハライト以来7年ぶり13頭目となる。なお、コナコーストにはデビューから4戦連続で鮫島克駿騎手が騎乗していたが、今回はダミアン・レーン騎手が騎乗を予定している。

コナコーストは昨年8月28日に小倉の新馬戦(1着)でデビューした。その後約5カ月の休養を挟み、復帰後はエルフィンS、チューリップ賞、桜花賞と3戦連続で2着となっている。小倉デビュー馬がオークスを勝てば1995年のダンスパートナー以来28年ぶり5頭目となるが、コナコーストは惜敗続きに終止符を打つことができるか。なお、デビューした時期こそ違うが、ダンスパートナーも小倉の新馬戦1着の後、エルフィンS、チューリップ賞、桜花賞で3戦連続2着という成績でオークスに参戦し、新馬戦以来の2勝目をオークスで挙げた。

★1勝馬ながら堅実な走りを続けるドゥアイズ 兄弟制覇に挑む吉田隼人騎手が騎乗予定

ドゥアイズ(栗東・庄野靖志厩舎)は、通算6戦1勝という成績だが、昨年の阪神JFでは10番人気で3着と好走。今年はクイーンC2着、桜花賞5着と重賞で堅実な走りを続けている。桜花賞5着馬がオークスを勝てば、1991年イソノルーブル以来32年ぶり4頭目となるが、ドゥアイズは待望の2勝目をオークスで挙げることができるだろうか。

ドゥアイズにはデビューからすべてのレースで吉田隼人騎手が騎乗しており、オークスにも吉田隼騎手とのコンビで挑む予定。兄の吉田豊騎手はオークスで2勝を挙げており、武豊、幸四郎兄弟以来2組目の兄弟制覇がかかるが、吉田隼騎手はドゥアイズを勝利に導くことができるか。なお、吉田豊騎手は今年のオークスでは阪神JF2着馬のシンリョクカ(美浦・竹内正洋厩舎)に騎乗を予定している。

サンスポ賞フローラSを逃げ切ったゴールデンハインド 武市康男調教師は15年ぶりのクラシック挑戦

ゴールデンハインド(美浦・武市康男厩舎)は通算7戦2勝、2着2回という成績だが、逃げた時は3戦2勝、2着1回で連対率100%を記録しており、前走のサンケイスポーツ賞フローラSではこのレース30年ぶりとなる逃げ切り勝ちを収めた。ゴールデンハインドには、オークス初騎乗となる菅原明良騎手が騎乗する予定だが、今回はどのような戦法で挑むだろうか。なお、サンスポ賞フローラS組は過去10年のオークスで1勝、2着4回、3着2回という成績を残しており、21年にはゴールデンハインドと同様に(株)サラブレッドクラブ・ラフィアンが所有するゴールドシップ産駒で、サンスポ賞フローラSでは3着だったユーバーレーベンが勝利を挙げている。

また、ゴールデンハインドを管理する武市調教師にはJRA・GⅠ初制覇がかかる。武市師のクラシック挑戦は08年の桜花賞(16着)以来15年ぶり2回目となるが、開業18年目で初のビッグタイトルを手にするととができるだろうか。

★桜花賞2桁着順からの巻き返し狙う重賞勝ち馬 エミューラヴェルキタウイング、ドゥーラ

桜花賞10着のエミュー(美浦・和田正一郎厩舎)、11着のラヴェル(栗東・矢作芳人厩舎)、12着のキタウイング(美浦・小島茂之厩舎)、14着のドゥーラ(栗東・高橋康之厩舎)には、1965年べロナ(桜花賞12着)、67年ヤマピツト(桜花賞12着)、71年カネヒムロ(桜花賞15着)、2013年メイショウマンボ桜花賞10着)に次ぐ史上5頭目の桜花賞2桁着順馬によるオークス制覇がかかる。エミューフラワーCラヴェルアルテミスSキタウイング新潟2歳SフェアリーSドゥーラ札幌2歳Sといずれも重賞での勝利実績があるが、桜花賞から巻き返して樫の女王の座に就くととができるだろうか。

★勝てば母子制覇&最少キャリア制覇 2戦2勝のミッキーゴージャスに注目

ミッキーゴージャス(栗東・安田隆行厩舎)は、2月19日の未勝利戦と4月8日の1勝クラスを連勝し、2戦2勝という成績でオークスに駒を進めてきた。同馬は父が新種牡馬のミッキーロケット、母は2015年のオークスミッキークイーンという血統で、父母を所有した野田みづき氏の所有馬だ。ミッキーゴージャスには史上7頭目の無敗でのオークス制覇、史上3組目のオークス母子制覇、オークス史上最少キャリアでの勝利がかかるが、記録ずくめの勝利を挙げることができるか。ミッキーゴージャスには前走に続き戸崎圭太騎手が騎乗を予定している。なお、5月8日現在では抽選対象だが、今年のオークスには2014年のオークスヌーヴォレコルトを母に持つイングランドアイズ(栗東・安田翔伍厩舎)も登録している。

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【中央重賞懐古的回顧】1996年京都記念 「宮内牧場の象徴」テイエムジャンボと名繁殖牝馬ブラウンデージ 2023年2月6日(月) 15:00


週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第57回は1996年の京都記念優勝馬テイエムジャンボを取り上げる。


古くからの関西の競馬ファンには馴染み深い、しかし関東のファンにとっては知る人ぞ知るという扱いであろう繁殖牝馬にブラウンデージがいる。懐かしのラフオンテースの半姉に当たるこの馬は現役時3戦0勝。しかし産駒は母の馬っぷりの良さを受け継いでよく走った。浦河の宮内牧場のかまど馬として長らく活躍し、シンブラウン、シンチェスト、そして少し間を置いてテイエムジャンボという3頭の重賞ウイナーを産み出した偉大な母。晩年まで毎年別々の種牡馬を付けていたことも特筆すべき点であろう。なお、お相手にマイラータイプの種牡馬が多かったのは血統的なバランスを意識した判断だったという。

ハクタイセイ、バンブーアトラス、バンブービギンにより三冠トレーナーとなった栗東・布施正調教師。この名伯楽の功績にブラウンデージは大きく寄与したが、息子のテイエムジャンボは布施師の調教師としての最晩年に活躍した。中でも1996年の京都金杯(当時は京都芝2000m)、京都記念の重賞2連勝は鮮烈であった。4角先頭から瞬く間に2馬身半差突き抜けた京都金杯。続く京都記念では課題と目された1ハロン延長もものともせず、抜群の瞬発力で連勝を飾った。

1996年のG2・京都記念パワーシンザンが他馬に蹴られて発走除外となり、結果として8頭立てで行われた。重賞連勝を狙う5歳牡馬テイエムジャンボの目下の相手は1歳下のオークスダンスパートナーであった。ハナを切ったファンドリリヴリアが作り出した前半5ハロン1分1秒6のスローペース。折り合いに不安を抱えていたテイエムジャンボだったが、ベテラン河内洋騎手に導かれるように素直に好位待機。その一段後ろで構えたダンスパートナーよりもワンテンポ遅らせてスパートを開始し、メンバー随一の上がり34秒3の脚を披露してゴール前ダンスパートナーに3馬身半の差をつけた。

4歳夏までの一本調子の逃げから脚質転換に成功し、クリスタルグリッターズ産駒らしく中距離で瞬発力を活かす競馬を得意技にしたテイエムジャンボ。だが河内騎手の「天皇賞の3200mはさすがに長いよ」という言葉通りに、春天では入りの遅さに引っ掛かって15着大敗。その後宝塚記念は疲労のため自重した。兄のシンブラウンやシンチェストのように「ブラウンデージの仔はG2どまり」という風評を覆せなかったのは残念であった。彼の引退からまもなくして、同父のマチカネフクキタル菊花賞を制覇したが、その際ささやかれた“距離不安説”は恐らく先達のテイエムジャンボに因るところが大きかったと推測される。

引退後は故郷の宮内牧場で種牡馬入り。生涯で残した産駒は30数頭と少なかったが、その中から準オープン勝ちのトップジャンボを送り出したのは立派だろう。種牡馬としては2007年を最後に開店休業状態となり、時代は下って令和の世の2020年に29歳で死亡。大柄な母譲りの「ジャンボ」なガタイを誇ったテイエムジャンボは、存在そのものが生まれ育った宮内牧場の歴史であり象徴であった。

テイエムジャンボ
牡 鹿毛 1991年生
父クリスタルグリッターズ 母ブラウンデージ 母父ボンモー
競走成績:中央22戦8勝
主な勝ち鞍:京都記念 京都金杯

(文:古橋うなぎ)

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【オークス】今年も無敗の2冠女王誕生か!?3歳牝馬の頂上決戦の注目点はこちら! 2021年5月19日(水) 09:30

★無敗での桜花賞オークス制覇狙うソダシ 昨年のデアリングタクトに続くか



 無敗の桜花賞ソダシ(栗東・須貝尚介厩舎)が、史上3頭目の偉業に挑む。同馬は昨年7月12日のデビュー以来、5戦5勝の成績を収めており、阪神JF桜花賞と2つのGIタイトルを手にしている。桜花賞オークス制覇となれば史上16頭目、無敗での“2冠制覇”は1957年のミスオンワード、昨年のデアリングタクトに続く史上3頭目となるが、ソダシ桜花賞に続いてオークスも制すことができるかどうか。



 ソダシは父クロフネ、母ブチコという血統の白毛馬。5月17日現在、クロフネの産駒はJRAの平地重賞で40勝を挙げているが、すべて1800メートル以下の距離での勝利となっている。ソダシはデビューから芝1600~1800メートルの距離で5連勝を決めているが、未知の距離となる芝2400メートル戦のオークスでどのような走りを見せるだろうか。



★兄・吉田豊騎手はオークス2勝 ソダシの鞍上・吉田隼人騎手は兄弟制覇に挑戦



 5戦5勝のソダシ(栗東・須貝尚介厩舎)は、デビュー以来すべてのレースで吉田隼人騎手が騎乗している。同騎手は5月17日現在、関東所属騎手でトップの41勝を挙げ、5月8日にはJRA通算1000勝を達成している。吉田隼人騎手の兄・吉田豊騎手はオークスで2勝を挙げており、「武豊(兄)=武幸四郎(弟)」兄弟以来2組目の兄弟制覇がかかるが、吉田隼人騎手はソダシを勝利に導くことができるかどうか。なお、兄の吉田豊騎手は今年のオークスミヤビハイディ(美浦・高橋文雅厩舎)に騎乗する予定。



 また、ソダシを管理する須貝尚介調教師にはオークス初制覇がかかる。同調教師はオークスを勝てば、史上5人目のクラシック完全制覇、並びに史上3人目の8大競走完全制覇へ残すはダービーのみとなるが、4度目の挑戦でオークス初勝利を挙げることができるかどうか。



オークス母子制覇に挑むアカイトリノムスメ C.ルメール騎手との新コンビで参戦予定



 桜花賞4着のアカイトリノムスメ(美浦・国枝栄厩舎)は、父が2005年の3冠馬ディープインパクト、母が2010年の牝馬3冠馬アパパネという血統。同馬は今年初戦のクイーンCで重賞初制覇を飾り、GI初挑戦となった桜花賞では勝ったソダシから0.2秒差の4着となった。アカイトリノムスメにはオークス史上3組目の母子制覇がかかるが、母アパパネに続いてオークスを制すことができるかどうか。なお、アカイトリノムスメは今回“テン乗り”となるC.ルメール騎手とのコンビで出走する予定。



★25年ぶりのオークス制覇狙う武豊騎手 フローラSを制したクールキャットに騎乗予定



 武豊騎手は、1993年べガ、1995年ダンスパートナー、1996年エアグルーヴオークスを制しており、現役トップタイのオークス3勝を挙げている。同騎手は今年のオークスでは、サンスポ賞フローラSの勝ち馬クールキャット(美浦・奥村武厩舎)に騎乗する予定だが、25年ぶりにオークスを制すことができるかどうか。Vなら、同馬を管理する奥村武調教師はJRA・GI初制覇となる。



 また、クールキャットは父スクリーンヒーロー、母メジロトンキニーズという血統で、レイクヴィラファームの生産馬。同牧場の生産馬ではグローリーヴェイズが2019年に香港で香港ヴァーズを制しているが、JRA・GIは未勝利。果たして、クールキャットはレイクヴィラファーム生産馬初のJRA・GI制覇を遂げることができるかどうか。



桜花賞3着のファインルージュに騎乗予定 JRA・GI通算30勝なるか、福永祐一騎手



 桜花賞3着のファインルージュ(美浦・木村哲也厩舎)に騎乗予定の福永祐一騎手は、5月17日現在、JRA・GIで29勝を挙げており、グレード制が導入された1984年以降で5人目のJRA・GI通算30勝に王手をかけている。福永騎手は2004年ダイワエルシエーロ、2005年シーザリオ、2007年ローブデコルテオークスを制しており、武豊騎手と並ぶ現役最多タイのオークス3勝を挙げているが、現役単独トップの4勝目を挙げることができるかどうか。Vなら、同騎手はクラシック競走11勝目で、歴代単独2位になる。なお、ファインルージュは、馬主の六井元一氏がJRAで初めて所有した馬で、5月17日現在、同馬主のJRAで唯一の所有馬となっている。



オークス連覇を狙う松山弘平騎手 横山武史騎手は親子3代オークス制覇に挑戦



 昨年のオークスデアリングタクトで制した松山弘平騎手には、史上7人目のオークス連覇がかかる。同騎手は今年のオークスでは、桜花賞5着のアールドヴィーヴル(栗東・今野貞一厩舎)に騎乗する予定だが、今年もオークスを制すことができるかどうか。桜花賞5着馬がオークスを勝てば、1991年のイソノルーブル以来30年ぶり4頭目となる。



 また、桜花賞6着のククナ(美浦・栗田徹厩舎)に騎乗予定の横山武史騎手は、オークス初騎乗となる。同騎手の祖父・横山富雄元騎手は1978年、父の横山典弘騎手は2010年にオークスを制しているが、横山武史騎手は親子3代オークス制覇の偉業を遂げることができるかどうか。なお、アールドヴィーヴルは通算3戦1勝、ククナは通算6戦1勝という成績で、1995年のダンスパートナー以来、 26年ぶり3頭目の1勝馬によるオークス制覇がかかる。



タガノパッションは追加登録料を支払っての参戦 デビュー65日目での戴冠なるか



 スイートピーS勝ち馬のタガノパッション(栗東・鮫島一歩厩舎)は、3月20日の未勝利戦でデビュー(3着)しており、オークス当日がデビュー65日目となる。オークスを春に実施するようになった1953年以降、デビューから最速でオークスを制したのは1982年のシャダイアイバー(オークスがデビュー78日目)で、タガノパッションが勝てばこの記録を更新する。タガノパッションは追加登録料200万円を支払ってのオークス参戦となるが、デビューから約2カ月で“樫の女王”の座に就くことができるかどうか。同馬には岩田康誠騎手が騎乗する予定。



★JRA重賞での活躍目立つ川田将雅騎手 忘れな草賞勝ち馬ステラリアに騎乗予定



 川田将雅騎手は、5月8日の京都新聞杯レッドジェネシスとのコンビで制し、早くも今年のJRA重賞10勝目を挙げた。同騎手は今年、高松宮記念ダノンスマッシュ)、大阪杯レイパパレ)とJRA・GIでも2勝を挙げており、オークスでは“テン乗り”となるステラリア(栗東・斉藤崇史厩舎)に騎乗する予定。川田騎手は2012年のオークスで“テン乗り”となった桜花賞ジェンティルドンナを勝利に導いているが、9年ぶりのオークス制覇を遂げることができるかどうか。



 また、ステラリアは世代最初の新馬戦となった昨年6月6日の新馬戦(阪神)でデビューしており(3着)、同馬が勝てば、2010年のアパパネ(7月5日デビュー)を上回り、2歳戦が実施されるようになった1946年以降では最もデビューが早いオークス馬になる。ステラリアは前走の忘れな草賞を勝ってオークスに駒を進めてきたが、今年のJRA重賞で好成績を挙げる川田騎手とのコンビで“樫の女王”の称号を得ることができるかどうか。なお、今年の登録馬ではウインアグライア(美浦・和田雄二厩舎)、クールキャット(美浦・奥村武厩舎)、スライリー(美浦・相沢郁厩舎)、ユーバーレーベン(美浦・手塚貴久厩舎)も6月にデビューしており、Vなら、1946年以降で最もデビューが早いオークス馬になる。



ストライプに騎乗予定の柴田善臣騎手 クラシック最年長優勝記録の更新なるか



 ストライプ(美浦・尾形和幸厩舎)に騎乗予定の柴田善臣騎手は、レース当日の年齢が「54歳9カ月24日」で、安藤勝己元騎手が持つクラシック最年長優勝記録(51歳0カ月14日)、岡部幸雄元騎手が持つグレード制が導入された1984年以降のJRA・GI最年長優勝記録(53歳11カ月27日)の更新がかかる。ストライプは前走の桜花賞では12着に敗れているが、オークスで巻き返すことができるかどうか。なお、柴田善臣騎手はJRA・GI9勝を挙げているが、クラシックでの勝利はなく、デビュー37年目で初のクラシック制覇がかかる。



★1勝馬ながら重賞で3戦連続3着 ゴールドシップ産駒のユーバーレーベン



 ユーバーレーベン(美浦・手塚貴久厩舎)は、通算6戦1勝という成績で、昨年9月の札幌2歳Sで2着に入り、暮れの阪神JFでも3着に入った。同馬は今年、フラワーC3着、サンスポ賞フローラS3着という成績を残しているが、待望の2勝目をオークスで挙げることができるかどうか。



 ユーバーレーペンは父ゴールドシップ、母マイネテレジアという血統で、ゴールドシップ産駒初のJRA・GI制覇を目指す。同馬が勝てば、馬主(株)サラブレッドクラブ・ラフィアンのJRA・GI制覇は2013年のNHKマイルC(マイネルホウオウ)以来8年ぶりで、牝馬でのJRA・GI制覇は初めてのこととなる。なお、ユーバーレーベンにはM.デムーロ騎手が騎乗する予定。



★2戦2勝のニーナドレスに注目 最少キャリア優勝記録の更新なるか



 デビューから2戦2勝のニーナドレス(栗東・友道康夫厩舎)には、オークス最少キャリア優勝記録の更新がかる。オークスを春に実施するようになった1953年以降の最少キャリア優勝は、カワカミプリンセス(2006年)、ラヴズオンリーユー(2019年)、デアリングタクト(2020年)の3戦で、キャリア2戦の同馬が勝てば同記録を更新する。ニーナドレスは追加登録料200万円を支払って参戦する予定だが、デビューから3連勝でオークスを制すことができるかどうか。同馬には藤岡康太騎手が騎乗する予定。なお、ニーナドレスは2月28日の未勝利戦(小倉)でデビューしているが、小倉デビュー馬がオークスを勝てば、1995年のダンスパートナー以来26年ぶり5頭目となる。



 また、ニーナドレスを管理する友道康夫調教師には、オークス初制覇がかかる。Vなら、同調教師は牝馬クラシック初制覇となり、クラシック完全制覇へ残すは桜花賞のみとなるが、ニーナドレスは“樫の女王”の称号を得ることができるかどうか。



★1番人気馬が5連勝中のオークス 11年目・藤懸貴志騎手はJRA・GI初騎乗



 オークスでは、2016年のシンハライトから昨年のデアリングタクトまで1番人気馬が5年連続で勝利を挙げている。同一GI級競走での1番人気馬の最多連勝は1941~43、1946~48年のオークス(1944、45年は戦争のため実施されず)、1952~57年の天皇賞・春、2001~06年のダービーで記録された「6連勝」だが、今年もオークスの1番人気馬は勝利を挙げることができるかどうか。



 また、ハギノピリナ(栗東・高野友和厩舎)に騎乗予定の藤懸貴志騎手は、デビュー11年目でJRA・GI初騎乗となる。同騎手は2011年デビューで、同期の現役騎手は嶋田純次騎手、杉原誠人騎手、森一馬騎手、横山和生騎手。藤懸騎手はハギノピリナのデビューからすべてのレースで同馬に騎乗しており、未勝利戦→矢車賞と目下2連勝中だが、初の大舞台でどのような騎乗を見せるだろうか。ちなみに、1988年のオークスではJRA・GI初挑戦だった熊沢重文騎手がコスモドリームに騎乗して勝利を挙げた。



オークスの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載★【オークス】レース展望

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【オークス】レースの注目点 2019年5月15日(水) 16:54

★今年は桜花賞馬が不在!80代目の樫の女王に輝くのはどの馬か?

 今年のオークスには、桜花賞を制したグランアレグリアの登録がない。同馬は、レースレコードを記録し、桜の女王に輝いたが、その後はNHKマイルCに駒を進めた。桜花賞馬が出走しないオークスは2016年以来3年ぶりとなるが、果たして、どのような結果になるだろうか。

 ちなみに、オークスを春季に実施するようになった1953年以降、桜花賞馬不在のオークスは11回あるが、桜花賞2着馬が3勝を挙げており、2005年、2016年と目下出走機会2連勝中となっている。

 また、今年のオークスは節目の80回目を迎える。オークスの10回単位の成績を見ると、1番人気馬は3勝、2着3回、3着1回とすべて馬券の対象となっているが、記念すべき80代目の樫の女王に輝くのはどの馬だろうか。



★巻き返し狙う最優秀2歳牝馬ダノンファンタジー、登録馬中最多の4勝

 桜花賞で4着に敗れたダノンファンタジー(栗東・中内田充正厩舎)が、オークスで巻き返しを狙う。同馬は、2歳時に阪神JF優勝など4戦3勝の成績を挙げ、JRA賞最優秀2歳牝馬を受賞。今年も初戦のチューリップ賞を制し、桜花賞では1番人気に支持されたが、4着に敗れた。

 ダノンファンタジーは今年のオークス登録馬中、最多の4勝を挙げているが、最優秀2歳牝馬の実力を示し、2つ目のGIタイトルを手にすることができるだろうか。Vなら、桜花賞4着馬の勝利は、2007年口ーブデコルテ以来12年ぶり5頭目。最優秀2歳牝馬の勝利は、2017年ソウルスターリング以来2年ぶり13頭目となる。

 なお、同馬に騎乗予定の川田将雅騎手は、オークスで1勝、2着2回(勝率・167、連対率.500)という成績を挙げており、今回は2012年ジェンティルドンナ以来7年ぶりの勝利がかかっている。

桜花賞2着シゲルピンクダイヤ、24年ぶり1勝馬による制覇なるか

 シゲルピンクダイヤ(栗東・渡辺薫彦厩舎)は、デビューから4戦1勝という成績だが、毎回人気を上回る着順となっており、今年はチューリップ賞が4番人気で2着、桜花賞では7番人気で2着に入っている。シゲルピンクダイヤは、デビューから全てのレースで和田竜二騎手が手綱をとっており、オークスでも同騎手が騎乗する予定となっているが、2勝目をオークスで挙げることができるだろうか。Vなら、1勝馬のオークス制覇は1995年ダンスパートナー以来24年ぶり3頭目、シゲルピンクダイヤを管理する渡辺薫彦調教師はGI初制覇となる。



ウィクトーリアビーチサンバ、母の雪辱なるか! (有)シルクレーシングは連覇に挑戦

 フローラSを制したウィクトーリア(美浦・小島茂之厩舎)は、父ヴィクトワールピサ、母ブラックエンブレムという血統。同馬の母ブラックエンブレムは、2008年に桜花賞10着、オークス4着という成績を残し、秋華賞でGI初勝利を挙げた。ウィクトーリアには、オークスで2着が3回あり、同レース初勝利を目指す戸崎圭太騎手が騎乗する予定となっているが、母の雪辱を果たすことができるだろうか。

 なお、ウィクトーリアの馬主である(有)シルクレーシングは、昨年のオークスアーモンドアイで制しており、2010・11年の吉田照哉氏以来のオークス連覇がかかっている。

 また、桜花賞5着のビーチサンバ(栗東・友道康夫厩舎)の母フサイチエアデールは、1999年のオークスで5着に入っている。母のフサイチエアデールはGI勝利こそ果たせなかったが、GIで2着が3回の実績があった。ビーチサンバは母の成し得なかったGI制覇を遂げることができるだろうか。



ラヴズオンリーユー、力ワカミプリンセス以来の無敗&最小キャリア制覇なるか!

 ラヴズオンリーユー(栗東・矢作芳人厩舎)が、史上5頭目の無敗でのオークス制覇を目指す。同馬は父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー、母の父がStorm Catという血統で、2016年のドバイターフを勝ったリアルスティールの妹にあたる。ラヴズオンリーユーは、昨年11月3日のデビュー以来3戦3勝という成績で、前走の忘れな草賞では2着馬に3馬身の差をつけて勝利した。

 無敗でオークスを勝てば、2006年の力ワカミプリンセス以来、13年ぶり5頭目。キャリア3戦でのオークス制覇は、同レースを春季に実施するようになった1953年以降の最少キャリア優勝記録である2006年力ワカミプリンセスに並ぶ。なお、「父ディープインパクトX母の父Storm Cat」という血統の馬からは、多くの活躍馬が出ており、同血統のJRA・GI勝ち馬は4頭を数える。

ラヴズオンリーユー騎乗予定のM.デムーロ騎手、クラシック完全制覇なるか!

 ラヴズオンリーユー(栗東・矢作芳人厩舎)に騎乗予定のM.デムーロ騎手には、史上10人目のクラシック完全制覇がかかっている。同騎手はJRAの騎手となった2015年から毎年オークスに参戦しているが、2016・17年の3着が最高成績となっている。デムーロ騎手は、アドマイヤマーズに騎乗して5日のNHKマイルCを制し、8年連続JRA・GI制覇を決めたが、5度目の挑戦でオークス初勝利を挙げて、クラシック完全制覇を達成することができるだろうか。Vなら、歴代4位タイのクラシック通算9勝目となる。

 また、シェーングランツ(美浦・藤沢和雄厩舎)に騎乗予定の武豊騎手、ビーチサンバ(栗東・友道康夫厩舎)に騎乗予定の福永祐一騎手は、現役トップのオークス3勝を挙げている。武豊騎手が勝てば1996年以来23年ぶり、福永騎手が勝てば2007年以来12年ぶりのオークス制覇となるが、現役単独トップのオークス4勝目を挙げることができるだろうか。



桜花賞3着馬は2年連続連対 東京で2戦2勝のクロノジェネシス

 桜花賞3着のクロノジェネシス(栗東・斉藤崇史厩舎)が、GI初制覇を目指す。同馬は9月2日、小倉でのデビュー(1着)以来、通算5戦3勝、4着以下なしという堅実な成績で、2歳時の阪神JFでも僅差の2着に入っている。桜花賞3着馬はオークスで通算7勝を挙げており、2017年ソウルスターリングが1着、2018年リリーノーブルが2着と目下2年連続で連対しているが、クロノジェネシスも2頭に続いて好走することができるだろうか。

 Vなら、小倉デビュー馬のオークス制覇は1995年ダンスパートナー以来24年ぶり5頭目となる。なお、クロノジェネシスは東京で2戦2勝という成績で、アイビーS、クイーンCを制している。

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【オークス】アーモンドはカミソリ!国枝師2冠へ自信アリ 2018年5月15日(火) 05:04

 春競馬はいよいよクライマックス。今週は3歳牝馬の頂点を決めるオークスが行われる。主役はもちろん、史上14頭目の牝馬春2冠を目指す桜花賞アーモンドアイ。管理する国枝栄調教師(63)=美浦=は、かつて3冠牝馬アパパネを手掛けた実績がある。経験豊富な名伯楽に、牝馬クラシック連勝への手応えを聞いた。 (取材構成・漆山貴禎)

 --桜花賞は4角16番手からの差し切り勝ち

 「シンザン記念でしまいがしっかりしているのは分かっていたからね。思ったより(追走に)余裕があったし、残り1ハロン手前では“届くだろうな”と。あれだけブレずに真っすぐ走れるのは大したものだよ」

 --中間の雰囲気は

 「追い切りの動き(9日にWコース6ハロン81秒4)は良かった。順調でいい感じに来ているよ。デビューした頃から扱いやすいし、落ち着きがあるのもいいね」

 --早い段階から素質を感じていた

 「初めて見たのはちょうど1歳になった頃かな。バランスや顔が良くて、点数の高い馬だと思ったよ。期待していても“外れ”の方が多いんだけど、実際に入厩してきてからもいい動きをしていたからね」

 --自身が手がけた2010年の3冠牝馬アパパネと比べて

 「古い言い方になるけど、アパパネがナタの切れ味だとしたら、この馬はカミソリ。この先、アパパネのように丈夫で行ってくれればいいけど」

 --その切れ味を2400メートルでも発揮できるか

 「正直、距離はやってみないと分からない。ただ、折り合いに関しては問題なさそう。長い距離だと無駄のない方がいいからね。それにルメールも『大丈夫』と言ってくれている」

 --父ロードカナロアと母フサイチパンドラ、どちらが強く出ているか

 「う~ん、2頭とも写真でしか見ていないからなあ。桜花賞の前に馬房まで見に来た白井さん(※)は『ダンスパートナーに似ている』と言っていたけど(笑)」

 --桜花賞で破ったラッキーライラックと再戦

 「桜花賞で(上位に)走ったクチは(オークスでも)いいとこに来られている。ただ、ラッキーライラックだけじゃなく、サトノワルキューレなど未対戦の馬もいる。まずはトラブルなくレースを無事に迎えたいね」

 --牝馬3冠制覇から8年たって心境の変化は

 「気が楽といえば楽かな。1度取った経験があるから、浮足立つことはないよ。それに年をとって、いいのか悪いのか落ち着きが出てズブくなってきた(苦笑)」

 --中間はダービー参戦も取り沙汰された

 「そう思わせるだけの馬だよ。『やっぱりダービーを使っておけばよかったのに』と言われるようなレースになればいいね」



 ※白井寿昭元調教師。2006年のエリザベス女王杯を制したフサイチパンドラアーモンドアイの母)や、1995年のオークスダンスパートナーを手がけた。



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GⅠメモリアル ~1996年 エリザベス女王杯

 皆さんに問う。
 全財産をひとつのレースに賭けたことはありますか?
 僕はあります。
 そう、あるのだ。人生でたった一度だけ、持っているお金をすべてひとつのレースに突っ込んだことがある。無茶を承知の1点買い。しかも、単勝や複勝ではなく馬連。買った2頭がワンツーフィニッシュを決めなければ的中しない、一か八かの大勝負を敢行した。

 と、大仰に書いてはみたものの、その実、投じた金額はわずか3000円。当時はまだ実家に住んでいたので、寝る場所と食べ物は確保されている。たとえこの勝負に敗れたとしても、路頭に迷うことはない。言うなれば、著しく危機感に欠けた全財産勝負。おかれている環境に甘えまくっていたのは明白で、“背水の陣”からは遠くかけ離れた状況であった。
 とはいえ、全財産は全財産である。貯金はゼロで、あろうことか親に借金までしている身。サイフに入っている3000円が、文字通り“すべて”だった。バイトの給料日までは2週間ちょい。個人的には“絶対に負けられない戦い”だったのだ。

 1996年11月10日の昼過ぎ。運命の大勝負に挑む決意を固めた。もう、これしかない。地球を何周回っても、この2頭で決まる。そうとしか思えなかった。ほかの馬が一角を崩すことはありえない。外れたら悪い冗談だ。ふだんまともに当たった試しがないのに、このときだけは説明不能の絶対的な自信があった。
 2頭の馬連オッズは十数倍。これは、競馬の神様が与えてくれた千載一遇のチャンスだ。ほかのレースにはいっさい手を出さず、エリザベス女王杯の馬連⑪⑮に全財産をぶち込めばいい。そうすれば、明るい未来が待っている!

 ⑮番ダンスパートナー。前年のオークス馬で、春は牡馬の一線級相手に宝塚記念3着。秋初戦の京都大賞典は、プラス18キロという余裕のある体ながら、無敵状態が続いていたマーベラスサンデーのコンマ1秒差4着。実績、臨戦過程ともに文句なし。牝馬同士ならば勝ち負けに加わってくる可能性は極めて高い。1番人気でも、逆らわずに買うしかない。

 ⑪番ヒシアマゾン。2年前のこのレース(3歳戦時代)の勝ち馬で、有馬記念2着、JC2着、牡馬混合のGⅡ3勝など、その戦歴は見事の一語。牝馬限定戦はここまで5戦5勝。久々に加え、状態は完調手前という報道があったことから5番人気に甘んじていたが、実績面ではダントツの存在。つまりは格上中の格上。この馬もまた、買わないという選択肢は存在しない。

 珍しく、競馬狂の実弟と見解がかぶった。まったく同じことを考えていた。いつもは互いの馬券下手ぶりを罵り合う間柄だが、このときだけは共闘ムードに包まれた。
 エリ女の馬券のみを買い、ほかには見向きもせずに家に帰ってくる。
 意見が一致したふたりは、一路クルマでウインズ立川へ。車内で弟に千円札3枚を渡し、買いに走らせた。
 数分後、弟が帰ってくる。素早く助手席に乗せると、会話もそこそこに発車。ダンスパートナーヒシアマゾンがワンツーを決める瞬間をしかとテレビで見届けるべく、もと来た道を引き返した。

 最後の直線、狭い我が家のリビングに絶叫がこだました。
「行け! 差せ!」
「よし! そのまま!」
「なんも来んな!」
「ウオッシャー!!!」
 おそらく、人生最初で最後になるであろう、兄弟によるハイタッチ。何度も「よーし!」と叫び、その都度握りこぶしをつくった。馬連⑪⑮の最終オッズは16.4倍。約5万の払戻金を手にする自分を満面の笑みで想像し、換金に向かうための身支度を整えにかかる。審議のランプは目に入ったが、上位2頭はまったく関係がないと思っていた。

 ダンスパートナーが先頭でゴール板を通過してから約1分後。スローVTRが流れる。ゴールまで残りわずかのところで、ヒシアマゾンの後ろにいた馬が行き場を失い、騎手が手綱を引っ張っている。
 続けて、テレビから聞こえてくる場内アナウンスの声。
「決勝線手前での出来事について審議をいたします」
 いや~な予感がした。約1カ月半前、ユニコーンSで経験した“バトルライン事件”の悪夢が脳裏にふとよみがえる。
 これ以上俺のことをいじめないでくれ……。
 焦点が定まらない目で画面を見つめ、到達順位通りに確定してくれることを祈り続けた。

 予想には上手い下手がある。馬券にも上手い下手がある。しかし、降着や失格により天国と地獄を行き来するケースは、実力によってもたらされるものではない。運の良し悪しが大きく影響する。運が人々に平等に与えられているものであれば、天国行き、地獄行きの回数は本来イーブンに近くならなければならない。
 これまで、降着や失格により、入線順位通りなら当たっていたはずの馬券が外れになったことは10回近くある(5回目くらいまでは数えていたが、以降はもうわからない)。対して、繰り上がりによる“逆転的中”は生涯一度しか経験したことがない。
 予想が下手で、馬券も下手で、運もない男の“全財産勝負”の結末は最初から決まっていたのだろう。
 ヒシアマゾンの降着が伝えられた瞬間に味わった絶望感は、なにがあっても忘れることはない。いつまでも、いつまでも……。


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2010年4月5日(月) 23:03 鈴木和幸
【鈴木和幸G1コラム】 桜花賞の思い出
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●単勝1.7倍のライデンリーダーを▲に落とし、7番人気ワンダーパヒューム◎で勝負 馬連4420円を第一本線で的中させた平成7年の桜花賞

 今年、第70回を迎える桜花賞、すごい歴史である。第1回は戦前の昭和14年で、中山芝1800メートルでスタートしている。その後、東京、京都をへて現在の阪神芝1600メートルに定着したのは第10回、昭和25年のこと。私がこの世界(ダービーニュース)に飛び込んだのは昭和43年だから、仕事として初めて見た桜花賞は忘れもしない、コウユウが大外一気を決めた第28回ということになる。

 これまで数々の名馬、名勝負を見てきた。しかし、桜花賞といわれて真っ先に思い出されるのは、昭和50年のテスコガビーをおいてほかにない。6戦5勝(唯一の敗戦は牡馬相手の東京4歳Sの2着=勝ち馬はのちの皐月賞、ダービーの2冠馬カブラヤオー)の星を引っ下げてで臨んだこの馬には、腰が抜けるほど驚かされた。いや、ド肝を抜かれた。

 ゲートが開いた次の瞬間にはもう先頭に立っていたこの馬が、直線の半ばにさしかかったとき、テレビの実況アナウンサーが絶叫している、

「テスコガビー先頭、テスコガビー先頭、後ろからは何ーんにも来ないー」
 
 声をからしながら実況アナがかろうじて、「2着にジョーケンプトン」といい終えたときには、ガビーのゴールからすでに1秒7もの時間が過ぎていた。もちろん、ガビーの大差ぶっちぎり、勝ち時計は桜花賞レコードの1分34秒9、初めて桜花賞史上にに1分34秒台の数字が刻まれたのである。この記録は昭和63年にアラホウトクが1分34秒8で走るまで破られなかったし、その後34秒台の決着は平成7年までなかったことからも、いかに恐るべき、偉大な記録であったかがわかろう。

 ところで、私は桜花賞との相性がいい。いいや、自慢させてもらえば、桜花賞の予想がうまい。たとえば、最近5年を振り返っても、◎のポルトフィーノが取り消してしまった一昨年以外、すべて的中させている。しかし、である。自慢ついでにもう一度いわせていただくと、一番のヒット予想は平成7年の桜花賞である。

 この年、公営の笠松競馬からライデンリーダーという馬が中央に殴り込みをかけてきた。トライアルの4歳牝馬特別(現在のフィリーズレビュー)で3馬身半差の圧勝劇を演じ、本番では圧倒的支持(単勝1・7倍)を受けることに。で、この第55回桜花賞の私の最大のテーマは、こうである。

ライデンリーダーは本当に強いのか、◎を打っていいのか!?” 

“トライアル2番人気の気楽さから、今回は断然の1番人気、この重圧がマイナスになるんじゃないか"

そこで打ち出した結論が、

“▲にとどめよう”

であった。

 これが最終決断の◎ワンダーパヒュームの引き金になり、○ダンスパートナーにもつながっのだ。それなら大外18番枠を引き、3戦1勝馬でしかなく、トライアルのアネモネS2着で出走権をひろっただけのワンダーパヒューム◎の根拠はどこにあったのか。

 一つは先行有利のダートのデビュー戦で、とても届かないと思われる位置から、これもダートとしては破格の上がり36秒0の脚を使ったこと。もう一つは、アネモネSが初芝でありながら苦にするどころか、むしろ適しているような柔らかいフットワークで走り、直線半ばでは叩き合う相手がそばにいなくなってしまったのに、闘志を失わず前を追いかけたこと。この闘争心の強さは多頭数のクラシックには不可欠なものとの判断からである。

 ワンダーパヒュ-ムにダンスパートナー、この◎○のワンツー決着、馬連⑰⑱4420円の高配当を第一本線で的中させたのだから、自慢させていただいてもいいと思う。ちなみに、単勝1.7倍のライデンリーダーは4着に沈み、3着には特注馬に取り上げていたプライムステージが飛び込んできていた。編集長いわく、“パーフェクト予想だったな”

 最後にこれは先々週の高松宮記念のときにも書いたことだが、勝ち馬検討においては勝ち馬を探し出す方向性だけでなく、断然視されているような馬が、果たしてそれに見合うだけの実力があるのかどうか、実は危ないんじゃないかとの、いわばまったく逆の見極め検討もしなければならない。これが改めての教訓だったのである。

 さらなる教訓は、サラブレッドの能力判断は脚力だけではない。多頭数になればなるほど、馬込みにひるまない、ポツンと一頭になっても闘志を失わない、前記のワンダーパヒュームのような闘争心がレースでのVを呼ぶ。着順、記録だけにとらわれず、この点にも気を配ってレースを観戦、振り返えらなければ...。そうすれば、もし、闘争心ある馬が見つからなかったとしても、その代わり、馬込みを怖がるような小心な馬が見つかるはずである。

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ダンスパートナーの口コミ


口コミ一覧
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【きょうは何の日?】 1995年5月21日 【1995 G1 優駿牝馬オークス】 【ダンスパートナー】

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~軸うまおやじからのお願い~

馬券の購入は20歳になってからです。20歳未満の方は競馬法第28条により勝馬投票券の購入および譲り受けることはできませんのでご注意ください。
(JRAホームページより一部引用)
はじめまして、こんにちは。『軸うまおやじ』です。

1995年5月21日 は【1995 G1 優駿牝馬オークス】で 【ダンスパートナー】 が勝利した日です。
デビュー戦から上位人気の馬がこの【1995 G1 優駿牝馬オークス】に挑みにきました。

さすがG1とあってエリート揃いのなか、【ダンスパートナー】は他の馬に比べるとやや体が小さめでした。しかしパドックでは他の馬に負けないくらいに堂々としていて気迫がこもっていました。しかも当日の人気はやはり3番という上位人気!
レースが始まるとすんなり後方待機、道中でも後方のまま。パートナーの武騎手からの合図を待っているかのような走りを続け、いざ最終コーナーへ。すると後方にいた小さな体がまるで武騎手とダンスを踊っているかのようにスルスルと追い込んで来て見事1着でゴール!
この広い東京競馬場という大きな舞台で華麗なダンスを見せてくれました。

【ダンスパートナー】 、競馬ファンとして感動をありがとう。
以上、『軸うまおやじ』の『今日は何の日?』でした。
ご覧いただきありがとうございました。

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次回もどうぞよろしくお願いします。     

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 ひろあやは 2017年11月1日(水) 18:11
ダンスパートナーの子
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ふと本日の門別の9レースをみていたら、ダンスパートナーの子 ベストダンスが出走しますね。ダンスパートナーは好きな馬だったので頑張ってほしいです。よければ、皆さん応援してあげてください。

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 グリーンセンスセラ 2016年10月18日(火) 08:55
ダンスパートナー死す 
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武豊騎手「とても残念」オークス馬ダンスパートナー死す......「華麗なるダンス一族」の誇りを胸にカイザーバルが秋華賞(G1)に出陣━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2016年10月16日 10時28分
http://biz-journal.jp/gj/2016/10/post_1538.html

 今週は3歳牝馬クラシック最後の戦い秋華賞(G1)が開催されるだけに、歴代の秋華賞馬から「思い出の一頭」を紹介させていただくつもりでいたが、急きょ予定を変更することになった。

 14日、1995年のオークス馬ダンスパートナーが亡くなったからだ。

 JRAの発表によると、社台ファームで繋養されていたダンスパートナーはすでに繁殖生活を引退していたが、14日に蹄葉炎のために死亡したと連絡があったようだ。蹄葉炎とは馬や牛などの大きな蹄を持つ有蹄類が発症する疾病の一つで、最悪の場合、今回のように死に至る致命的な疾病だ。ダンスパートナーの父サンデーサイレンスも、蹄葉炎が原因で命を落としている。

 繋養されていた社台ファームの場長・池田充氏は「オークス(G1)を勝ったことはもちろんですが、フランス遠征で敗れはしたもののヴェルメイユ賞(G1)で1番人気に推されたことが、驚きとともにとても嬉しかったことを覚えています」とコメント。

 主戦としてオークス制覇に導いた武豊騎手もスポーツ報知の取材に「一番の思い出はやっぱりオークスですかね。フランス遠征からの菊花賞挑戦もありました。とても残念」と古き良き恋人の死を嘆いた。

 ダンスパートナーが3歳牝馬だった当時は秋華賞創設が翌年に控えており、クラシック最終戦はエリザベス女王杯(G1)だった。

 だが、オークス馬として世代を牽引する立場にあったダンスパートナーは、まるで最後の一冠など眼中にないかのように果敢に「世界」へ飛び出して行った。

□次のページ 世界への道を作った▼▼▼

 まだ海外遠征の機会が本当に限られていた20世紀末、ダンスパートナーの世界挑戦は異例中の異例で大きな話題となった。日本が世界に打って出る大きなきっかけとなったタイキシャトルのジャックルマロワ賞の勝利や、エルコンドルパサーの欧州遠征が行なわれる数年前の話であり、日本が世界に通用するのか、当然のように疑問が持たれていた時代の話だ。

 そんな中、ダンスパートナーは海外初戦となるノネット賞(仏G3)で2着。負けた相手は、その年のフランス1000ギニー(G1)を勝った馬。1000ギニーはその国の桜花賞のようなもので"フランスの桜花賞馬"と接戦を演じたダンスパートナーの走りは、敗れはしたものの日本競馬の力を世界に大きくアピールした。

 続くヴェルメイユ賞(G1)では先述した池田氏のコメント通り、1番人気に推されたダンスパートナー。日本調教馬による欧州G1初制覇の偉業が期待されたが、結果は6着だった。なお、このレースを制したカーリングは後に日本輸入され、ロゴタイプの父ローエングリンを輩出している。

 ダンスパートナーの型破りな挑戦は、まだ終わらない。帰国したダンスパートナーはエリザベス女王杯には向かわず、なんと3歳牡馬クラシック最後の一冠となる菊花賞(G1)に挑戦。グレード制導入以降、菊花賞に挑戦した牝馬はダンスパートナーただ一頭だけだ。

 だが、これは大きな挑戦であることは確かだが、決して無謀な挑戦ではなかった。

 何故なら、ダンスパートナーの半兄エアダブリンは菊花賞で3着し、その後にステイヤーズS(G2)とダイヤモンドS(G3)という3000m超のレースを連勝。春の天皇賞(G1)で1番人気に推されたステイヤーだったからだ。

□次のページ ステイヤー牝馬としての並外れた資質▼▼
そして、これはその時点ではわからないことだが、この翌年、ダンスパートナーとまったく同じ血統の弟ダンスインザダークが菊花賞を制していることからも、陣営はダンスパートナーに秘められた牝馬離れしたスタミナを見抜いていたのだ。

 残念ながら、ダンスパートナーは並みいる強豪牡馬を押し退けて1番人気に推されたものの、結果は5着。それでもその年のダービー馬タヤスツヨシに先着し、この後に競馬界の覇権を握ることになるマヤノトップガンに食い下がったのだから、やはり牝馬の常識の枠を大きく超えた存在だったことは確かだろう。

 ダンスパートナーはその後、古馬に解放されたエリザベス女王杯の最初の勝ち馬になるなど、最後まで牝馬の頂点に立ち続けた。引退後はなかなかその能力を受け継ぐ仔に恵まれなかったが、2012年にフェデラリストが中山金杯(G3)と中山記念(G2)を連勝し、再び存在感を放っている。

 今日の秋華賞には姪にあたるカイザーバル(牝3歳、栗東・角居厩舎)が出走する。

 春のクラシックには縁がなかったが、前哨戦のローズS(G2)で3着し最後の一冠に間に合ったカイザーバルは、ダンスパートナーの全妹ダンスインザムードの娘だ。最終追い切りでは栗東のCウッドコースで4ハロン52.4秒、ラスト12.3秒。時計は目立ったものではないが、陣営は「今日は単走でサラッと。体調を整える程度」と仕上がりに自信を見せている。

□次のページ 名門角居厩舎の「記録保持」のために▼▼▼▼

管理する角居厩舎は関西の名門として12年連続のG1勝利を続けてきたが、今年はまだ未勝利。看板馬のリオンディーズが故障で引退し、厳しい状況が続いている。

 G1初挑戦で伏兵の域を出ないカイザーバルだが、その鞍上はダンスパートナーでエリザベス女王杯を勝ち、叔母を初代牝馬チャンピオンに導いた四位洋文騎手。

 名門厩舎の「意地」と鞍上の「意志」、そして亡き叔母の「誇り」が最後の最後で背中を押せば、大混戦といわれる牝馬クラシックの集大成で"華麗なるダンス一族"のカイザーバルが大輪の華を咲かせるかもしれない。

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