ヒシアマゾン(競走馬)

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写真一覧
抹消  黒鹿毛 1991年3月26日生
調教師中野隆良(美浦)
馬主阿部 雅一郎
生産者Masaichiro Abe
生産地
戦績20戦[10-5-0-5]
総賞金69,894万円
収得賞金16,300万円
英字表記Hishi Amazon
血統 Theatrical
血統 ][ 産駒 ]
Nureyev
Tree of Knowledge
Katies
血統 ][ 産駒 ]
Nonoalco
Mortefontaine
兄弟 ヒシピナクルヒシアリダー
市場価格
前走 1996/12/22 有馬記念 G1
次走予定

ヒシアマゾンの競走成績

[ 競走データ ] [ 繁殖データ ]
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成績 条件別 競馬場別 距離別 重量別 騎手別 タイム別
開催日

R 競走名 コース









指数

負担
重量
(kg)
騎手調教師



馬体重
(kg)




(秒)

3F
通過順 1(2)着馬
96/12/22 中山 9 有馬記念 G1 芝2500 14459.555** 牝5 54.0 河内洋中野隆良 500
(+8)
2.35.0 1.237.0⑬⑬⑬⑬サクラローレル
96/11/10 京都 10 エリザベス杯 G1 芝2200 166119.057** 牝5 56.0 中舘英二中野隆良 492
(+10)
2.14.3 0.034.2ダンスパートナー
96/06/09 東京 11 安田記念 G1 芝1600 175109.8410** 牝5 56.0 中舘英二中野隆良 482
(-6)
1.33.9 0.835.4⑨⑩トロットサンダー
95/12/24 中山 9 有馬記念 G1 芝2500 12673.015** 牝4 55.0 中舘英二中野隆良 488
(+4)
2.34.6 1.035.7⑨⑨⑧⑥マヤノトップガン
95/11/26 東京 10 ジャパンC G1 芝2400 157124.322** 牝4 55.0 中舘英二中野隆良 484
(0)
2.24.8 0.234.7⑭⑭⑬⑩ランド
95/10/08 京都 11 京都大賞典 G2 芝2400 13681.411** 牝4 57.0 中舘英二中野隆良 484
(+4)
2.25.3 -0.434.6⑬⑬⑪⑪タマモハイウェイ
95/09/18 中山 11 オールカマー G2 芝2200 10222.011** 牝4 57.0 中舘英二中野隆良 480
(0)
2.16.3 -0.134.9⑧⑧アイリッシュダンス
95/07/09 中京 11 高松宮杯 G2 芝2000 13571.515** 牝4 57.0 中舘英二中野隆良 480
(+2)
2.03.0 0.437.6マチカネタンホイザ
94/12/25 中山 9 有馬記念 G1 芝2500 1458--62** 牝3 53.0 中舘英二中野隆良 478
(-2)
2.32.7 0.535.2⑧⑧④ナリタブライアン
94/11/13 京都 10 エリザベス杯 G1 芝2400 1836--11** 牝3 55.0 中舘英二中野隆良 480
(0)
2.24.3 -0.034.8⑯⑭⑦⑥チョウカイキャロル
94/10/23 阪神 11 ローズS G2 芝2000 1558--11** 牝3 55.0 中舘英二中野隆良 480
(+2)
2.00.0 -0.235.3⑫⑨④アグネスパレード
94/10/02 中山 11 クイーンS G3 芝2000 1167--11** 牝3 54.0 中舘英二中野隆良 478
(+14)
2.02.9 -0.235.8⑩⑨ジョウノバタフライ
94/06/05 東京 11 NZT4歳S G2 芝1600 944--11** 牝3 54.0 中舘英二中野隆良 464
(-10)
1.35.8 -0.134.3マチカネアレグロ
94/04/16 中山 11 クリスタルC G3 芝1200 1446--11** 牝3 53.0 中舘英二中野隆良 474
(0)
1.08.5 -0.234.7⑧⑦タイキウルフ
94/01/30 東京 10 クイーンC G3 芝1600 1356--11** 牝3 55.0 中舘英二中野隆良 474
(+4)
1.35.3 -0.135.9エイシンバーモント
94/01/09 中山 11 京成杯 G3 芝1600 811--12** 牝3 55.0 中舘英二中野隆良 470
(-4)
1.34.2 0.335.9⑤⑤④ビコーペガサス
93/12/05 阪神 11 阪神3歳牝S G1 芝1600 1523--21** 牝2 53.0 中舘英二中野隆良 474
(0)
1.35.9 -0.836.5ローブモンタント
93/11/13 東京 11 京成杯3歳S G2 芝1400 989--62** 牝2 53.0 中舘英二中野隆良 474
(-4)
1.22.9 0.034.7ヤマニンアビリティ
93/10/24 東京 9 プラタナス賞 500万下 ダ1400 11810--32** 牝2 53.0 江田照男中野隆良 478
(+4)
1.26.3 0.138.5ミツルマサル
93/09/19 中山 6 2歳新馬 ダ1200 1133--11** 牝2 53.0 中舘英二中野隆良 474
(--)
1.13.7 -0.038.7ノボリリュウ

ヒシアマゾンの関連ニュース


週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第28回は1993年の京成杯3歳S(旧馬齢表記・現在の京王杯2歳Sにあたる)優勝馬ヤマニンアビリティを取り上げる。


(当記事における馬齢表記は旧馬齢表記に統一)

アレミロードは往年のダビスタ世代には懐かしい種牡馬の1頭かも知れない。もっとも、さらに古くから競馬を見てきたファンになると1986年のジャパンCにおけるジュピターアイランドとの叩き合いが想起されるか。種牡馬としての本邦輸入に際しては現役時の成績から中長距離での活躍を意図されたと思われるが、父方の気の悪さが強調されすぎたのか母の父ボールドリーズニングの影響かは分からないが、特に初期は早咲きの短距離馬ばかり出した。代表産駒であり、揃って京成杯3歳Sを制したヤマニンミラクルとヤマニンアビリティの全兄弟もその類と言って良いだろう。

ヤマニンミラクルミホノブルボンに肉薄したことで名を残したように、弟のヤマニンアビリティは今となっては「京成杯3歳Sでヒシアマゾンに勝った馬」としてのみ知られる存在であろう。出負けからすぐさま馬群に入れて道中折り合い、直線では外のヒシアマゾンに決して抜かせずに追い比べを制した好内容。朝日杯3歳S(現在の朝日杯FS)にてミホノブルボンが番手で折り合いを欠いた隙を突いた兄と比較すると印象は良い。何より兄は歴史的名馬にハナ差負けたが、弟は歴史的女傑にクビ差勝ったのだ。しかも真っ向勝負で。

兄弟を生産した錦岡牧場の土井睦秋代表が「アビリティの方が大物感はあったね」と語っていた通りに、デビュー時512キロと馬格のある弟の方がスケールも大きいというのが当時の認識であり、『優駿』発表のフリーハンデでは朝日杯を完勝したナリタブライアンと同斤量で1993年の3歳牡馬の1位にランクされるぐらい識者の評価も高かった。なのに後世語られる機会は兄ミラクルの方が多い。これは何故かと言えば、ヤマニンミラクルがクラシックでミホノブルボンらと戦ったのに対して、ヤマニンアビリティはそれっきり姿を消してしまったからである。

朝日杯を目指して調整されていた矢先、腰に疲れを生じて出走回避。翌春のアーリントンCでのカムバックを目指したが、今度は右飛節に骨膜炎を発症して予定は白紙となった。その後の休養は長かった。長い休養の間にナリタブライアンが三冠を制し、その兄ビワハヤヒデが競馬場を去り、ヒシアマゾンは重賞6連勝を飾り、サクラローレルが遅れてきた春を謳歌した。そして父のアレミロードは1995年に他界した。同期の桜が第二の馬生を歩み始めた頃、1997年3月の準オープン・なにわSに彼は名を連ねる。あの京成杯3歳Sから約3年4ヶ月の歳月を経てターフに帰ってきた彼は、もう7歳を迎えていた。

長期休養から彼を復帰に導いた関係者の尽力には本当に頭が下がる。戦線復帰後は短距離を中心に5戦を重ね、同年6月の飛騨Sでは僅差の2着に食い込むなど復調の兆しも見えたが、結局限界を迎えて9月末に登録を抹消された。こうして「ヤマニン一族の賢弟」は一介の準オープン馬として競走生活を終えたのであった。

ヤマニンアビリティ
牡 鹿毛 1991年生
父アレミロード 母ヤマニンシャレード 母父ヤマニンスキー
競走成績:中央8戦2勝
主な勝ち鞍:京成杯3歳S

(文・古橋うなぎ)

【うわさの3歳馬】ヒシアマゾンの孫~ヒシハイドラ 2022年1月8日() 14:51

 【中山6R】ヒシハイドラは、エリザベス女王杯を勝ち、有馬記念ジャパンCで2着のヒシアマゾンの孫。近親には昨年GI3勝をあげたエフフォーリアがいる旬の一族だ。「追うごとに良化して水準の時計が出ている。ロードカナロア産駒だが、ゆったり運べる距離のほうが良さそうなタイプ」と、清水久調教師は10ハロンでデビューVを狙う。(夕刊フジ)

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【注目この新馬】ヒシシュシュ 2020年8月28日(金) 04:49

 今週の新馬戦は、日曜の新潟5R(芝2000メートル)に出走するヒシシュシュに注目だ。父がディープインパクト、祖母にヒシアマゾンがいる血統馬で、陣営は初戦から楽しみにしている。

 ◇

 ヒシシュシュの母は未勝利だったが、祖母ヒシアマゾンエリザベス女王杯を勝ち、有馬記念ジャパンCで2着の活躍馬。管理する中舘調教師はそのアマゾンの主戦騎手だっただけに、「やっぱり思い入れはありますよ」とゆかりの血統馬を楽しみにする。入厩後の調教本数は少ないが、最初の追い切りとなる13日には美浦Wコースで5ハロン67秒6-12秒4をマークした。「父がディープインパクトで動きがいいし、瞬発力を感じる。ストライドが大きいので良馬場でやりたい」と、トレーナーは初戦から大きな期待を寄せていた。

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女傑ヒシアマゾン死す…米国、繋養先で老衰28歳 2019年4月18日(木) 05:04

 JRA・GI2勝を挙げたヒシアマゾン(牝)が、繋養先の米ケンタッキー州ポログリーンステーブルで現地時間15日夜、老衰のため死んだ。28歳だった。1993年の阪神3歳牝馬S(現阪神JF)でGI初V。翌年は当時、外国産馬のためクラシックに出走できなかったが、6連勝でエリザベス女王杯を制覇。その後も有馬記念ナリタブライアンの2着、ジャパンCランドの2着など女傑として名をはせ、戦績は20戦10勝、JRA・GI2勝を含む重賞9勝を挙げた。

 騎手時代に主戦だった中舘調教師は「非常に残念。乗り役として知名度を上げてもらったし、今の立場があるのもあの馬のおかげ。感謝しかない」と感慨深げ。阿部雅一郎オーナーの息子である雅英氏も「放牧地で静かに息を引き取ったと報告を受けました。彼女の娘を所有していますが、彼女の名前を思い出させるような馬を走らせることが使命」と語った。

ヒシアマゾン 父シアトリカル、母ケイティーズ、母の父ノノアルコ。黒鹿毛の牝28歳。現役時は美浦・中野隆良厩舎所属。米国産。馬主は阿部雅一郎氏。戦績20戦10勝。獲得賞金6億9894万8000円。重賞は1993年のGI・阪神3歳牝馬S、94年のGIII・クイーンC、GIII・クリスタルC、GII・ニュージーランドT4歳S、GIII・クイーンS、GII・ローズS、GI・エリザベス女王杯、95年のGII・産経賞オールカマー、GII・京都大賞典の9勝(レース名は当時のもの)。

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繋養先のアメリカでヒシアマゾンが28歳で死亡 2019年4月17日(水) 16:31

 1994年エリザベス女王杯・GI(当時は3歳牝馬限定)など重賞を9勝したヒシアマゾン(牝、28歳)が、老衰のため、繋養先のアメリカ・ポログリーンステーブルで4月15日夜(現地時間)に死亡した。

 阿部雅英氏(ヒシアマゾンのオーナー 阿部雅一郎氏のご子息)のコメント

 「日が沈みかけ薄暗くなった放牧地で静かに息を引き取ったという報告を受けました。ここ最近は食が細くなっていたものの、他の馬の例にはなく、ゆっくりながらも歩き回り、寝起きには問題なく見えていたということだったので、他の馬とは違うところを最後まで見せてくれていたのだと思います。現役時代もそうですが、引退後もツアーを組まれて出羽牧場に見に行かれ、アメリカに移動後も見に行かれた方が多数いるとお聞きしていますが、たくさんのファンに愛された幸せな馬だったと思います。彼女の娘を繁殖牝馬として所有していますが、彼女の名前を思い出させるような馬をターフで走らせることが、使命だと感じています」

 ヒシアマゾンは、父シアトリカル、母ケイティーズ、母の父ノノアルコという血統の黒鹿毛のアメリカ産馬。現役時は美浦・中野隆良厩舎に所属。戦績は20戦10勝。獲得賞金は6億9894万8000円。重賞勝ちは1993年阪神3歳牝馬S・GI、94年クイーンC・GIII、クリスタルC・GIII、ニュージーランドT4歳S・GII、クイーンS・GIII、ローズS・GII、エリザベス女王杯・GI、95年産経賞オールカマー・GII、京都大賞典・GIIの9勝。ほかに、1994年有馬記念・GIでナリタブライアンの2着、95年ジャパンカップ・GIでランドの2着の実績がある。



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【オールカマー】ルージュ復活!3頭併せで豪快先着 2017年9月22日(金) 05:12

 悲願のGIタイトルを狙うためにも、ここでは負けられない。5歳牝馬ルージュバックが、そんな思いを示すかのように、美浦Wコースで圧巻のパフォーマンスを披露。まずは、秋初戦で1年ぶりの勝利を目指す。

 追い切りは、1馬身ほど先行する2頭の僚馬を追いかける形でスタート。4コーナーを抜群の手応えで回ると、直線に入ってすぐに反応し、中ストリートオベロン(500万下)を3馬身、外アウトオンアリム(3歳未勝利)を半馬身突き放した。前脚を高く振り上げる独特の豪快なフォームは健在。タイムも馬なりで4ハロン51秒2-12秒4と文句なしで『S』評価ゲットだ。

 「先週の追い切りは時計以上にかなりの負荷がかかっているので、きょうは反応を見るような追い切りで。ステッキを抜いてから反応するまでに2、3完歩ある感じで、若干もたつきはありましたが、休み明け初戦としては合格点ですね」

 見届けた大竹調教師が納得の表情を浮かべる。今年は、昨年と違う走りを見せる態勢を整えてきた。昨秋は毎日王冠を制し、中2週で天皇賞・秋に向かったが、7着に敗れて悲願のGI初制覇は果たせず。そこで今年はレース間隔をじっくりとあけ、エリザベス女王杯(11月12日、京都、GI、芝2200メートル)を秋の最大目標に置く。

 また、昨夏は福島・ノーザンファーム天栄で過ごしたが、今年は北海道・苫小牧のノーザンファーム空港へ放牧。しっかりと立て直し、春2戦の疲れを癒やした。さらに従来の放牧明けより早く、8月30日に美浦トレセンへ帰厩。乗り込みも十分に消化してきた。

 「昨年の毎日王冠のときは体重の維持に苦労したが、帰厩後もカイバを食べている」と指揮官。仕上がり、体調は昨秋の毎日王冠以上といえる。

 春2戦は、消化不良の内容。しかし、牡馬を相手に重賞を3勝し、オークスでも2着に入った実績馬だけに、スムーズならあっさり巻き返す力はある。5勝中4勝を非根幹距離で挙げている点も見逃せない。

 今回は北村宏騎手との初コンビで、勝ち鞍がない中山だが、「乗り替わりは大丈夫だし、坂は割引だけど、外回りはプラス」。トレーナーは大きな不安はないとの見立てだ。GI初勝利という大きな収穫の秋を迎えるために-。ルージュバックが、春の鬱憤を晴らし、重賞4勝目で女王の座に王手をかける。 (花田隆)

★牝馬V→GIで連対

 産経賞オールカマーは1995年にGIIに昇格後、3頭の牝馬が優勝している。95年ヒシアマゾン、97年メジロドーベル、そして一昨年のショウナンパンドラだ。このうちメジロドーベル秋華賞を、ショウナンパンドラジャパンCを同年に制した。ヒシアマゾンジャパンCで2着に好走しており、産経賞オールカマーで牡馬相手に勝った牝馬は、その後のGI戦線でも目が離せない存在になる。



産経賞オールカマーの出馬表はこちら 調教タイムも掲載

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GⅠメモリアル ~1996年 エリザベス女王杯

 皆さんに問う。
 全財産をひとつのレースに賭けたことはありますか?
 僕はあります。
 そう、あるのだ。人生でたった一度だけ、持っているお金をすべてひとつのレースに突っ込んだことがある。無茶を承知の1点買い。しかも、単勝や複勝ではなく馬連。買った2頭がワンツーフィニッシュを決めなければ的中しない、一か八かの大勝負を敢行した。

 と、大仰に書いてはみたものの、その実、投じた金額はわずか3000円。当時はまだ実家に住んでいたので、寝る場所と食べ物は確保されている。たとえこの勝負に敗れたとしても、路頭に迷うことはない。言うなれば、著しく危機感に欠けた全財産勝負。おかれている環境に甘えまくっていたのは明白で、“背水の陣”からは遠くかけ離れた状況であった。
 とはいえ、全財産は全財産である。貯金はゼロで、あろうことか親に借金までしている身。サイフに入っている3000円が、文字通り“すべて”だった。バイトの給料日までは2週間ちょい。個人的には“絶対に負けられない戦い”だったのだ。

 1996年11月10日の昼過ぎ。運命の大勝負に挑む決意を固めた。もう、これしかない。地球を何周回っても、この2頭で決まる。そうとしか思えなかった。ほかの馬が一角を崩すことはありえない。外れたら悪い冗談だ。ふだんまともに当たった試しがないのに、このときだけは説明不能の絶対的な自信があった。
 2頭の馬連オッズは十数倍。これは、競馬の神様が与えてくれた千載一遇のチャンスだ。ほかのレースにはいっさい手を出さず、エリザベス女王杯の馬連⑪⑮に全財産をぶち込めばいい。そうすれば、明るい未来が待っている!

 ⑮番ダンスパートナー。前年のオークス馬で、春は牡馬の一線級相手に宝塚記念3着。秋初戦の京都大賞典は、プラス18キロという余裕のある体ながら、無敵状態が続いていたマーベラスサンデーのコンマ1秒差4着。実績、臨戦過程ともに文句なし。牝馬同士ならば勝ち負けに加わってくる可能性は極めて高い。1番人気でも、逆らわずに買うしかない。

 ⑪番ヒシアマゾン。2年前のこのレース(3歳戦時代)の勝ち馬で、有馬記念2着、JC2着、牡馬混合のGⅡ3勝など、その戦歴は見事の一語。牝馬限定戦はここまで5戦5勝。久々に加え、状態は完調手前という報道があったことから5番人気に甘んじていたが、実績面ではダントツの存在。つまりは格上中の格上。この馬もまた、買わないという選択肢は存在しない。

 珍しく、競馬狂の実弟と見解がかぶった。まったく同じことを考えていた。いつもは互いの馬券下手ぶりを罵り合う間柄だが、このときだけは共闘ムードに包まれた。
 エリ女の馬券のみを買い、ほかには見向きもせずに家に帰ってくる。
 意見が一致したふたりは、一路クルマでウインズ立川へ。車内で弟に千円札3枚を渡し、買いに走らせた。
 数分後、弟が帰ってくる。素早く助手席に乗せると、会話もそこそこに発車。ダンスパートナーヒシアマゾンがワンツーを決める瞬間をしかとテレビで見届けるべく、もと来た道を引き返した。

 最後の直線、狭い我が家のリビングに絶叫がこだました。
「行け! 差せ!」
「よし! そのまま!」
「なんも来んな!」
「ウオッシャー!!!」
 おそらく、人生最初で最後になるであろう、兄弟によるハイタッチ。何度も「よーし!」と叫び、その都度握りこぶしをつくった。馬連⑪⑮の最終オッズは16.4倍。約5万の払戻金を手にする自分を満面の笑みで想像し、換金に向かうための身支度を整えにかかる。審議のランプは目に入ったが、上位2頭はまったく関係がないと思っていた。

 ダンスパートナーが先頭でゴール板を通過してから約1分後。スローVTRが流れる。ゴールまで残りわずかのところで、ヒシアマゾンの後ろにいた馬が行き場を失い、騎手が手綱を引っ張っている。
 続けて、テレビから聞こえてくる場内アナウンスの声。
「決勝線手前での出来事について審議をいたします」
 いや~な予感がした。約1カ月半前、ユニコーンSで経験した“バトルライン事件”の悪夢が脳裏にふとよみがえる。
 これ以上俺のことをいじめないでくれ……。
 焦点が定まらない目で画面を見つめ、到達順位通りに確定してくれることを祈り続けた。

 予想には上手い下手がある。馬券にも上手い下手がある。しかし、降着や失格により天国と地獄を行き来するケースは、実力によってもたらされるものではない。運の良し悪しが大きく影響する。運が人々に平等に与えられているものであれば、天国行き、地獄行きの回数は本来イーブンに近くならなければならない。
 これまで、降着や失格により、入線順位通りなら当たっていたはずの馬券が外れになったことは10回近くある(5回目くらいまでは数えていたが、以降はもうわからない)。対して、繰り上がりによる“逆転的中”は生涯一度しか経験したことがない。
 予想が下手で、馬券も下手で、運もない男の“全財産勝負”の結末は最初から決まっていたのだろう。
 ヒシアマゾンの降着が伝えられた瞬間に味わった絶望感は、なにがあっても忘れることはない。いつまでも、いつまでも……。


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ヒシアマゾンの口コミ


口コミ一覧
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【2022年度版】最強牝馬ランキングが発表されました!
2022年2月12日
ロージーライフのイラスト
こんにちはロージーライフ(@rosylife_uma)です。

最近は牝馬でもバンバン古馬混合戦を勝つような、ひと昔前からすると考えられへん時代なってきたねぇ。
てなことで、ここではそんな牡馬顔負けの最強牝馬ランキングを紹介していくで!
条件はロージーライフの作者がリアルタイムでレースを見た馬に限るので、つまりヒシアマゾンより以前の馬はランキングに入らないよ。リアルタイムで見てないのに強さを語るのは出来ないと思っているからね。
どういう基準でランキングをつけるかと言うと、大阪杯→ヴィクトリアマイル→宝塚記念→天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念を戦ってどれだけ上位に来れるかというイメージでつけてみたで。
それではさっそくどんぞ!

1位 リスグラシュー
リスグラシューのイラスト
父ハーツクライ
母リリサイド 母父American Post
22戦7勝
有馬記念、宝塚記念、コックスプレート、エリザベス女王杯

スピード (4)
スタミナ (4)
スパート (4.5)
パワー (5)
突如として覚醒し、宝塚記念→コックスプレート→有馬記念の3連勝。
しかもそのどれもが圧倒的な力を見せつけるという離れ業をやってのけた。
父のハーツクライはもちろん、母系にはシーバード、サドラーズウェルズ、ミルリーフなどの欧州の名馬が名を連ねるように、覚醒後に見せたそのパワーはまさに世界トップクラスの規格外のものだった。

2位 アーモンドアイ
アーモンドアイのイラスト
父ロードカナロア
母フサイチパンドラ 母父サンデーサイレンス
15戦11勝
牝馬3冠、JC2勝、ドバイターフ、天皇賞秋2勝、ヴィクトリアマイル

スピード (5)
スタミナ (3.5)
スパート (4.5)
パワー (4)
平成の最後に現れた絶対女王。
JRAのGⅠ9勝は歴代最高記録。
直線で一気に加速するスピードと、押し切る持久力を合わせもち、東京の2000~2400では無類の力を発揮する。
その走りの源は、「ゴール後フラフラになる」というほど常に全力を出しきるという真面目な性格にある。

3位 ダイワスカーレット
ダイワスカーレットのイラスト
父アグネスタキオン

母スカーレットブーケ 母父ノーザンテースト
12戦8勝

桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念

スピード (4.5)
スタミナ (4)
スパート (3)
パワー (4.5)
逃げという戦法で3着以下なしという絶対的な安定感で最強牝馬との呼び声高い。
休み明けの天皇賞秋でかかりっぱなしでもウオッカの2着に来たときは、負けたダイワスカーレットの強さのほうが目立った。
この時に安藤勝己騎手も「ウオッカより力は上だと感じた」とコメントしている。
有馬記念ではついていった先行馬はすべて潰れるほどの厳しいラップを刻んで逃げ切り、大阪杯ではエイシンデピュティを撃破。(エイシンデピュティはその後、宝塚記念を勝利)
フェブラリーSへの挑戦、ヨーロッパ遠征などの展望が発表された矢先に残念ながら故障してしまい引退。

4位 シーザリオ

父スペシャルウィーク
母キロフプリミエール 母父Sadlers Wells
6戦5勝
オークス、アメリカンオークス

スピード (4.5)
スタミナ (4)
スパート (4)
パワー (4)
3歳で故障して引退してしまったが、その能力はエピファネイア、サートゥルナーリア、リオンディーズに受け継がれ、日本史に残る名牝となっている。
桜花賞では乗り代わりによって力を発揮できず2着だったが、オークスでは絶望的な位置からの差し切り勝ちを収めるなど、圧倒的な力を持っていた。無事なら最強牝馬ランキングの1位に君臨していたかもしれない。

5位 ブエナビスタ

父スペシャルウィーク
母ビワハイジ 母父Caerleon
23戦9勝
オークス、天皇賞秋、JC、桜花賞、阪神JF、ヴィクトリアマイル

スピード (4)
スタミナ (4)
スパート (4)
パワー (4)
桜花賞までの圧倒的な勝ち方は僕が見てきた中で牝馬ナンバーワン。それもあって僕も大好きな馬だ。
レースでは決め手や持久力に突き抜けた馬に負けてしまったり、運が悪くて勝ち切れないことも多かった。
ジャパンカップでは1着で入選したものの2着に降着、ドバイシーマクラシックではペリエ騎手の体重超過で54.5kgのところを55kgで出走して2着。他にも展開が不利に働いたレースも多い。
総合能力、ポテンシャルでは間違いなく歴代牝馬トップクラスだ。

6位 ジェンティルドンナ

父ディープインパクト
母ドナブリーニ 母父Beltorini
19戦10勝

牝馬3冠 JC2勝、ドバイCS、有馬記念

スピード (4.5)
スタミナ (4)
スパート (4)
パワー (3.5)
スッと先行できる競馬センスと抜け出す加速力を武器に多くのG1勝利を飾ってきた名牝。
高速馬場では圧倒的な強さを見せるもタフな馬場だと苦戦する。
だが最後の有馬記念では改修後の中山でスピードの生かせる馬場でラストランを飾った。
スーパースターは運をも味方にするのだ。

7位 エアグルーヴ

父トニービン
母ダイナカール 母父ノーザンテースト
19戦9勝
天皇賞秋、オークス

スピード (4)
スタミナ (4)
スパート (3.5)
パワー (4)
17年ぶりの牝馬による天皇賞制覇を成し遂げた女帝。
この時まで、牝馬が天皇賞のような大レースを勝ち切るなんてことは考えられない世界で、実況も「恐ろしい馬です!」と絶叫。僕もテレビの前で「ほんま恐ろしいで・・・」と震えていたのを覚えている。
繁殖牝馬としても一族から数々の名馬が誕生していて「近代競馬の母」と呼ばれている。
いや、呼ばれてないので、呼ぶようにしよう。

8位 ウオッカ

父タニノギムレット
母タニノシスター 母父ルション
26戦10勝

ダービー、JC、天皇賞秋、安田記念2勝、ヴィクトリアマイル、阪神JF

スピード (4.5)
スタミナ (3.5)
スパート (4)
パワー (3)
零細牧場出身で牝馬のダービー馬、強さと脆さを持ち多くの人を魅了したアイドルホース。
「あれ?」という負けもあったウオッカだけど、実は好走する条件があった。それはハイペースであること。
瞬発力が最大の武器と思われているが、1番の武器はその根性なのだ。
世界的な種牡馬との間に生まれた子どもたちは期待ほどの活躍はできていないが、代を重ねて必ず名馬が誕生するだろう。

9位 クロノジェネシス 

父バゴ
母クロノロジスト 母父クロフネ
17戦8勝
有馬記念、宝塚記念、秋華賞

スピード (3.5)
スタミナ (4)
スパート (3.5)
パワー (4.5)
牡馬顔負けのパワーを受け継ぎながらも、東京の高速馬場も対応する力があり、色んな距離や馬場を走りながらも馬券内を外したのはわずかに1回という絶対的な安定感を誇る。

10位 ヒシアマゾン

父Theatrical
母Katies 母父ノノアルコ
20戦10勝
エリザベス女王杯 阪神3歳牝馬S

スピード (4)
スタミナ (3.5)
スパート (4)
パワー (3.5)
まだ牡馬と牝馬の壁があまりにも高かった時代に、当たり前のように3冠馬ナリタブライアンと真っ向勝負し、ジャパンカップでは日本の牝馬で初めて2着に入るなど、当時の常識を覆すような走りを披露し世間を驚かせた。
距離適性も広く3歳時には1200mのクリスタルCで後に伝説とも呼ばれる切れ味を見せて勝利。
1200mと2400mの混合重賞を勝つ牝馬なんて今ではなかなか出てこないだろう。
当時はまだNHKマイルC、ヴィクトリアマイル、秋華賞はなく、外国産馬で桜花賞やオークスの出走も出来ない時代だったけど、圧倒的な存在感で多くの人の記憶に焼き付いて離れない元祖女傑である。

11位 ファインモーション

父デインヒル
母Cocotte  母父Troy
15戦8勝
エリザベス女王杯、秋華賞

スピード (4)
スタミナ (3)
スパート (3.5)
パワー (3.5)
賛否両論あるだろう。
でも「あの時」のファインモーションを考えてほしい。
秋華賞、エリザベス女王杯の勝ち方はまぎれもなく歴代牝馬最強のパフォーマンスだった。
その後に現れた牝馬3冠馬たちの勝ち方もファインモーションと比べるとかすんでしまうほどに。
残念ながら子どもを産めない体質でその能力を次代に残すことはできず、さらにジャパンカップやBCターフなどを制した半兄のピルサドスキーも日本で種牡馬入りしたがまったく活躍馬を出すことが出来なかった。。
その血も、その記録も歴史に埋もれてしまうかもしれない。
でも「あの時」たしかに彼女は最強だったんだ。

12位 デアリングタクト 現役

父エピファネイア
母デアリングバード 母父キングカメハメハ
8戦5勝
牝馬3冠

スピード (4)
スタミナ (3.5)
スパート (4)
パワー (3.5)
3冠達成後の3連敗で「あれ?」という感じの人も多いかもしれないけど、よく頑張っていると思う。近年リスグラシューやアーモンドアイ、クロノジェネシスといった強い牝馬が誕生しているのでハードルが上がりすぎてしまったかな。
スピードと切れ味の生かせる舞台でまた強いところを見せてくれるはず。
12位からのランクアップを期待したい。

最後にひとこと
それにしても、ここ数年は牝馬の活躍が目立つねぇ。。

リスグラシュー、アーモンドアイ、グランアレグリアなど歴代最強クラスが立て続けに現れるなんて、何か理由があるんやろか。

さてさて。

ぜひあなたもこのランキングを見て「いや、この馬よりこっちが上やで!」みたいにあーだこーだ言って楽しんでくださいませ。

そのあーだこーだこそ、競馬の醍醐味なのです。

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@rosylife_uma

ほっこりする競馬漫画も見てっておくれ。

 スペースマン 2019年4月18日(木) 02:34
女傑ヒシアマゾンとシャケトラに敬礼!
閲覧 255ビュー コメント 0 ナイス 7

馬体の良かったシャケトラの調教中の骨折による安楽死!

さらに、女傑ヒシアマゾンのアメリカからの死亡のニュース、

かなりショックですわ!

ヒシアマゾンは、ウオッカよりも前になるので、有馬記念で

ナリタブライアンの2着になるなど、牡馬並みの馬体だった

わけで、思い出深い馬です!

シャケトラは、馬体の良い馬だった1頭ですな!

春の天皇賞を目指していただけに残念です!

ウオッカにつづき、この2頭に敬礼します!

お疲れ様!

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 正義の魂 2019年4月17日(水) 21:59
シャケトラとヒシアマゾン
閲覧 434ビュー コメント 0 ナイス 5

ニュースで、シャケトラとヒシアマゾンの
訃報を聞いてしまった。

シャケトラは、調教中に脚を骨折してしまい、
安楽死処分となった、ということであった。

もともと体質が弱かった馬だけに、
ハードな調教に、脚が耐えられなかったのであろう。

私も応援していた馬だけに、悔やまれる。

ヒシアマゾンは、老衰とあっては、
不可抗力であるが、それでも悲しい限りである。

短距離から長距離まで、幅広くこなし、
また芝ダート兼用の馬で、どんな条件でも
全力で走る、競走馬の模範的存在であった。

新馬戦で、ノボリリュウとの枠連ゾロ目を、
的中させてもらったことも、印象に残っている。

シャケトラとヒシアマゾンとの冥福を祈る。

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