藤沢和師、名馬の死を惜しむ「抜きん出た馬」2011年10月5日(水) 05:05
日本競馬史に輝かしい足跡を残したシンボリルドルフが、4日午前3時、老衰のため30歳で死亡。名馬の死を惜しむ声が、関係者から寄せられた。
◆藤沢和雄調教師(60)=シンボリルドルフが現役時の野平祐二厩舎・調教助手
「馬の調教に関しても競馬のスタイルにしても、全てが理想の馬でした。色々と勉強させてもらったが、調教師になってからも、この馬を理想型に、またベースとして、強い馬を手掛け育てて見たいとやってきた。また、その一方で師匠(故・野平祐二調教師)には、ルドルフがこうだから他の馬にもと、過分な期待を持ってはいけないとも常々言われていた。それだけ抜きん出た馬でした」
◆柴田政人調教師(63)=国内最終戦の85年有馬記念でミホシンザンに騎乗して2着
「本当に強くてファンの多い馬だった。一世を風靡した馬だったね。全兄のシンボリフレンドにも乗っていたし、デビュー前の調教に騎乗したこともあった。兄は気性がきついところがあったけど、ルドルフはゆったりした馬で、体を上手に使って走るな、という印象が残っている。結局、自分が北海道にいるときに、新潟でデビューすることになって、その後もあれほどの馬だから岡部(幸雄元騎手)も離さなかったね。つい2年ほど前に見たときは元気だったけど、亡くなったと聞いたのは残念。30歳という年齢を考えれば大往生だと思うし、ご冥福をお祈りします」
◆西浦勝一調教師(60)=カツラギエースに騎乗して、日本馬として初めて84年ジャパンCを優勝。シンボリルドルフ3着に初黒星をつけた
「JRA史上に残る名馬と一緒に走り、そういう時代に競馬ができたことは名誉なことであり、誇りに思っています。ジャパンCで無敗の馬に初めて土をつけて、“カツラギエース、西浦”の名が伝えられるのも、シンボリルドルフの存在があればこそでした。本当に偉大な馬でした」
◆土川健之JRA理事長(67)
「多くの競馬ファンに強烈な印象を与え、競馬の一時代を築いた同馬の突然の訃報に接し、悲しい気持ちで一杯です。昨年、東京競馬場では現役時代と何ら変わらぬ、まさに“皇帝”と呼ぶにふさわしい雄姿を見せてくれただけに、残念でなりません。あらためて、これまで同馬が残してくれた偉大な功績に感謝するとともに、ご冥福をお祈りいたします」
◆杉本清氏(74)=当時関西テレビアナウンサーで、3冠達成を実況
「ミスターシービーに続き、2年連続3冠達成の菊花賞を実況しました(ゴール時の実況は『8戦8勝、我が国競馬史上、不滅の大記録が達成されました』)。印象としてはシービーを“暴れん坊”というならルドルフは“優等生”。いつも4、5番手につけてレースをするので、他馬に目配りもでき、安心して実況ができました。GIクラスの実況で大丈夫と思ったのは、この馬ぐらいでしたよ。個人的に凱旋門賞観戦から帰国したばかりなので、凱旋門賞に出て欲しかったなあ、とつくづく思います」 |
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