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9月3日に開幕した香港競馬2016/17シーズン初の重賞が10月1日の国慶盃(ナショナルデー・カップ)と慶典盃(セレブレーション・カップ)です。ここから2カ月余、3つのステップを経て12月10日の香港国際競走へとヴィクトリーロードが続きます。直線1000mの国慶盃は香港スプリントへ、1400mの慶典盃は香港マイルへの入り口です。日本で言えば秋初戦の京王杯オータムハンデのような位置づけと説明すれば分かりやすいかもしれません。
ヴィクトリーロードは長く険しいものです。その頃までにどのような仕上げ、どのようなペース配分で歩んでいけばいいのか、各陣営とも毎年知恵を巡らせている訳ですが、さて今年はどの馬が先行し、これを横目にじっと控え、逆転を狙っている馬はどの馬なのか……。レースを振り返って2カ月後に迫ったレースを展望してみましょう。
<国慶盃=ナショナルデーカップ>
香港スプリント2勝、高松宮記念も制した世界的スプリンター、エアロヴェロシティが引退し、香港スプリント界は大将を欠いてしまいました。そのトップを窺う2頭が出走してきました。春のスプリント王決定戦、チェアマンズ・スプリント・プライズで2着したミスタースタニングと15年香港スプリントの覇者、ぺニアフォビアです。しかし、この2頭を抑えて単勝2.7倍の1番人気に推されたのはなんと重賞未勝利のディービーピンでした。去年6月のデビュー以来1000~1200mのスプリント戦を10戦して全て連対。安定性と底を見せていない未知の魅力が買われました。
レースは単勝6.8倍、3番人気のファビラスワンが引っ張る中、注目のディービーは外埒から2頭目を中団から3番手、前にいるミスターを交わして先頭を窺いました。ところが、ディービーの後方に控えていたダッシングフェローが無理やり馬場中央に持ち出して追い出すと残り100mで外に合わせたノットリスントゥーミーをかわし首の差をつけたところがゴールでした。ディービーは内埒沿いに粘って3着。ミスターは後半足を失って6着。ぺニアフォビアは内埒沿いを先行しながら後退し9着に終わりました。
ダッシングフェローは昨年3月、香港澳門カップ(G3・シャティン芝1400m)を勝って重賞ウィナーの仲間入りを果たしましたが、昨シーズンはクラス1を1勝しただけで重賞には手が届きませんでした。1年半ぶりの重賞勝利にJ.ムーア師は「ハンディに恵まれたね。これが定量戦なら4、5着を言うのが実力だろうが」と謙遜して見せました。しかし、2着のノットには「この斤量での2着には大変満足している。香港スプリントまでにトライアルを含め2戦を予定しているが、今日の状態を維持できれば本番でも恥ずかしくない競馬になる」と自信を深めました。ムーア厩舎はスロースターターですが、このレースには3頭出し、1、2着だけではなくマジックレジェンドも4着と上位を独占、例年にはないいいスタートを切りました。
1番人気を裏切ってしまったディーピーですが、K.ティータン騎手は「軽ハンディだったら伸びたんだろうけどね」と敗戦の弁解をしつつも「今日のレースには満足している、余力は十分」と次走に期待を高めています。
今週(10月22日)日曜のプレミアム・ボウル(G2・シャティン芝1200m)にはこのレースの上位馬に春のスプリント王決定戦、チェアマンズ・スプリント・プライズの覇者、ラッキーバブルズが戦線復帰して加わります。ここで11月19日の香港スプリント・トライアルに向けた力関係がはっきりと見えてくることになります。
<慶典盃=セレブレーション・カップ>
国慶盃に続いて行われた慶典盃には、安田記念に挑戦してきたビューティーオンリー、コンテントメントと香港マイラー陣トップ2が揃いました。国慶盃と同じ様に休み明けの強豪を抑えて、開幕日のクラス1でスプリンターズS5着のブリザードを破ったシーズンズブロッサムが単勝2.3倍と人気を集めました。同様に今季既に1戦を消化し2着したウィナーズウェイがこれに続く5.5倍の2番人気。休み明けの強豪、ビューティーオンリー、コンテントメントは単勝15倍、53倍と人気を落としたのは、ここはあくまで叩き台と見通した香港競馬ファンの眼力でしょう。
前のレースで上位を独占したJ.ムーア厩舎はここでも何と4頭出しの大攻勢。そのムーア厩舎の新星、ビューティージェネレーションが外枠から好発を切ると内に切れ込んでレースを先導。1番人気のシーズンズは内埒沿い後方を進みます。1000m59秒23と決して遅いペースではありませんでしたが、ジェネレーションは直線でリードを広げると、あれよあれよの逃げ切り勝ち! 昨季4歳クラシック3冠でクラシックマイル、香港ダービーをそれぞれ3着し、実力の片鱗を見せていましたが、これがうれしい重賞初勝利となりました。
香港マイラー陣もスプリントと同様に総大将だったエイブルフレンドが引退し、世代交代の足音が聞こえてきていましたが、早くも新星が次のマイル王へ名乗りを上げました。
「天の配剤だよ。控えようと考えていたんだけど、雨が降ったんで騎手に逃げろを指示をしたんだ。はまったね」とムーア師は国慶盃に続く重賞連勝に破顔一笑。一方の1番人気のシーズンズは内埒沿いから懸命に足を伸ばして2着を確保。こちらも世代交代へ名乗りを上げた形です。しかし、古豪も黙ってはいません。同じ冠号のビューティーオンリーは稍重に近い馬場の中、133ポンドのトップハンデ。後方からレースを進め直線入り口では後方2番手ながら大外から矢のような末脚を繰り広げ、0.3秒差の5着、意地と実力を十分誇示。Z.パートン騎手も「道悪は決して得意ではないんだけど、今日の末脚は十分見どころがあった」と今後に自信を深めています。
ムーア師はジェネレーションの今後に関して「距離的にはマイルがベスト。オンリーとは同じオーナーだが、香港マイルを目指すことになる」とコメント。今週日曜のシャティン・トロフィー(G2・シャティン芝1600m)で真価を問われることになりました。このレースにはムーア厩舎所属で一昨季の香港馬王(年度代表馬)ワーザーも戦列復帰。トライアル第2レグにして既に本番並みの顔ぶれ、見逃せないレースをなりました。さて、日曜のシャティンが楽しみでなりません。
(写真提供:HKJC)
甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)駐日代表、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。
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