阪神ジュベナイルフィリーズの追い切りが5日、東西のトレセンで行われた。美浦ではアルテミスSを勝ったシェーングランツが、軽めながらも鋭い反応を披露。柔らかい動きで体調の良さをアピールした。2016年の覇者ソウルスターリングとの姉妹Vを狙う。クロノジェネシス、ベルスール、タニノミッションがサンケイスポーツ調教評価で最高の『S』となった。枠順は7日に確定する。
2歳女王へ、視界良好だ。シェーングランツがポリトラックコースで悠々と併入。未勝利-アルテミスSに続く3連勝に向け、藤沢和調教師は納得の表情を浮かべた。
「使ってきているので速い時計はいらない。随分と余裕を持って走っていたし、動きも柔らかくていい感じだよ」
1週前追いに続きPコースへ。ストロボスコープ(500万下)を2馬身ほど追いかけ、折り合い十分に4コーナーで内を突く。直線は自ら捕らえにかかるように馬なりで併入。5ハロン69秒7、3ハロン40秒1-12秒9と時計は軽めだが、落ち着いた雰囲気とラストの反応に好ムードが漂う。
前走は豪快なV。出遅れて後方3番手で直線に向くと、鋭く伸びて1分33秒7のレースレコードで差し切った。「直線で外に出したらフォームが変わり、すごい脚でした。可能性のある馬で楽しみ」と武豊騎手も舌を巻く末脚だった。
それも良血のDNAなのか。半姉ソウルスターリング(父フランケル)は2016年にデビュー3連勝で阪神JFを制した。前向きで先行力のある姉と違い、おっとりした気性だが、「いいフットワークをしているし、しまいはしなやかに伸びてくる。ディープインパクト産駒らしい切れ味」とトレーナーは素質を評価する。
中間は在厩で調整し、さらに成長。「馬体はすごく良くなった。慎重な馬だけど、前向きさも出てきた」。マイルを使った効果に、良血らしい成長力があふれ出す。
初の長距離輸送、阪神マイルにも、「神経質な馬じゃないし、騎手にとっては乗り慣れたお庭だろうから」と、藤沢和調教師は武豊騎手へ期待を寄せる。「姉も素晴らしいけど、妹も素晴らしい。距離は長い方がいいだろうけど、まずは1600メートルでしっかり走ってほしいね」。見据える来春のクラシックを前に、まずは偉大な姉に並ぶ。 (千葉智春)
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