京成杯の木曜追いが東西トレセンで行われ、美浦では昨秋の東京で新馬戦を快勝した米国産馬デルタバローズがウッドチップコースで力強い動きを披露。サンケイスポーツ調教評価で最高の『S』となった。中央入り2戦目のダブルシャープなども順調に追い切りを消化。レースは15頭立てで確定した。
馬体を併せにいった瞬間にグンと重心が沈んだ。闘争心に火がついたデルタバローズが、迫力満点の脚取りで4コーナーを回る。直線に向いてからの手応えも、道中で1馬身先行したソレイユドパリ(1000万下)より良好。時計がかかる状態のウッドチップコースで力負けすることもなく、ラスト1ハロン12秒9(5ハロン67秒5)で楽々と併入に持ち込んだ。
「冬場なので当該週はしまいをシャープに。いい状態です。もともと完成度の高いタイプでしたが、体がひと回り大きくなりました。1回使った後の方が、コントロールもきくようになっているし、成長を感じます」
森助手が好気配を伝えた。新馬戦快勝からの2カ月半。着実にステップアップを遂げている。それを示した調教は、サンケイスポーツ最高の『S』評価だ。
初陣は圧巻だった。タフな重馬場で各馬が伸びあぐねる中、2番手から余裕たっぷりに抜け出して4馬身差の完勝。やや内にもたれる面を見せたものの、上がりはメンバー最速の3ハロン35秒1で相手を寄せ付けなかった。「強い内容でした」と森助手も振り返る一戦。のちに2、4、7着馬が勝ち上がっており、メンバーレベルも悪くない。
昨年の米ファシグティプトン・ガルフストリームセール(トレーニングセール)において20万ドルで落札された外国産馬。父イントゥミスチーフは産駒が次々と高額で落札されている人気種牡馬で、日本に輸入された産駒4頭も全て勝ち上がっている。「距離はやってみないと分かりませんが、守備範囲だと思います。ここをクリアすれば選択肢も広がりますから」と森助手。素質の高さを見込んでの挑戦だ。
キャリア1戦。乗り越えなければいけない壁は多いが、ここをあっさり通過するようなら、春の視界が大きく開けてくる。(板津雄志)
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