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今年の凱旋門賞(G1)の見どころと言えば、日本馬を除けば英オークス(G1)からヨークシャーオークス(G1)までG1 4連勝中のエネイブルということで衆目の一致するところだろう。4つのG1で2着につけた着差の合計が20馬身。その危なげないレースぶりを見せられれば、断然人気になるのは仕方のないことだ。 ただし、そのなかに隠れる不安材料を探りたくなってしまうのが、穴党のさがというもの。過去10年で3着が1回あるだけのヨークシャーオークス(G1)からのステップ。愛オークス(G1)とキングジョージ(G1)を中1週で戦ったことによる見えない疲労。シーズン初めから使い続けられて、ここが今年の7戦目になること。などなど、気がかりな点はたくさんある。 過去10年で3頭の3歳牝馬が優勝している凱旋門賞だが、2013年のトレヴは凱旋門賞がその年の4戦目で、2008年のザルカヴァは5戦目だった。2011年のデインドリームはエネイブルと同じく7戦目だったものの、そこまでG1は2戦だけ。これら3頭と比べてもエネイブルが一番過酷なローテであることは明白である。さすがに昨年のポストポンドやマカヒキのように馬券圏外まで落ちる可能性は低そうだが、馬券の妙味を考えれば、軸馬にはふさわしくないと判断する。評価は▲までだ。 ◎には地の利を生かせるフランス馬からクロスオブスターズを推す。凱旋門賞歴代最多の7勝を挙げているA.ファーブル厩舎の管理馬で、ここまでの戦績は12戦7勝。一度だけ3着を外しているのが、イギリスに遠征した昨年の英ダービー(G1)でのもの(8着)。フランス国内に限ればすべて3着以内という安定した成績を残している。 今年は春に3月19日のエクスビュリ賞(G3)から5月1日のガネー賞(G1)まで重賞を3連勝。その後は「体調が万全ではない」という理由でイギリスのロイヤルアスコットを回避して秋までじっくり休ませ、9月10日のフォワ賞(G2)で復帰。承知のようにフォワ賞ではサトノダイヤモンドに先着する2着に入っている。にもかかわらず、ブックメーカーの評価ではサトノダイヤモンドやガネー賞で先着を果たしているザラックより人気が下というのだから、オッズ的にこれほど妙味のある馬はいない。3番という好枠ならば、隣のエネイブルをガッチリとマークしてレースを進められるはずだ。 〇はエクリプスS(G1)と英インターナショナルS(G1)の優勝馬で、ここまでのレーティングで欧州古馬トップに立つイギリスのユリシーズ。こちらも今年に入ってから3着を外していない、充実期にある1頭だ。キングジョージではエネイブルに4.1/2馬身差をつけられての2着だったが、そのときの両者の斤量差は6.5キロ。秋を迎えて3.5キロ差になった今回は逆転も可能とみている。1番枠も絶好。どちらかと言えば良馬場で末脚を生かしたいタイプゆえに、◎との評価の差はそこだけ。乾いた馬場ならば、◎と同等もしくはそれ以上に評価してもいいと思っている。 フォワ賞の覇者チンギスシークレットは印の順番から△になるが、重馬場になれば絶対に外せない1頭。その他の△にはA.オブライエン厩舎から、エネイブルと初対決となるG1 4勝の3歳牝馬ウィンターと昨年3着のオーダーオブセントジョージを加え、スミヨン騎手が怖いザラックまで押さえる。 サトノダイヤモンドは前走フォワ賞の内容もさることながら、直前のコメントからも陣営のトーンが上がってこないのが気になる。国内オッズで買う以上、エネイブルを買い目に残すのであれば、こちらを切るのが妥当な選択だ。 なお、ウマニティではシステム上、金額の上限が10,000円(100点)となっているため買い目には設定していないが、一獲千金を狙う向きは3連複と同じフォーメーションの組み合わせ、あるいは昨年の私のように印を打った7頭ボックスで3連単を購入することを推奨する(※詳細は昨日公開したコラムを参照)。クロスオブスターズがアタマを取り、エネイブルが万一圏外に敗れ去れば……。そんな、最高の結末を迎えることに期待しつつ、運命の瞬間を楽しみに待ちたい。 |
買い目 |
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合計金額 |
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