サマースプリントシリーズ第5戦の
キーンランドCが29日、札幌競馬場で16頭によって争われ、3番人気で亀田騎乗の
レイハリアが好位から抜け出して重賞連勝を飾った。最軽量の51キロを生かして年長馬を撃破。今後は
スプリンターズSには向かわず、
京阪杯(11月28日、阪神、GIII、芝1200メートル)になる見込み。7番人気の
エイティーンガールが2着、9番人気の
セイウンコウセイが3着。1番人気の
メイケイエールは7着だった。
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北の大地でも快速娘の快進撃は止まらない。3歳牝馬
レイハリアが、年長勢の壁をあっさり突破。重賞連勝にエスコートした亀田騎手は、パートナーの首差しをなでてねぎらった。
「最後はがむしゃらに、ひたすら追っていました。外の馬に壁を作られてスムーズにいかなかったけど、前が開いたところでもうひと踏ん張りしてくれました」
ハナに立とうとしたところで、引っ掛かった
メイケイエールが外からきた。想定内だった。「控える形で外に出せればいい」。冷静にスッと2番手に下げて、直線は進路が開くのを待ってスパート。ゴール前で抜け出し、
エイティーンガールの猛追をしのいだ。最軽量の51キロを生かして4連勝を飾り、単勝13番人気で制した前走の葵Sの勝利がフロックではないことを証明。これでサマースプリントシリーズは
アイビスSD(
オールアットワンス)、
北九州記念(
ヨカヨカ)と3歳牝馬が3連勝。先週の
札幌記念も白毛馬
ソダシが年長馬を撃破しており、3歳牝馬の勢いに続いた。
重賞2勝目を挙げた20歳の鞍上だが、6月27日の札幌1Rで勝った後、直前の10Rまで102連敗中だった。心が折れそうになりながらも、函館競馬場で調整するパートナーの存在を励みに、開催が終わった後も函館に居残り、追い切りにまたがるなどして絆を深めた。田島調教師は「焦らずに前で運んで、上手に乗れているんじゃないかと思います。馬も成長曲線に乗ってきたと思います」と目を細めた。
オーナーサイドによると、優先出走権を得た
スプリンターズSは回避して
京阪杯に向かう予定。GI挑戦は来年以降になりそうだが、短距離界の新星の輝きは増すばかりだ。(川端亮平)
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レイハリア 父
ロードカナロア、母ライトリーチューン、母の父
マンハッタンカフェ。鹿毛の牝3歳。美浦・
田島俊明厩舎所属。北海道新ひだか町・谷岡牧場の生産馬。馬主は(株)ヒダカブリーダーズ・ユニオン。戦績7戦4勝。獲得賞金9989万7000円。重賞は2021年の葵S(格付けなし)に次いで2勝目。
キーンランドCは
田島俊明調教師、
亀田温心騎手ともに初勝利。馬名は「愛する人の思い出(ハワイ語)。フラダンスの曲名。父名より連想」。