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第69回東京新聞杯(3日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際、別定、芝1600メートル、1着本賞金3900万円 =出走15頭)福永祐一騎乗のインディチャンプが出遅れを克服して差し切り勝ち。重賞初勝利を飾り、このレースにおいて12年ぶりの1番人気馬Vとなった。タイム1分31秒9(良)はレースレコード。今後は安田記念(6月2日、東京、GI、芝1600メートル)が大目標となる。1/2馬身差2着は6番人気のレッドオルガだった。
冬晴れのもと、府中のスタンドから全景が見渡せた富士の高嶺のように、頂への視界がくっきりと開けた。1分31秒9のレースレコードで決した今年の東京新聞杯。1番人気が11連敗という受難の歴史にピリオドを打ったのは、強い4歳世代のインディチャンプだ。「GIで活躍できるという期待が確信に変わった」と福永騎手が言い放つ快勝劇で、マイルの最前線へと躍り出た。
父ステイゴールド譲りの激しい気性が顔をのぞかせたのがスタート。1馬身ほど立ち遅れ、場内がどよめく。しかし、持ち前のスピードでスッと6番手に取りつくと、直線はあまりの手応えの良さに200メートル以上を残してスパート。526メートルのタフなホームストレッチでは禁じ手ともいえる厳しい形となったが、その脚力で後続の猛追を半馬身しのぎ切った。
「もともとゲート内でじっとしていなくて、きょうは一番悪いタイミングで出る形になった」というスタート。「このメンバーでそこまで早く抜け出すことはないと思っていた。それが早めに出てしまって…。最後はやはり遊んでいた」という最後の直線。念頭になかった2つの誤算を乗り越えてのVに、鞍上はホッと胸をなで下ろす。試練を克服したGI級の搭載エンジン。「安田記念と同じ舞台でいい勝ち方ができた」と最後は先を見据えて力強くうなずいた。
見届けた音無調教師もビッグタイトルを鮮明に意識する。「出遅れたので外を回すと思ったら、内から伸びてきたからね。あれだけ稽古をやって、初めての輸送でも馬体が減っていなかった。逆にあれだけやっておいてよかった。課題も見つかったけれど、強いことは強い」。デビュー8戦目での重賞奪取は、陣営に確かな自信を与えた。
今後は放牧に出され、安田記念に直行するか1回叩くかは、様子を見て決められる方針。4年前の明日5日、21歳でこの世を去った名種牡馬の忘れ形見が、今後のマイル界を熱く盛り上げる。 (内海裕介)
★1番人気馬
2007年スズカフェニックス以来の勝利。その間、2着も1度(10年トライアンフマーチ)しかなかった。重賞で1番人気馬の連敗が現在も続いているのは、函館記念と新潟大賞典の12連敗(07~18年)が最長。歴代最長は1979~04年まで続いた七夕賞の26連敗。
★2日東京11R「東京新聞杯」の着順&払戻金はこちら
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