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【阪神JF】レース展望
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GIの舞台は阪神に移り、阪神ジュベナイルフィリーズ(9日、芝1600メートル)が行われる。来春の桜花賞と同じ舞台で行われる2歳女王決定戦。例年、その結びつきが強い東京芝1600メートルのGIIIアルテミスSを制したディープインパクト産駒のシェーングランツ(美浦・藤沢和雄厩舎)は、半姉ソウルスターリング(父フランケル)が2016年にこのレースを優勝しており、08年ブエナビスタ&11年ジョワドヴィーヴル以来の姉妹制覇がかかる。
札幌芝1800メートルのデビュー戦は5着に敗れたが、同じ舞台の2戦目を5馬身差で快勝。続く前走のアルテミスSでは今回も手綱を取る武豊騎手がじっくり構えて末脚を温存し、ラスト3ハロン33秒8の切れ味で鮮やかに差し切った。姉のソウルとはひと味違って息の長い末脚が身上。切れ味勝負になる傾向が強い阪神外回りの1マイルは、持ち味を発揮するに申し分のない舞台設定だ。
同じディープインパクト産駒のダノンファンタジー(栗東・中内田充正厩舎)は初戦こそグランアレグリア(次週の朝日杯フューチュリティSに出走予定)のスピードに屈したが、阪神芝1600メートルで未勝利をきっちり勝ち上がり、続く京都芝1400メートルのGIIIファンタジーSで重賞初制覇を飾った。父譲りの瞬発力は強烈で、大外から突き抜けた前走はゴール前で手綱を抑える余裕があったほど。マイルに戻ることにも問題はなく、クリスチャン・デムーロ騎手を鞍上に迎え、3連勝で戴冠を飾るチャンスも十分だ。
04年の凱旋門賞馬バゴ産駒のクロノジェネシス(栗東・斉藤崇史厩舎)は、小倉芝1800メートルの新馬戦に続いて、東京芝1800メートルのオープン・アイビーSも快勝。その前走は1000メートル通過62秒9のスローペースに対応、ラスト3ハロンは32秒5と極限に近い切れ味を発揮した。この秋、紫苑Sを勝ちエリザベス女王杯でも5着と上位入線を果たしたノームコア(父ハービンジャー)の半妹で、血統背景も上々。勝負強さはここでも脅威となる。
アルテミスSで2着に敗れたビーチサンバ(栗東・友道康夫厩舎)は当時がキャリア2戦目。よどみのない流れのなか、自分から動いて、勝ち馬に半馬身差まで迫ったなら健闘といえるだろう。今回はデビュー戦で快勝している阪神芝1600メートルが舞台。1999年の桜花賞2着馬フサイチエアデールを母に持ち、全兄フサイチリシャールは05年の朝日杯FSの覇者。完成の早い血統背景もこのレースでは魅力だ。
アルテミスSからは他にも上位馬がこぞってエントリーした。4着ウインゼノビア(美浦・青木孝文厩舎)は15頭立ての14番枠から正攻法の競馬で0秒5差。自在な立ち回りが武器で、ここも相手なりに走れそうだ。1番人気で11着と人気を大きく裏切ったグレイシア(美浦・栗田徹厩舎)も、最後方から直線一気に突き抜けた2走前のアスター賞(中山芝1600メートル)のパフォーマンスは圧巻で、前走だけでは見限れない。3着エールヴォア(栗東・橋口慎介厩舎)はエリカ賞(8日、阪神、500万下、芝2000メートル)に出走を予定しており、ここは回避する予定。
レッドアネモス(栗東・友道康夫厩舎)は新馬(新潟芝1600メートル)、サフラン賞(中山芝1600メートル)を連勝した。前々でレースを運べ、しまいにひと脚使えるレースぶりは安定感がある。
プールヴィル(栗東・庄野靖志厩舎)はりんどう賞(京都芝1400メートル)で好位抜け出しの安定した内容を見せ、次走で秋明菊賞を勝つローゼンクリーガー(栗東・高橋亮厩舎)を封じ込めた。1ハロンの距離延長に対応できれば、上位食いを狙える。
メイショウショウブ(栗東・池添兼雄厩舎)は芝に戻したGIIデイリー杯2歳S(京都芝1600メートル)で4角先頭からギリギリまで粘り、アドマイヤマーズの0秒1差2着に好走。実戦を重ね、持てる能力をフルに発揮できるようになった雰囲気だ。
ベルスール(栗東・今野貞一厩舎)はファンタジーSで0秒3差2着。ダノンファンタジーには突き放されたものの、デビュー2戦目で3カ月ぶりだったことを思えば上々の結果で、上積みが十分に見込める。
エールヴォアの回避により、3日現在、賞金400万円の馬は7頭のうち3頭が抽選で出走可能となる。タニノミッション(栗東・中竹和也厩舎)は、06年のこのレースを含むGI・7勝を挙げた名牝ウオッカが母。東京芝1600メートルの新馬戦の勝ちっぷりはかなりのスケールを感じさせただけに、出走がかなえば実績上位の各馬に肉薄しそうだ。
★阪神JFの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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