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【日本ダービー】必殺仕分け人(2)血統


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 競馬の祭典・日本ダービーを様々な角度から検証する“必殺・仕分け人”。2日目は血統を徹底解剖する。今年は例年以上に良血馬が揃っており、生き残るためのハードルが高くなり減点が続出。初日の戦績&ステップで脱落した4頭に加えて、さらに3頭がここで振り落とされた。

出走予定馬へ

 〔1〕父系(最大6点減点)

 《減点なし》ダービー馬を出している種牡馬は減点なし。父ネオユニヴァース(09年ロジユニヴァース)のヴィクトワールピサ、父オペラハウス(06年メイショウサムソン)のメイショウウズシオ、父アグネスタキオン(08年ディープスカイ)のリルダヴァルが該当。“ダービー馬はダービー馬から”という格言もあり、父が日本ダービー馬も減点なしとする。父キングカメハメハ(04年)のトゥザグローリールーラーシップローズキングダムと、過去10年ではないが父スペシャルウィーク(98年)のレーヴドリアンも該当とする。

 《1点減点》アリゼオの父シンボリクリスエスは02年の2着馬。産駒にダービーでの実績はないが、舞台に不足はない。ペルーサの父ゼンノロブロイは03年の2着馬で、産駒サンテミリオンオークスをV。勢いに乗っており侮れない。

 《2点減点》エイシンフラッシュの父キングズベストは英2000ギニー勝ち馬。距離には疑問が残るが、その父キングマンボからキングカメハメハが出ている点を考慮して減点は2点。

 マンハッタンカフェ自身は奥手のステイヤーだったが、産駒にはSS譲りの切れ味を伝えて中距離前後で活躍する馬が多い。ヒルノダムールは中距離がベストの印象。ゲシュタルトはタイプこそ違うが、距離が延びてよさそうな印象はない。サンディエゴシチーハンソデバンドも2点減点。

 《3点減点》フジキセキ産駒は2400メートル向きとは思えないが、ドリームパスポートが06年3着。ダービーで大活躍しているサンデーサイレンスのサイアーラインでもあり、ダノンシャンティは3点減点まで。

 《4点減点》コスモファントムの父スティーヴンゴットイーヴンは米GI馬で、産駒アイウォントリベンジは昨年のケンタッキーダービーの本命馬(出走取消)だった。能力は高そうだが、本質的に芝向きではなさそう。チーフベアハートはマイネルキッツビービーガルダンを出しているが、安定性が低くトウカイメロディも減点。

 《6点減点》メイショウドトウは種牡馬としての成績が今ひとつ。近年のダービーではマイナーな種牡馬の子が好走した例はなく、シャインは6点減点。アドマイヤドン産駒トーセンアレスミスキャスト産駒ビートブラックも同様。

 〔2〕母系(最大4点減点)

 《減点なし》ヴィクトワールピサは半兄アサクサデンエン安田記念)、スウィフトカレント小倉記念、天皇賞・秋2着)と兄がGIで活躍。トゥザグローリーは母がエリザベス女王杯の勝ち馬で、ドバイワールドC2着。リルダヴァルディープインパクトの甥。ルーラーシップは母がJRA年度代表馬。ダノンシャンティシングスピールジャパンC、ドバイワールドC)などの近親。ローズキングダムは名門バラ一族。

 《1点減点》レーヴドリアンの兄アプレザンレーヴは昨年の青葉賞勝ち馬でダービー5着。この舞台に実績がある。ペルーサの伯母はアルゼンチンチャンピオン牝馬。少し重さがあるが、大物感はある。エイシンフラッシュはドイツの良質なファミリーが魅力。

 《2点減点》ゲシュタルトはGIでは底力が少し足りないか。ヒルノダムールの母系はマイルに好実績で距離疑問。トーセンアレスダンスインザダークなどと同じ一族。質そのものは悪くなく2点にとどめる。

 《3点減点》ハンソデバンドは少し母系に気の難しさがある。距離がどうか。サンディエゴシチーはパワータイプで距離も長い。アリゼオはスピード勝負は得意だが、力を出せるのは中距離まで。ビートブラックは瞬発力が今ひとつ。トウカイメロディは速い時計が疑問だ。

 《4点減点》コスモファントムは母系に目立った活躍馬がいない。シャインは活力が弱い。メイショウウズシオは大物感に欠ける。

 〔3〕母の父(最大4点減点)

 《減点なし》母の父SSの2頭、母の父ブライアンズタイムの2頭、母の父トニービンのルーラーシップは満点。また、近年のダービー上位馬は、母の父に一流マイラーの血が流れていることが多い。アリゼオゲシュタルトサンディエゴシチーダノンシャンティハンソデバンドレーヴドリアンも減点なし。

 《2点減点》母の父がスピードをバックアップしているヴィクトワールピサコスモファントム、シャインだが、少し距離が長い。一本調子だがパワフルなスピードがあるトーセンアレスペルーサリルダヴァルは2点減点。エイシンフラッシュは底力がまずまずで2点にとどめる。

 《3点減点》トウカイメロディヒルノダムールの母の父はともに大物だが、種牡馬実績がふるわない。

 〔4〕総合力(最大6点減点)

 《減点なし》SS系にスピードやパワーを強化している配合が、ダービーでは強い。ヴィクトワールピサゲシュタルトサンディエゴシチーハンソデバンドヒルノダムールペルーサリルダヴァルレーヴドリアンは満点評価。

 《1点減点》キングカメハメハ産駒は、母がどれも中距離~2400メートルで実績を残した一流馬。バランスがいいとは言い難いが、質は最上級だけに1点だけ減点。

 《2点減点》SS系でもダノンシャンティはマイル色が濃すぎる。ビートブラックはパンチが弱い。エイシンフラッシュは父系のスピードを母系のスタミナが補強。バランスはいい。

 《3点減点》メイショウウズシオはスピードに乏しいが舞台は合う。

 《4点減点》アリゼオはパワーがある中距離向きの配合。二千がベストか。コスモファントムは未知の部分が多いが、距離延長はマイナスだろう。トウカイメロディは気性が難しい。

 《6点減点》シャインはマイルまで。トーセンアレスはダート向き。

 ★2日目の結論

 2日目で早くも満点がいなくなったが、ヴィクトワールピサが頭ひとつ抜け出してリード。ペルーサローズキングダムなどが上位に浮上してきた。2日目で脱落したのはシャイン、トーセンアレスコスモファントムの3頭。いずれも全項目で減点があり、血統面からは強調できる材料がなかった。

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