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【札幌2歳S】レース展望

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【札幌2歳S】レース展望

 6週間の札幌開催は今週がラストウイーク。土曜メインではGIII札幌2歳S(9月1日)が行われる。1997年に芝1200メートルから芝1800メートルへと条件が替わって以降、2000年ジャングルポケット、08年ロジユニヴァースと優勝馬から2頭のダービー馬が誕生。05年1着のアドマイヤムーンもここを飛躍の第一歩とし、後にジャパンCなど国内外でGI・3勝を挙げた。近5年では、13年1着レッドリヴェールが同年の阪神ジュベナイルフィリーズを勝ち、14年3着レッツゴードンキは翌年の桜花賞馬に輝いている。出世レースという位置付けに変わりはない。

 今年はハイレベルな混戦といった印象。なかでも初戦のパフォーマンスが光ったのがウィクトーリア(美浦・小島茂之厩舎、牝)だ。函館芝1800メートルの新馬戦は1枠1番からハナに立つ競馬を選び、快調な逃げ。3、4コーナーで一旦後続を引きつけると、直線では力強く引き離してゴールした。2着に3馬身差をつける圧巻のパフォーマンスで、最後の50メートルは馬なりだったにもかかわらず、1分48秒3の2歳コースレコード。母が秋華賞ブラックエンブレムという良血で、半兄には14年にこのレースを勝ったブライトエンブレムがいる。血統的な適性も高いとみていい。短期放牧を挟んで背中の筋肉がつくなどパワーアップ。経験のないもまれる競馬になった場合の課題はあるが、現在の条件になってから13年レッドリヴェール、17年ロックディスタウンに次ぐ3頭目の牝馬制覇となるか。

 7月29日の札幌芝1800メートルを勝ち上がったクラージュゲリエ(栗東・池江泰寿厩舎、牡)も有力視される。1分54秒2のV時計こそ平凡だが、勝ちっぷりが際立った。前半5ハロン67秒1という超スローペースで道中は密集馬群の中。下がってくる馬がいて何度も頭を上げ、勝負どころでは後方2番手まで下がる苦しい展開だったが、4コーナーで外へ持ち出すと一気に加速し、前にいた馬を一瞬でかわしさった。陣営が「ためればためるほど切れる」と評する瞬発力の持ち主で、札幌の短い直線でもまとめて差し切る脚力は魅力だ。3代母フェアリードールから派生する一族はトゥザヴィクトリーデニムアンドルビーなど活躍馬多数で注目度は高い。

 実績上位は前走の函館2歳Sで2着に入ったラブミーファイン(栗東・田所秀孝厩舎、牝)だ。デビュー戦の9ハロンから6ハロンへと一気に距離を短縮しながら、2番手で流れに乗って重賞V目前まで粘ったスピードとレースセンスは大きなアドバンテージ。馬群でもまれた経験こそないが、前走のスピードがあれば、逃げか2番手でスムーズな競馬が可能だ。すでにJRAで8頭が勝ち上がり、初年度産駒が好調な父ジャスタウェイに初の重賞Vをプレゼントできるか。

 ホッカイドウ競馬の雄、ナイママ(田部和則厩舎、牡)もJRA勢の牙城を崩す力を持っている。中央に殴り込みをかけた前走のコスモス賞は、圧倒的1番人気のアガラスに早めに競り掛けてねじ伏せる強い内容だった。オーナーの岡田繁幸氏はかねて「コスモバルク(シンガポール航空国際C)より上」と公言し、父ダノンバラードも英国から買い戻したほど才能を認めている。01年ヤマノブリザード、03年モエレエスポワール、17年トラストに続く地方馬Vの可能性も十分だ。

 アフランシール(美浦・尾関知人厩舎、牝)は函館2歳SキーンランドCを勝ったブランボヌールの半妹。父がディープインパクトから長距離砲のハーツクライに替わったぶん、距離適性が長めになっている。洋芝巧者だった姉の特徴を受け継いでいそうなだけに要チェックだ。

 エメラルファイト(美浦・相沢郁厩舎、牡)は6月の東京芝1600メートルでデビュー勝ち。2着に破ったミディオーサが素質馬ぞろいだった次戦の未勝利戦を完勝しており、期待が高まる。パワー豊富なクロフネ産駒で、最終週の荒れた洋芝も難なくこなしそうだ。

 1番人気に支持された函館2歳Sで9着に終わったナンヨーイザヨイ(栗東・松永幹夫厩舎、牡)が距離延長で巻き返しを狙うほか、コスモス賞4着でやや脚を余した印象のトーセンギムレット(美浦・萱野浩二厩舎、牡)も上位争いの可能性があるだろう。

 なお、未勝利戦で勝ち上がった馬は7頭がエントリー。登録段階では、このうち5頭が出走可能となっている。

札幌2歳Sの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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