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第27回フェブラリーS(21日、東京11R、GI、4歳上オープン国際、定量、ダ1600メートル、1着本賞金9400万円=出走15頭)エスポワールシチーが直線に向いて間もなく早々と先頭に躍り出たその時、「ヨシッ」と小さく声を発した塩入満洋オーナー(54)=友駿ホースクラブ愛馬会代表取締役=は勝利を確信できたという。
「スタートでちょっと後手を踏んだけど、(ローレル)ゲレイロが引っ張ってくれて、単騎で逃げている格好になったのは良かった」と勝因の一つを挙げた。「強い芝馬が何頭も出て不確定要素が多かったのは確か。でもエスポワールが強いダートホースであることをこれほどまでに実感できたのは初めて。ジャパンC(ダート)勝ちからさらに成長していましたね。この中間はここ目標に全力を傾けてきた。去年(4着)の雪辱ができて嬉しい」と喜びを語った。圧勝の内容から、周囲のドバイ遠征本決まりとの声には「これからの状態を見てから。前向きではいますが…」と慎重な姿勢は崩さなかった。
生産者で開場して40年になる幾千世牧場(北海道・日高町)の鹿戸照美場長(59)は「母馬の初子ということもあり、幼駒の頃はひ弱で、まさかここまで大きく成長するとは想像できませんでした。頭が下がります」と感激の面持ち。その母馬エミネントシチーは、体質的な弱さからエスポワールを生んだあと長らく種付を禁じられていた。それがこの4月、ようやく宿した2番子を産むという。エスポワールと同じゴールドアリュールとの子。関係者は誕生を待ちわびている。(水戸正晴)
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