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GIに昇格した大阪杯(4月2日、阪神、芝2000メートル)に出走する昨年の年度代表馬キタサンブラック(栗東・清水久詞厩舎、牡5歳)が29日、滋賀・栗東トレーニングセンターで追い切りを行った。3カ月ぶりの実戦となるが、ハードトレを消化してパワーアップ。CWコースの併せ馬ではわずかに遅れたが、鋭い伸びで順調な仕上がりを見せた。コンビを組む武豊騎手(48)も「どんどん強くなっている」と相棒を信頼している。
迫力満点の馬体を弾ませ、朝のヒンヤリとした空気を切り裂いた。昨年の年度代表馬キタサンブラックが、CWコースの併せ馬で確かな伸びを披露。相手にクビ差遅れたが、清水久詞調教師は満足げに切り出した。
「ほぼ予定通りで、しまいもいい動きでした。同じような調教で結果を出してきているので、遅れたことは気にしていないです。年度代表馬として恥ずかしい競馬はできないので、一戦一戦しっかり仕上げています」
アキトクレッセント(1600万下)を2馬身追走。3コーナーから徐々に加速し、内に進路を取って直線に向く。最後は遅れたが、力強いフットワークで余力は十分にあった。6ハロン83秒4、3ハロン38秒3-11秒7の時計は平凡だったが、1週前にしっかりと追い、当週はソフトな仕上げが定番。今回も23日に同78秒6-12秒2の好タイムをマークしており調整に不安はない。
昨年の有馬記念2着以来、3カ月ぶりとなる。前走後の休養でトモ(後肢)の筋肉がボリュームアップしたことで、陣営はハードトレで鍛えてきた。3月2日に帰厩してからは4、10、18日と、3週にわたって坂路で一日3本の調教を敢行。坂路調教を一日3本をこなす馬は、まずいない。清水調教師は「もっともっと、パワーアップさせようと。トップレベルのメンバーが100%に仕上げてきますから」。今回にかける本気度がヒシヒシと伝わってくる。
上半期は天皇賞・春(4月30日、京都、GI、芝3200メートル)、宝塚記念(6月25日、阪神、GI、芝2200メートル)を含む3戦を予定。トレーナーは「春の結果によって秋の路線が変わってくる。国内でいいや、という馬ではない。日本代表として(海外に)チャレンジしたい。周りから『行かなアカンやろ』といわれるような競馬をしたい」と力を込めた。
近日中にフランスの凱旋門賞(10月1日、シャンティイ、GI、芝2400メートル)に登録する予定。まだまだ進化するキタサンブラックが、GI大阪杯の“初代チャンピオン”に君臨する準備を整えた。 (川端亮平)
★サブちゃん来る!
キタサンブラックを所有する歌手、北島三郎(80)はこの日オフ。所属事務所によると、愛馬の活躍を今から楽しみにしている様子という。
北島は事務所を通し「筋肉がしっかりついて、体もひと回り大きくなったと聞いている」とコメント。「GIだから他の馬もしっかり仕上げてくるだろうし、レースは時の運もある。とにかく無事に走ってきてほしいが、昨年の年度代表馬にふさわしいレースを見せてほしい」と大きな期待を寄せている。当日は、北海道在住の弟2人らと生観戦する予定だ。
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