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【白井元師のスペシャルサンデー】日曜中山10R

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 昨年2月いっぱいで調教師を引退した白井寿昭氏(71)の予想コラム「スペシャルサンデー」を有馬記念特別版として一日早くお届けします。調教師としてGI12勝を挙げた白井氏が、本命にしたのは(1)キタサンブラック。好枠を引いた強運も味方するとみている。血統からはサトノダイヤモンドに注目した。

 いよいよ暮れの大一番ですね。有馬記念は1999年にスペシャルウィークで2着があります。後方から伸びて、差し切ったと思ったのですが、グラスワンダーと首の上げ下げの接戦となり、ハナ差で敗れました。宝塚記念に続きグラスワンダーに勝てなかったことは、今でも忘れることができません。

 実力が接近したハイレベルの戦いでは、運が重要です。その意味では、公開抽選会で(1)番を引いたキタサンブラックは運がありますね。これまで(1)番では4戦4勝。大舞台で自身の“ラッキーナンバー”を手に入れました。

 中山芝2500メートルはコーナーが6回もありますので、距離のロスがない内枠が有利です。スムーズに先行して、最後までしっかりとした脚を使ってくれるでしょう。(7)マルターズアポジーが逃げるようですが、控えても競馬ができる馬なので問題はありません。能力の差があるので、早めにかわす競馬になりそうです。

 本命に推奨したジャパンCの時にも触れましたが、精神的にどっしりとしているのが、キタサンブラックの最大の長所です。操縦性が非常に優れており、騎手の指示に素直に従うので、あらゆる条件のレースで力を発揮することができます。自在性があるのは、大きなアドバンテージです。

 私の経験上では、前走から1カ月という間隔は仕上げやすいものなので、体調は心配ないでしょう。木曜発表の馬体重は、前走から6キロ増。中山競馬場までの長距離輸送があるので、前走と同じか、少し減るくらいでちょうどいいでしょう。

 ただし、ジャパンCのときほど断然ではありません。同じように好枠を引いた(2)ゴールドアクターが強敵です。ジャパンCのときは追い切りでゴールを過ぎても追っており、太めの懸念がありました。当日は実際に馬体重が8キロ増。うるさい面も目立っていましたが、それで4着は能力の証明です。今回は木曜発表で10キロ減と体が絞れていますし、中山芝は6戦4勝と最も得意なコース。昨年の覇者が巻き返す可能性は十分にあります。

 基本的にはサトノダイヤモンドを含めた3頭の争いとみます。勝ちきれないものの、GIで善戦を続けるサウンズオブアースを押さえます。 (JRA元調教師)

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