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アメリカジョッキークラブカップ(26日、中山、GII、芝2200メートル)の追い切りが22日、美浦、栗東の両トレセンで行われた。抜群の動きを見せたのが準オープンを勝ち上がったばかりのレッドレイヴン。美浦坂路で鋭い動きを披露して、サンケイスポーツ調教師評価「S」をゲット。クラシック候補と呼ばれた素質馬が軌道に乗ってきた。ケイアイチョウサン、ダービーフィズも動きの良さが目を引いた。
漆黒の馬体がさっそうと美浦坂路を駆け抜けた。美浦Sを快勝したレッドレイヴンが馬なりで4ハロン50秒8をマーク。目下の充実ぶりを示す動きに、手綱を取った柴田善騎手の口調は滑らかだ。
「きょうの動きは力みもなくスーッと伸びていたし、いい感じだった」
ベビーネイル(1600万下)、レッドスパーダ(OP)を前に見ながら進み、内から馬体を寄せていく。ゴーサインを出されてからの反応は抜群で1ハロン11秒9の瞬発力で外ベビーを突き放し、中スパーダとも楽々併入。「軽く上がってきただけであんな(速い)時計が出るものなのかね」と藤沢和調教師も目を見張る伸び脚だった。
2歳時は新馬、百日草特別を連勝し、レコード決着の東スポ杯でもコディーノの2着。そのコディーノと並んで藤沢和厩舎のクラシック候補との呼び声も高かった。
しかし、3歳春は体質の弱さから使いたいレースを使えず。青葉賞11着、ダービー12着と不本意な成績に終わった。それでも「ダービーは蛇行しながらもいい脚を使っていた」。トレーナーは敗戦の中にも素質の一端を感じ取っていた。
才能は昨夏の休養を挟んで開花し始めた。復帰戦の甲斐路Sこそ2着だったが、2戦目の美浦Sを地力の違いで2馬身差で圧勝。昨秋からコンビを組んだ柴田善騎手は「もともと素質が高いし、道悪になっても問題ない。大事に使われているからもっと良くなる。もうひと皮むければ本物になれる」と将来性を評価する。
「秋にいいレースがあるからここを勝てれば楽しみになる」と藤沢師。ようやく目を覚ました大器レッドレイヴンが、2014年初戦で輝かしい未来へつなげる1勝を挙げる。(板津雄志)
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