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【宝塚記念】ディープ一番時計!弔いVだ!
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GI宝塚記念(28日、阪神)の追い切りが24日に行われ、ディープスカイが栗東坂路で4ハロン51秒9の破格の一番時計をマークした。ファン投票1位のウオッカが回避し、1番人気確実だが、四位洋文騎手は「最高のデキ」とVを確信する。ファンの期待、秋の凱旋門賞挑戦の夢、そして22日に急死した父アグネスタキオンの弔い…。様々な思いを担いディープは堂々と頂点を獲りに行く。
急性心不全のため22日に11歳の若さで急死した名種牡馬アグネスタキオン。その遺伝子を受け継いだディープスカイが、弔いVを捧げるとばかりの豪快デモで、“究極の仕上げ”をアピールした。
水曜未明から降り続いた雨は、調教開始の午前6時になっても勢いは衰えない。モニター越しにも雨粒が見え、水分もたっぷり含んだ重い馬場。それもディープには関係なかった。滞在先の札幌から滋賀・栗東まで駆けつけた四位洋文騎手を背に、坂路コースの外ラチ沿いをスイスイと加速。鞍上のアクションにも即座に反応し、4ハロン51秒9-37秒9-12秒7の一番時計だ。手応えは一杯だが、ムチは一発も入っておらず、見た目以上に楽な印象さえ受けた。
昆貢調教師は「一番乗りで走りやすい馬場状態だったとはいえ、本当にいい動きだった。前走より間違いなくいい状態」と高く評価。“八分でも勝てる”と踏んだ前走の安田記念(2着)は、524キロと14キロも馬体が増えていたが、「体重は520キロを切りそうです。そうなるように仕上げてきましたから」とピークの仕上げで臨む。
51秒9の時計は、24日の坂路で追い切った延べ754頭(1頭で2回登坂する例もある)でダントツ。2番目の52秒5(ウォーターバロン)を0秒6も突き放す“超速”ぶり。ラスト1ハロンが12秒台だった馬も22頭しかいない。
宝塚記念は、ここ3年が稍重~重での開催。24日の時点で当日まで雨予報は出ていないが、梅雨時で天候は変わりやすい。稍重までの経験しかないディープに死角はないかと、陣営には馬場に関する質問も飛んだ。
「強い馬に馬場状態は関係ないです」と昆師が言えば、四位も「強い馬はどんなコンディションでも力を出せる」と同じ答えが返ってきた。愛馬の力に全幅の信頼を寄せている証しだ。
「ディープスカイという名前のように、スカッと勝ってほしい。宝塚記念をどういう内容で勝つか、その結果を受けて考えたい」。昆師の視線の先には、10月4日にフランスで行われる世界最高峰レース・凱旋門賞(ロンシャン、GI、芝2400メートル)挑戦がある。
50回を迎えた今年の宝塚記念。ファン投票1位のウオッカは回避したが、ディープ陣営は最高の状態にもっていければ逆転できると確信していた。今回は、そのデキにある。ファンへの感謝はもちろん、突然天国に旅立った父アグネスタキオンの偉大さを世界に知らしめるためにも、強いディープスカイを見せつけるだけだ。(高尾幸司)
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