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第48回新潟記念(2日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝・外2000メートル、1着本賞金4000万円 =出走18頭)ゴール前で横一戦となった大接戦を制して、この夏のヒーローとなった。中団を追走した7番人気トランスワープが、メンバー最速の上がり3ハロン32秒3の末脚で大外から差し切り快勝。函館記念に次ぐ重賞連勝で、サマー2000シリーズ王者に輝いた。タイム1分57秒6(良)。1番人気トーセンラーは中団から伸び切れず、7着に敗れた。
勢い、実力ともに本物だ。函館記念を制しながら、7番人気の評価に甘んじたトランスワープの豪脚がさく裂。粘り込みを図るタッチミーノット以下をゴール前で外から一気にかわして、夏の王者に輝いた。
サマー2000シリーズの最終戦には、実力馬がそろった。それでも、トランスワープを知り尽くす大野拓弥騎手はライバルの動きには目もくれず、道中は折り合いをつけることに専念。前走同様、中団をリズムよく進んで直線勝負に賭けた。
「仕掛けてからの反応が抜群だった」と振り返るように、伸びは圧巻。上がり3ハロン最速の32秒3の切れ味で、先行馬群を呑み込み、突き抜けた。
7歳夏を迎えての本格化。萩原清調教師が「人間でいうなら苦労人」とたとえたように、遠回りの連続だった。体質が弱くて使い込めず、牧場と美浦トレセンを行ったり来たり。素質の芽を摘まないように、関係者は決して焦らず、良化するのをひたすら待った。脚元に負担がかかりやすい大型馬だけに、調整には細心の注意を要した。快進撃の裏にはトレセン、牧場のスタッフの努力とチームワークがあった。
陣営の期待を背に、最後の仕上げを施したのが大野。萩原師から調教とレースの作戦まで任された。「どちらかというとパワー型。速い時計がどうかと思っていたんですが、(末脚が)切れるようになったし、全然問題なかった」と、パートナーの進化に舌を巻いた。
トランスワープは7歳ながら、キャリアはまだ20戦(7勝)。休養期間が長かったので、馬体は若々しい。さらに良くなる余地も残っている。「(サマー2000の)王者として、恥ずかしくない成績を残していきたい」と萩原師が言えば、「相手が強くなっても今の充実ぶりなら」と大野も意気込む。遅咲きのせん馬が、新顔として秋の中距離戦線に一石を投じる。(加藤隆宏)
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