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第46回北九州記念(14日、小倉11R、GIII、3歳上オープン国際特指、ハンデ、芝1200メートル、1着本賞金4000万円、サマースプリントシリーズ第3戦 =出走16頭)北村友一騎乗の8番人気トウカイミステリーが直線で外から鮮やかに差し切って、重賞初Vを成し遂げた。タイム1分7秒2(良)。次走はセントウルS(9月11日、阪神、GII、芝1200メートル)。サマースプリントシリーズ最終戦で、逆転優勝を目指す。2着に2番人気エーシンリジル、3着が1番人気エーシンヴァーゴウで、牝馬が1~3着を独占した。
曇り空の小倉で強烈な光を放った。ハンデ52キロの5歳牝馬トウカイミステリーがライバルたちをなで斬って、初タイトルをもぎとった。
「反応がよかったですし、しっかり伸びてくれました。追い切りにずっと乗っていたので、クセもつかんでいたし、自信を持って乗りました」
北村友一騎手が会心の騎乗に目を細めた。中団やや後方に位置し、直線で徐々に外へ持ち出してGOサイン。内で粘る人気3頭を横目に、メンバー最速の上がり3ハロン33秒6の末脚で突き抜けた。
「直線は内のエーシン(2頭)をみていて、どこにいるかわからなくなって…。でも、ゴール前で、ピンク帽のトウカイの勝負服がきたときには胸が熱くなりました」
安田隆調教師が興奮した口調で振り返る。騎手時代に91年皐月賞、ダービーを〔8〕枠で制したトウカイテイオーと同じ勝負服と、ピンク色の帽子。「やはりトウカイの勝負服にはピンクが似合います」。95年の厩舎開業以来、“トウカイ”の内村正則オーナーに初めて重賞Vの“恩返し”ができて、心が熱くなった。
もうひとつ感慨深い理由があった。騎手時代は小倉で大活躍し、小倉記念、小倉3歳S(現2歳S)、小倉大賞典は制したが、北九州記念には縁がなかった。「調教師になってから獲ろうと思っていたレース。本当にうれしい」と、トレーナーは声を弾ませた。
トウカイミステリーはサマースプリントシリーズで10点を獲得、函館SSを勝った僚馬カレンチャンと並び2位に浮上した。もしカレンチャンがキーンランドCを勝っても、次走のセントウルS(GIIは1着12点)を勝てば逆転は可能だ。ただし、セントウルSには安田隆行厩舎のエース、ダッシャーゴーゴーが出走予定。“短距離王国”を築き上げる安田隆厩舎の新星が、強い僚馬を相手に次はどんな走りを見せるだろうか。(土井高志)
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