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【皐月賞】オルフェ1冠!3馬身差圧勝
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第71回皐月賞(24日、東京11R、GI、3歳オープン国際、せん馬不可、定量、芝2000メートル、1着賞金9700万円、1~4着にダービー(5月29日、東京、GI、芝2400メートル)の優先出走権=出走18頭)東日本エリアの中央競馬の再開週に、新たなスターが誕生した。東日本大震災の影響で施行が1週延び、ヤエノムテキが優勝した88年以来、23年ぶりに東京競馬場で行われた牡馬クラシックの第1弾は、池添謙一騎乗の4番人気オルフェーヴルが3馬身差の圧勝を収めた。タイム2分0秒6(良)。06年朝日杯FS、09年宝塚記念、有馬記念優勝ドリームジャーニーの全弟が、苦手の左回りを克服。素質を開花させた良血馬は、今後は“1強”としてダービー(5月29日、東京、GI、芝2400メートル)での2冠奪取を目指す。
23年ぶりの東京決戦を制したのは、池添謙一騎手に導かれたオルフェーヴル。全兄のGI3勝ドリームジャーニーに似た強烈な末脚を披露し、3馬身差で牡馬クラシックの1冠目を手にした。
「最後の1ハロンで抜け出した時に、この脚なら誰も追いつかないだろうと思いました。ずっとコンビを組ませてもらっている馬。兄貴が獲れなかったクラシックを獲れて、メチャうれしいです!」
兄弟の主戦を現在務める池添は、GI12勝目で牡馬クラシック初制覇も果たし、笑顔いっぱいだ。兄は牡馬3冠で(8)(5)(5)着。当時はドリームジャーニーに騎乗していなかったが、弟にクラシックを獲らせたい思いは強かっただけに、喜びはひとしおだ。
外枠不利の東京芝2000メートルで(12)番枠。それでも、スタートしてから少しずつ内へ寄せ、向こう正面では内めをスムーズに追走。後続を離して逃げたエイシンオスマンに馬群が迫った4コーナーでは、すでに前を射程圏に。ラスト1ハロンで1頭分のすき間に突っ込むと、メンバー最速の上がり3ハロン34秒2の脚で一瞬にして突き抜けた。
前走のスプリングSを快勝しながら4番人気に甘んじたのは、兄同様、左回りに不安があったからだ。昨年8月、新潟でのデビュー戦を快勝したが、ゴール後の向こう正面で池添を振り落としてしまった。11月に東京の京王杯2歳Sを使ったときも、激しく折り合いを欠き惨敗。そこから立て直しの日々が始まった。
放牧先の滋賀県・ノーザンファームしがらきのスタッフと厩舎が連携して、気性面の矯正に専念。実戦でも池添が折り合いを教え込んだ。その“教育”の成果が、クラシックで結実した。
「よくここまで成長してくれたと思います」。デビューから8カ月間での見事な成長に、自身も初のクラシックVとなった池江寿師はうれしそう。「競馬はブラッドスポーツ。ジャーニーで勉強させられたことが生きました」と感慨深げに振り返った。
「ますます折り合いが大事になりますが、きょうもまだ走り足りないような感じで、潜在能力は本当にすごい馬。無事にさえ行ってくれれば」
この勝利で、池添がオルフェーヴルに寄せる信頼はさらに高まった。過去に東京で行われた皐月賞の優勝馬は、64年シンザン(5冠馬)を筆頭に、63年メイズイ(ダービー)、74年キタノカチドキ(菊花賞)、76年の“天馬”トウショウボーイ、88年ヤエノムテキ(天皇賞・秋)など名馬がズラリ。その偉大な先輩を目指して、池添&オルフェーヴルの名タッグがダービーでの2冠制覇に挑む。(黒田栄一郎)
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