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新王者に死角はない。今年重賞6勝。宝塚記念、天皇賞・秋とGI連勝中のラブリーデイが、絶好のアクションで優勝賞金3億円がかかる“世界”にリーチをかけた。
気温9℃と冬の冷気に包まれた栗東TC。CWコースの向正面に姿を現し、アッシュゴールドを1馬身追いかけた。折り合いは実にスムーズ。4Fから徐々にペースを上げ、直線で内からピッタリと馬体を合わせた。
ハイライトはゴール前だ。天皇賞時は半馬身遅れたが、けさはエンジンの違いを誇示するようにグッと前に出てクビ先着。夜半過ぎまでの雨で渋った馬場も苦にせず、馬なりでラスト1F12秒6をマークした。隆々と盛り上がった筋肉は勇者ヘラクレスを思わせる。
「何の問題もありません。秋2戦したし、変則日程なので時計はゆったり。先週もいい雰囲気で動けたし、京都大賞典のときよりも気合が入っているけど、力んでいるわけではない。キャンターでは落ち着いているし、動きたいときに動ける感じです」と、騎乗した川田騎手は納得の表情だ。
池江調教師も「変則日程でサッと流すだけだったが、お釣りを残して、いい状態で向かえる。ひと夏越し肉体面、精神面とも変わった」と状態に自信。23日にも坂路4F55秒9、ラスト1F12秒6で駆け上がり、これ以上はない仕上がりだ。
「前をつぶして後ろも封じ込めるいい競馬」とトレーナーが胸を張る天皇賞Vを経て、今回は400メートル延長がカギだが、「対応できるよう組み立てたい。一番いい結果だけを得られるように頑張りたい」とジョッキー。もとより昨年、同舞台のメトロポリタンSをV。京都大賞典でも圧倒的な勝ちっぷりを見せているのだから、ことさら心配する必要はないだろう。
今年の凱旋門賞に日本馬が参戦せず、「ヨーロッパで今の日本馬は弱いと言われているが、強さを見せたい」と指揮官。そのために“最強”の力で勝ち切るだけだ。(夕刊フジ)
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