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中央競馬ニュース
【クイーンズウォーク】
強さと脆さが同居する馬を狙い撃ちするのは難しい。
上手くタイミングが合えば連続して美味しい配当を届けてくれるが、狙った時に凡走を続けられ、「もういいか……」と狙いを外した時に好走されるという、悲しいすれ違いが発生することも多々ある。
今回取り上げるクイーンズウォークは、正にそうした存在だ。
デビュー時から大きな期待を集め、昨年の牝馬クラシックでも常に上位人気に名を連ねていたが、桜花賞、オークス、秋華賞と大本番ではいずれも凡走。年が明けても牝馬限定戦の小倉牝馬Ｓで人気を背負って崩れるなど、頼りない面が目立つ。
だが一方で、ローズＳでは後の有馬記念馬レガレイラ斬りを果たし、前走の金鯱賞ではホウオウビスケッツをはじめとした強力牡馬勢に完勝。その気になれば大物喰いができるだけの実力を示している。
こうした陰と陽を抱えた状態で再度臨むG1の舞台。ここでの本馬の評価はどうするのが正解なのだろうか。いつも通りに各要素から考えていきたい。
まず指数面だが、勝ち切っている時の数字はさすがの水準。特にローズＳと金鯱賞における指数は優秀で、本馬が下したレガレイラやホウオウビスケッツはその後もG1レベルの指数を刻み続けている。単純に強い相手を正攻法で抑えたという点は評価すべきだろう。
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ただ引っかかるのは、この2戦がともに”中京2000m”であるという点だ。
筆者の体感ではあるが、中京コースは他場とは一線を画す独特のレイアウトであるためか、そこでの高指数が他場においてあまりアテにならないことが多いように思える。
特に本馬は中京以外における指数がそれほど高いものではなく、今回と同舞台であるクイーンＣの指数も例年並程度の数字だった。
ローズＳ、金鯱賞で示した走りが能力の高さによるものであればここでも上位進出が可能なレベルにあると言えるが、中京に特化した適性ゆえの数字だったならば疑ってかかる必要があるかもしれない。
だが、本馬が東京を走ったのは3歳春が最後で、クイーンＣを勝ち切り、オークスでは前崩れの流れを早め先頭という見せ場たっぷりの走りを見せているので、悪い舞台であるようには感じない。当時から成長を見せている現在ならば、中京に匹敵する走りを披露する可能性もあるように思えるのだ。
3歳春の時点では陣営が”マイルは短い”という雰囲気を発していた本馬だが、母のウェイヴェルアベニューはダート1400mのG1ホースで、半兄のグレナディアガーズも1400mがベストだった馬。
こうしたスピード優勢の母系を持つキズナ牝馬はマイル前後に高い適性を示す馬が多いので、距離短縮はそう問題にはならないように感じる。本馬に関しては距離云々よりも大きなフットワークを活かすことのほうが重要な要素だと思われるので、広いコースというのもいいだろう。
あとは状態面がどうなるか。
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昨秋のローズＳ→秋華賞というローテでは、中間にテンションが上がりやすい状態になってしまい、秋華賞の最終追い切りでは陣営のトーンが明らかに低くなるほど心身のバランスが乱れていた。
叩き良化型というよりはフレッシュな状態のほうが走れるタイプであるように映るので、2ヶ月ぶりというレース間隔自体は好感が持てるものの、1週前追い切りが金鯱賞時に比べかなり軽い内容だったのは気になるところ。
既にある程度仕上がっていると見るか、テンションの上がりすぎを防ぐ内容なのか、どこかに不安材料があるのか、見方によって評価が大きく分かれるだけに難しい。
思えば半兄のグレナディアガーズも、連対の大半は”1400m”か”阪神コース”だった馬。それ以外の距離、舞台では良くて3着で、全く見せ場なく惨敗することも多かった。
本馬の凸凹とした戦績は兄に良く似ていると思えるだけに、”1600m”と”東京コース”がフィットするのかどうかが結果を大きく左右しそう。
筆者としては”好走の可能性アリ”と感じてはいるが、執筆時点ではまだ断言できるほどのピースが揃っていない。レース発走まであと数日、様々な角度から熟考して結論を出したいと思っている。
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