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【阪神大賞典2025】キーホース診断 相手なりの特性はここでも健在? 3000m級レース初挑戦のヴェローチェエラを考える

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【阪神大賞典2025】キーホース診断 相手なりの特性はここでも健在? 3000m級レース初挑戦のヴェローチェエラを考える

ヴェローチェエラ

自分のほうが強くても僅差。相手が格上でも僅差。

そんな”相手なりに走る”馬はいつの時代にも存在する。


今年の阪神大賞典において、筆者がそうした存在ではないかと睨んでいるのがヴェローチェエラだ。


デビューから常に崩れることなく走り続け、昨年まで7戦連続で馬券圏内を確保。年明け初戦の日経新春杯において初めて圏外となったが、それでも強敵に混じって4着。改めてその堅実さを印象付けた。

今回が初の3000m級レースへの挑戦となるが、本職のステイヤーが多く集まる中でも同様のパフォーマンスを発揮できるのだろうか。いつも通りに各要素から評価を定めていきたい。


まず指数面だが、冒頭に”相手なり”と記したのはこの指数の出方が非常に特殊な馬だからだ。

いわゆる”シンプルに強い馬”は下級条件から自身の力を誇示するように高い数字を刻んでいくものだが、本馬の場合は真逆。これまで未勝利~3勝クラスまでで挙げた4勝は、指数レベルとしては極めて低い。各クラスを勝ち上がれるギリギリの水準の指数しか刻めていないのだ。

かと言って弱い馬なのかというとそうではなく、3歳時の京都新聞杯、そして前走の日経新春杯と、重賞のメンバーに混じるとしっかり重賞通用級の数字を刻んでいる。日経新春杯は勝ったロードデルレイにこそ離されたが、今回も一緒に走る2着馬ショウナンラプンタとは0秒2差。それ以前のレースでも、勝つ時も負ける時も着差は見事に0秒1~0秒3差の間。相手のレベルに応じて自身のパフォーマンスが上下しているように思える。

それゆえ本質的な強さがどの水準なのか、本馬に関しては非常に掴みづらい。

日経新春杯レベルの走りができれば今回も圏内が意識できるだろうし、条件馬時代のパフォーマンスが本質ならば明らかに足りない。少なくとも抜けて強いということはなさそうで、1着付け向きではなく連軸向きのタイプと言えるだろう。


血統面も難解だ。


本馬の父リアルスティール菊花賞2着馬だが、1800mのドバイターフ勝ちが印象的なように、あくまで適性は中距離がベストと思える馬だった。

産駒も父同様幅広い距離で結果を残しているが、2500~2600mのレースだと他距離よりも数字を落としているし、3000m級のレースに至っては出走例がない。

母系も母系で、母父デインヒルダンサーは欧州のスプリンター。種牡馬としては様々なタイプの馬を出しているが、2000m前後をこなす産駒は比率的に少なく、スプリンターやマイラーが多いというイメージだ。

母のイプスウィッチは2000mの重賞好走がある馬だったが、産駒のアゼルスタンやオックスリップはいずれも1200m戦で勝ち星を挙げた。それぞれ父がドゥラメンテサトノダイヤモンドと、明らかに中長距離型の血統だったにも関わらずスプリンターが出たというのは、母父の影響を感じざるを得ない。

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その中で突如距離をこなすタイプとして生まれた本馬は、やや異質な存在。

レースを見ても道中の折り合いに苦労するようなシーンは非常に少なく、気性面では長距離をこなすだけの資質は備えているものの、3000m級のレースともなると、その特殊な条件ゆえに血統的な資質が求められる部分も多くなる。これまで走った最長距離である2600mからさらに距離が延び、直線も急坂が待ち構える阪神でどれだけ末脚を発揮できるか。母系の血が抱えていそうな”距離の壁”の克服が好走条件になってきそうだ。


調教面に関しては、猛時計を出していた昨秋のような雰囲気はないものの、コース追いで本数をこなし、終いの時計も及第点。前走と同等くらいの状態にあると思われる。

同期のショウナンラプンタサンライズアースだけでなく、ブローザホーンワープスピードゴールデンスナップといった適性上位の馬もおり、”相手なり”が信条の本馬には不足のない相手関係。ここに混じってどこまで上位に食い込んでくるか、本馬の今後の進路や評価を大きく左右する一戦になりそうだ。




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