中央競馬ニュース

【霧プロの重賞レースおさらい帳】ヴィクトリアマイル2023 本職2頭の適性際立つ 明暗分かれた4歳勢の今後は?

 0   6   906
シェアする  x facebook LINEで送る
【霧プロの重賞レースおさらい帳】ヴィクトリアマイル2023 本職2頭の適性際立つ 明暗分かれた4歳勢の今後は?


既に東京マイルのG1で実績を残していたソダシソングライン、昨年の牝馬クラシックを沸かせたスターズオンアーススタニングローズナミュールらが参戦。近年の当レースの中では、最も好メンバーが揃った一戦となった。
スターズオンアース大阪杯で、ナミュール東京新聞杯で、それぞれ好結果を残したこともあってか、どことなく4歳勢優勢な空気が漂っていた中、彼女らをまとめて抑え、ワンツーを決めたのは5歳のソングラインソダシ。4着にも5歳のディヴィーナが入り、世代間で明暗が分かれる結果となった。

勝ったソングラインは、サウジの1351ターフスプリントで惨敗後の一戦。
昨秋は疾病によってブリーダーズカップ遠征が取り止めになった経緯もあり、悪い流れを引きずっていないか……という半信半疑な感情が、4番人気という微妙なオッズに表れていたように思う。
しかし、レースで見せた鋭い決め脚は、これぞソングラインと思わせるもの。調教の動きも活気のあるものだったが、実戦でもこれだけ走れれば完全に立て直し成ったと判断していいだろう。
同時に、道中の無理のない追走具合から、本馬はやはり生粋のマイラーであると感じた。スプリント路線のレースも経験しているものの、1200〜1400mでは道中のリズムがどうにも悪い。適性がよりはっきりとした一戦だったと言える。

2着のソダシはいつも通りの軽快な先行策からの粘り込み。
1コーナーの入りで他馬に迷惑を掛ける形になってしまったのは残念だったが、馬自身は現状の力をしっかりと発揮しているように思う。今後もマイル近辺の距離ならば大崩れはしないだろう。
しかし、”勝ち星”を重ねてきた2〜3歳時、そして昨春までと比べ、ここに来て”惜敗”が増えてきたのは気になるところ。刻んでいるレースレベルからは衰えこそ全く感じないが、もう一段上への成長はなく、高位安定しているという印象。元よりある程度の完成度を維持していくタイプの血統構成でもあり、勝ち切るまでに至るには、展開や相手関係に注文が付くようになってきたかもしれない。

3着のスターズオンアースはマイルに転じて好位確保するという意外な戦法。
近走のスタートや序盤で見せていたもっさり感を見せなかったのは収穫だが、少ないロスで回ってきた割にはジリジリとした伸びに留まった。現状ではやはり中距離以上でしっかり脚を溜める形の方が合っているように感じるし、今回は適性差分だけ負けたという印象だ。


4着のディヴィーナは久々にスムーズな折り合いとレース運びで、本来の伸び脚を発揮。
母が当レースの勝ち馬であるヴィルシーナということで、血も騒いだのかもしれないが、今回のメンバーでこれだけ走れたのは大きな収穫。馬格がなく、依然気性面でも難しいところを秘めているだけに、コンスタントに好走するタイプではないかもしれないが、今後も牝馬重賞路線で無視できない存在となりそうだ。

2番人気に推されていたナミュールは、ゴチャ付いた1コーナーで挟まれ、接触もして、一列後方に下げざるを得ない形に。最も大きな不利を被ることになってしまった。直線も進路を確保するまでに時間を要しており、鞍上もやや諦め気味。全てが上手くいかなったという印象が強い。
同期の秋華賞スタニングローズも、珍しく出負け気味のスタートだったことに加え、道中も他馬の動きの影響で更に後方へ下げざるを得なくなるシーンがあった。直線はそこそこ伸びていただけに、本来の好位からの競馬ができていれば、もう少し着順が上向いた可能性もあるだろう。
この2頭に関しては、今回だけで”一線級とは差がある”と判断するのはまだ早い印象。マイル〜2000mのレースならば、また狙っていけるタイミングがありそう。

その他の4歳勢では、ナムラクレアははっきりと距離に限界を見せた。こちらはスプリント路線に専念してくる可能性が高いだろうし、そこでなら主役を張れる器。

サウンドビバーチェは最後伸びて5着には来たものの、勝負どころでの反応が極めて悪く、そのような状態で盛り返して伸びて来る辺りにかなりの難しさを感じる。調教の動きからも肉体面の成長は凄まじいが、気性面がそこに噛み合ってくるかが今後の課題と言えそうだ。


○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

霧プロの最新予想ページはこちら
※週末の枠順発表までは直前週結果ページへ遷移します。

この記事はいかがでしたか?
ナイス (6)

このニュースへのコメント

コメントはありません。

関連競馬ニュース

新着競馬ニュース

人気競馬ニュース

会員登録(無料)でできること

レース情報

今週の注目レース

4月28日()
天皇賞(春) G1
4月27日()
青葉賞 G2
ユニコーンS G3

⇒今週の番組表へ

先週のレース結果

4月21日()
マイラーズC G2
フローラS G2
4月20日()
福島牝馬S G3

⇒先週の番組表へ

総賞金ランキング
JRA競走馬総賞金ランキング
4歳以上
1 ドウデュース 牡5
102,726万円
2 スターズオンアース 牝5
84,098万円
3 リバティアイランド 牝4
74,444万円
4 ディープボンド 牡7
67,569万円
5 ジャスティンパレス 牡5
65,388万円
6 シャフリヤール 牡6
59,685万円
7 タスティエーラ 牡4
57,005万円
8 セリフォス 牡5
49,313万円
9 ジャックドール 牡6
49,004万円
10 ソールオリエンス 牡4
48,668万円
» もっと見る

3歳
1 ジャスティンミラノ 牡3
27,482万円
2 ステレンボッシュ 牝3
21,547万円
3 ジャンタルマンタル 牡3
18,666万円
4 アスコリピチェーノ 牝3
16,854万円
5 コスモキュランダ 牡3
15,392万円
6 シンエンペラー 牡3
11,128万円
7 コラソンビート 牝3
9,942万円
8 エトヴプレ 牝3
9,644万円
9 スウィープフィート 牝3
9,386万円
10 レガレイラ 牝3
8,278万円
» もっと見る