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【逃げ馬の作る展開から勝ち馬を見極める】ヴィクトリアマイル2023 なぜミナレットは激走できたのか? 大波乱の2015年を検証すると狙いは明確!
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先週のNHKマイルCは、◎のオオバンブルマイが3着に走り、私には珍しく3連複万馬券を的中できた。
ただ、この連載をはじめてから、2週連続まともに当てた記憶はないので、なんとか今週もお役に立ちたい。
今年は、マイルが適距離の馬だけでなく、スプリントや中距離を含め、現役トップクラスがこぞって参戦。見る分には楽しみだが、予想するには難しい。
過去10年、逃げた馬の成績は【1-0-1-8】。
直線の長い東京だけに、好走率では苦戦しているものの、その内訳は特筆すべき。
2014年に11人気のヴィルシーナが1着、そしてヴィクトリアマイルの逃げ馬といえば、なんといってもミナレットだ。
ヴィルシーナが激走した翌2015年、18人気ながら3着に粘り込み、3連単は2070万5810円。大波乱の立役者となった。
で、この記事の趣旨に沿い、逃げ馬の作る展開に注目しつつ、直近のヴィクトリアマイルを見ていると、どうもミナレット的なるものが、勝敗の鍵を握っているように思う。
それが何かを言い当てる前に、コース形態を確認しておく。
スタートは向こう正面の奥。先行争いは緩やかな下りで行われる。
3角手前には上り坂があり、コーナリングは下りながらなので、息を入れにくい。東京マイルが、中距離よりのスタミナが必要と評されるのはこの部分が大きいだろう。
525mの直線には、高低差約2mほどの上り坂がある。
直近3年のヴィクトリアマイルは、コンディションに多少の差はあるものの、いずれも良馬場発表のなか行われ、どの年も良好な馬場のG1にしては緩めのペースになった。
しかし、2020年と2022年が先行決着だった一方、2021年は差し決着。3着以内へ好走した9頭の4角位置取りは以下のとおり。
2020年
1着アーモンドアイ 4角4番手
2着サウンドキアラ 4角3番手
3着ノームコア 4角6番手
2021年
1着グランアレグリア 4角10番手
2着ランブリングアレー 4角10番手
3着マジックキャッスル 4角7番手
2022年
1着ソダシ 4角4番手
2着ファインルージュ 4角6番手
3着レシステンシア 4角2番手
ここで、大波乱の2015年に話を戻すと、この年も速い時計の出る馬場。ミナレットは8枠18番から、後続を離して逃げ、粘り込みを決めた。
大逃げの形ながら、高速馬場のマイルG1にしては苦しいペースではなく、苦しいペースでないにも関わらず馬群は縦長。
こうなると、控えた馬は物理的に厳しい。上がり3ハロン最速32秒8の脚を使ったディアデラマドレは4角14番手から7着まで。反対に、掲示板の5頭は4角6番手以内。
逃げ馬が作ったペースと隊列により、前に位置取ったことが結果に直結したと考えられる。
そして、2015年と同型、つまり緩めのペースなのに隊列は縦長のレースが、上に挙げた2020年と2022年になる。
2020年はトロワゼトワル(12番人気4着)、2022年はローザノワール(18番人気4着)が、後続を離す形の逃げを打つ。飛ばす馬がいると、ペースが速いと錯覚しがちになるものの、実際のところ緩い。前が楽なのに馬群は縦長なので、差しが利かない。
反対に、差しの決まった2021年は、逃げたクリスティのリードが小さく、馬群は直近3年で最も凝縮していて、前にいるアドバンテージがあまりない。
そのため、位置取りよりも、瞬発力の高さが結果に直結したと考えられる。
判断材料が揃ったので、今年の登録馬を検討する。逃げ馬らしい逃げ馬は見当たらない。少なくとも、ミナレット的なるものはいない。
距離延長で参戦する、先行力のある馬はやや臭いが、2021年のレースの型を想定したい。
位置取りより、瞬発力を重視する。
◎ナミュール。マイル戦の赤松賞と阪神JFで見せた鬼脚は忘れがたい。前走の東京新聞杯は、前残りの馬場のなか位置を取りに行く競馬で2着。個人的には溜めてほしいが、脚質に自在性が加わりどのような展開でも着内は堅いとみる。
○スターズオンアース。前走は牡馬混合のG1大阪杯で2着と、能力最上位の存在。マイルへの短縮が鍵も、追走が楽になる緩いペースは良く、逃げ馬不在の組み合わせは追い風。一連のレース内容をみれば、当然有力。
▲ルージュスティリア。前走の阪神牝馬Sは1番人気6着も、折り合いに苦労し、直線接触で度外視可能。G1のペースで多頭数だと、これまでより後ろの位置取りになりそうだが、ディープ産駒の瞬発力を信頼。
馬券は◎の単複。◎から○▲への馬連・ワイド。
(文・垣本大樹)
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