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【弥生賞ディープインパクト記念】タスティエーラが父子制覇 クラシック路線の主役に名乗り出る
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3番人気で松山弘平(33)=栗東・フリー=騎乗のタスティエーラが、好位から早めに動いてゴール前の叩き合いを制し、重賞初勝利を決めた。堀厩舎と松山騎手のコンビは中山記念(ヒシイグアス)に続く、2週連続重賞V。父サトノクラウンも勝ったレースで、産駒の重賞初勝利となった。2着の1番人気トップナイフ、3着ワンダイレクトまでが皐月賞(4月16日、中山、GⅠ、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
まだ冷たい風が吹く中山に、春の主役が到来した。タスティエーラが共同通信杯4着の雪辱を果たして重賞初勝利。父サトノクラウンに続く、父子での弥生賞制覇を決め、皐月賞の優先出走権を手に入れた。
「動ける位置で自分から勝ちに行く競馬をしたのですが、馬がしっかりと応えてくれて強い競馬をしてくれました」
中山記念のヒシイグアスに続き、堀厩舎とのタッグで2週連続重賞Vとなった松山騎手が頬を緩ませた。スタートを決めて4番手を追走。1000メートル通過61秒0とスローペースだったが、「折り合いがつきましたし、リズム良く運べました」とジョッキーはラストまで伸びることを確信していた。3コーナーで早めに仕掛けると、馬もそれに呼応して直線入り口では先頭へ。内と外からライバルが迫ってきたが、危なげなく押し切った。
馬主のキャロットファーム・秋田博章代表は、その強さに、「この馬はビュッと切れるというより、長くいい脚を使うタイプ。力があるなと思ったし、恐らくもう1、2ハロン長くても抜かれないだろうね」と舌を巻いた。
新馬戦の勝ちっぷりや調教での動きが評判を呼び、前走の共同通信杯では2番人気に支持されたが、結果は4着。何としてでもクラシックへ参戦するべく中2週の強行軍だった。秋田代表は「最終目標は日本ダービー。皐月賞に出るかどうかは馬の状態次第です」と話すに留めたが、混沌(こんとん)とする牡馬のクラシック路線に新たな主役が現れたことは間違いない。父サトノクラウンは香港ヴァーズと宝塚記念を勝ったが、クラシックでは同厩舎にドゥラメンテという強敵がいたため、皐月賞6着、日本ダービーでは3着。それから8年の時を経て、孝行息子が父の無念を晴らしてみせる。
■タスティエーラ 父サトノクラウン、母パルティトゥーラ、母の父マンハッタンカフェ。鹿毛の牡3歳。美浦・堀宣行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム。戦績3戦2勝。獲得賞金6772万8000円。重賞は初勝利。弥生賞ディープインパクト記念は堀宣行調教師が2015年サトノクラウンに次いで2勝目。松山弘平騎手は初勝利。馬名は「(楽器の)キーボード(伊)。母名より連想」。
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