まだウマニティ会員ではない方へ
会員登録(無料)するだけで、予想的中に役立つさまざまなサービスを無料で利用できます。
収支100万円超えの猛者がズラリ
全国トップ予想家たちの予想閲覧
予想に必携の高精度スピード指数
「U指数」を重賞で全頭公開
勝率40%超えを誇る堅軸候補
「凄馬」をメールでお知らせ
TVでも紹介!設定は10万通り以上
あなただけの予想ロボが作れる
この他にも20以上のサービスを無料で提供!
【中央重賞懐古的回顧】2001年フェブラリーS 癒しブーム期に現れた!ノボトゥルーと脱力系実力派集団ノボ軍団
613
4
0
週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第59回は2001年のフェブラリーS優勝馬ノボトゥルーを取り上げる。
「ノボ」が勃興した頃である1999年、この日本を覆っていたのは不景気と終末観の相まった絶望感であった。それに呼応したかのように世間で話題になった単語が「癒し(系)」。坂本龍一の『ウラBTTB』がバカ売れし、脱力系キャラ・たれぱんだが学生の文房具に氾濫。そして井川遥や釈由美子といった癒し系アイドルが世間を席巻することで、世に言う「癒しブーム」を形成したのだ。私自身の認識としては、ノボマーチャン、ノボママ、ノボオヤジなどどこか脱力感を伴った馬名を持つノボ軍団もその一環として捉えていたフシがある。
競馬界のニューウェーブとして登場したノボ軍団。その中のノボトゥルーが2001年に根岸SとフェブラリーSを連勝し、一足飛びにスターダムへとのし上がったことで知名度は最高潮に達した。彼が制したG1・フェブラリーSは当時世界最高の名手であったオリビエ・ペリエ騎手が鞍上だったこともあり、後のゼンノロブロイの活躍などと同様に“ペリエマジック”の一つとしてもっぱら世間に受け取られて、馬自身の印象が薄くなった感は否めなかったが…。
この頃の本邦のダート戦線はメイセイオペラとアブクマポーロの地方二大巨頭が去り、第1回ジャパンCダートを制覇したばかりのウイングアローが王座に就いていた。だからこそフェブラリーSにてノボトゥルーが王者を真っ向勝負で下したことは価値があったはずなのだが、ノボトゥルー自身が新王者として認識されることはあまりなかったように記憶している。それは鞍上の印象が強すぎたこともそうだし、帝王賞や東京大賞典といった王道路線は距離が長いと懸念されていたことが大きかったのかもしれない。実際ノボトゥルーは2000m以上の距離の重賞では活躍できなかった。
7歳を迎えた2003年以降のノボトゥルーは日本各地の交流重賞を転戦し、僚馬ノボジャックとともに「ノボ・ノボ」コンビとして人口に膾炙した。2003年の高知・黒船賞では2騎によるノボワンツー(馬名ではない)も達成している。そして2004年いっぱいでノボジャックが引退した後も1つ年上のノボトゥルーは走り続けた。これは今現在よりもダート馬の種牡馬としての価値が軽かったことに加えて、ノボジャックと比較して早熟性が見込めないことが大きかったのだろう。父系が世界的に貴重な異系である点や、母ナスティークがG1馬であるという点は売りにならなかった。
2008年2月にノボトゥルーが引退を発表した頃には、ノボ軍団は馬主自身の不祥事もあって規模を縮小し、往時の勢いからはほど遠くなっていた。そして彼が走った宇都宮競馬場や高崎競馬場はすでになく、12歳のノボトゥルーを求める生産界の声も少なかった。世紀末の癒しブーム期に突如登場し、ペリエ騎手の手腕でG1ウイナーに上り詰め、その金看板を背負って全国各地で奮闘したノボトゥルー。色物扱いであったノボ軍団を実力派集団へと昇華させた彼だが、種牡馬としてノボジャックのようには上手くいかず、今ではほぼ“時代の徒花”扱いなのは寂しいことである。
ノボトゥルー
牡 鹿毛 1996年生
父Broad Brush 母Nastique 母父Naskra
競走成績:中央39戦7勝 地方48戦4勝 海外1戦0勝
主な勝ち鞍:フェブラリーS 根岸S さきたま杯 兵庫ゴールドT とちぎマロニエC(2回)
(文:古橋うなぎ)
コメント投稿
コメントの投稿は会員登録(無料)が必要です。レース情報
最新注目競走馬
総賞金ランキング |
|