まだウマニティ会員ではない方へ
会員登録(無料)するだけで、予想的中に役立つさまざまなサービスを無料で利用できます。
収支100万円超えの猛者がズラリ
全国トップ予想家たちの予想閲覧
予想に必携の高精度スピード指数
「U指数」を重賞で全頭公開
勝率40%超えを誇る堅軸候補
「凄馬」をメールでお知らせ
TVでも紹介!設定は10万通り以上
あなただけの予想ロボが作れる
この他にも20以上のサービスを無料で提供!
週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第56回は2007年の共同通信杯優勝馬フサイチホウオーを取り上げる。
ウオッカが制した2007年の日本ダービーの1番人気と言えばフサイチホウオーである。後世には「イケてないダービー1番人気馬」という文脈で語られがちな彼だが、3歳春の期待感は絶大なものがあった。
私的な話。筆者の知人に国内外の競馬にとても詳しい方がいらっしゃったのだが、その方は「何故日本ダービーでフサイチホウオーが圧倒的1番人気に推されたのか」というようなことを常々仰っていた。私はその要因について思案し、箇条書きで私見を述べた。概要はこうだ
①父親の2001年の日本ダービー馬ジャングルポケットをなぞるローテーションを辿り、その父を上回る成績を残していたこと
②当時はジャングルポケットの種牡馬としての傾向や評価がまだ固まっておらず、自身と同様に府中を得意とする産駒を生み出すだろうと考えられていたこと
③3着に終わった皐月賞の負け方が絶妙であり、東京開催のダービーへ向けて伸びしろを感じさせたこと
④主戦の安藤勝己騎手が「ホウオーにはもう1つ上のギアがある」と発言しており、僅差負けの皐月賞以上の内容が期待されたこと(言うなればブラックタイド現象)
⑤行った行った決着の皐月賞を制したヴィクトリーをはじめとして、この世代の牡馬は層が薄いとみられていたこと(消去法的判断)
⑥桜花賞で敗れた上でダービーに参戦したウオッカの存在について、当時は府中巧者というイメージもなく、ビワハイジなど牝馬参戦の歴史に照らし合わせて軽く扱う向きが識者の中でも大勢だったこと
これら計6点をずらずらと知人に説いたのだが、どうも説得力に欠けたのか納得してもらえなかったようであった。その知人とは現在親交がないため、考えを変えたかどうかは不明である。
2007年の共同通信杯の内容は、フサイチホウオーに対する競馬ファンの“幻想”を強化するのに一役買った。初顔合わせのディープインパクトの半弟ニュービギニングの他、朝日杯FS4着馬フライングアップルや船橋の大物フリオーソといった多彩な面々を向こうに回しながら、伸びやかな末脚でダイレクトキャッチ以下をクビ差抑え込んだレースぶりは着差以上の強さを誇示したと言って良かった。後から考えるとフサイチホウオーには時計面の裏付けがなく、重賞3連勝における着差という意味でも物足りなかったのだが、逆に言えば未完成であるが故に日本ダービーでの伸びしろを見込んだファンは多かったのだと思う。
1995年の皐月賞におけるダイタクテイオーは有名だし、最近だと2021年の菊花賞のレッドジェネシス辺りもそうだが、後々振り返ると「?」と思うような1番人気馬というのは今も昔も一定数存在する。しかしリアルタイムで考えれば、それらにも消去法なり血統的裏付けなり人的背景なりオカルトなりといった理由付けがなされているものだ。そして競馬ファンが100人いれば100通りの“競馬私史”がある。私はこれらの思いを大切にしつつ、浅学な自分が考える日本競馬の私史を綴っていく次第である。
フサイチホウオー
牡 鹿毛 2004年生
父ジャングルポケット 母アドマイヤサンデー 母父サンデーサイレンス
競走成績:中央11戦4勝
主な勝ち鞍:共同通信杯 ラジオNIKKEI杯2歳S 東スポ杯2歳S
(文:古橋うなぎ)
コメント投稿
コメントの投稿は会員登録(無料)が必要です。レース情報
最新注目競走馬
総賞金ランキング |
|