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【格言から探る勝ち馬予想】中日新聞杯2022「格下重賞はG1大敗と前走1番人気裏切り馬」
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岩の様な巨体に、丸太のごとく太い腕の男が、鬼の形相で睨む。そこに額をガッチリつけて睨み返すのは、腕こそ鍛えて筋肉隆々だが、色白で、クリクリした瞳に天然パーマの、どこか愛嬌すら感じる小柄な男。喧嘩をしたら確実に負けそうな小男の方が啖呵（たんか）を切る。
「何だよ！？…やんのか？コラ…上等だよ！やるか？…痛ぇ目にあうぜ…？」
やや間を置いて、小男はこう続ける。「…俺が。」
その瞬間どっと笑いが起こり、さっきまで鬼の形相だった岩男もクシャクシャに顔を崩して笑い出す。
大学時代のアルバイト先での光景だ。ドーナツ屋の深夜スタッフ、家庭教師、選挙事務所の応援、裁判のくじ引き、テレフォンアポインター、引越しの手伝いなどアルバイトは沢山やったが、その一つに「宅配便の仕分け作業」というのがあり、仕分け工場でアイドル的存在だったのがS先輩だった。大泉洋さんそっくりの顔で、仕事は超真面目。小さな体にも関わらずテキパキとよく動き、とにかくひょうきんで人を笑わせるのが好きだった。
私を含めて新人に対しては手取り足取り何でも教えてくれる上に、現場では指示やアドバイスをテキパキ出す“頼れるリーダー”だったが、自分より立場が上の先輩に対してはいつもペコペコしていた。冒頭のやり取りの様にひょうきんな性格に任せて、時々ふざけて先輩に口答えすることがあっても、最後は必ず笑いに変えてしまう。天才と言っても過言ではないムードメーカーだった。
このSさんの口癖だったのが「長い物には巻かれろ」だ。現場を時々回ってくる係長を見ると、Sさんは必ず直立不動で敬礼する。何を言われても「ハイ！リーダー！！」「ハイ！リーダー！！」と答え、見ているこちらまで可笑しくなるほどだった。力はあっても格上には絶対逆らわない。そんな先輩だったが、S先輩、今も元気にしているだろうか…。（笑）
さて、「格上には逆らわない」と言えば競走馬にもそんな馬がいて、そういう馬専用の格言が存在する。今週メインの中日新聞杯は「逆らわない馬」の格言で勝ち馬に迫ってみたい。
曰く、「格下重賞はG1大敗と前走1番人気裏切り馬」。
中日新聞杯は、実施時期が年末に戻った2017年からの5年間、3着以内馬の前走状況を調べてみると、15頭中9頭の60％が格言に“概ね”当てはまる。1番人気ではなく、3番人気以内で着外に敗れているという馬が3頭いるのだが、これを誤差範囲として認めるのならば、60％の9頭は前走G1で大敗しているか、人気を裏切って負けている馬なのだ。
登録馬で格言に該当する馬は、わずか3頭。バジオウ、アスクワイルドモア、キラーアビリティだ。ここは素直にキラーアビリティから入って良いのではないだろうか。ホープフルステークス1着、ダービー6着はここでは明らかに格上で、全連対実績が1800～2000mに集中しているのも好材料だ。逆らえばきっと痛い目にあうことだろう。もちろん、私が…（笑）
（文：のら~り）
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