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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第38回は2012年の中日新聞杯優勝馬スマートギアを取り上げる。
2010年春に着工して2012年1月に改修工事が終了した中京競馬場。メインスタンド「ペガサス」が新たにお目見えしたほか、それまで平坦だった直線が延伸された上で急坂が設けられた。現在に続くタフなコース設定がここに完成したわけである。また、その際路盤も改修されたらしく、新装開店してしばらくは水捌けの悪い、とても時計の掛かる馬場条件でレースが展開された。それを象徴するように、カレンチャンが制した2012年の高松宮記念の勝ち時計は良馬場ながら1分10秒3であった。
同年3月4日に行われたG3・中日新聞杯は新生中京競馬場最初の重賞競走である。「こけら落とし興行」とも呼ぶべきこのレースでは、ディープインパクトの初年度産駒としてラジオNIKKEI杯2歳S勝ちや皐月賞3着など重賞で健闘を続けていたダノンバラードや、前年暮れの小倉で施行された中日新聞杯を制してここで変則連覇を狙うコスモファントムが中心視された。4歳馬から9歳馬までが轡を並べるメンバーの中に、7歳馬のスマートギアはいた。
スマートギアは4年前のG1・菊花賞で4着、また3年前の京都大賞典など重賞2着が4回ある実績馬。中距離戦線の安定勢力として知られた存在であり、複数回上がり32秒台の時計をマークするなど後方から確実に脚を伸ばす馬ながら勝ち味に遅く、前走の小倉大賞典においても逃げたエーシンジーラインを捕まえきれずクビ差2着で初重賞制覇を逃していた。鞍上にはその前走から手綱を取る松山弘平騎手。3日前に22歳を迎えたばかりの同騎手もまだ重賞勝ちの機会に恵まれていなかった。
ここまで後方待機からの直線一気を身上としていたスマートギアだが、いつもより気持ち前で勝負した前走が契機となったか今回も道中6、7番手で構えた。エーシンジーラインが先導する流れは前半5ハロン62秒6と緩い。これは新しい中京コースで皆仕掛けどころを見定めていたのだろう。時計の掛かる丈の長い緑の芝、ヨーイドンの流れ、そして地力の問われるコースと好条件がいくつも揃ったことで、この7歳牡馬は直線で抜群の脚を見せた。外を回って坂を一気に駆け上がり、残り200mほどで逃げ馬を捉えて先頭に。そのままゴール前まで脚色は衰えず、彼と松山騎手は初めて重賞で歓喜の美酒に酔った。
こうしていかにも“新しい中京”らしい勝ち馬が誕生したわけだが、当時すでに7歳を迎えていたこともあり、重賞初制覇によってスマートギアの評価が一変するようなことは無かった。その後も地道に戦績を積み、10歳を越えて障害も跳んだ彼は下って2017年…12歳の春にとうとう引退。現在は競走生活晩年のオーナーである岡田スタッドのえりも分場にて余生を送っているという。強力な末脚を持ち合わせながらも地味な存在だった彼だが、改装された中京競馬場の門出を飾った存在として、そして押しも押されもせぬ一流騎手に成長した松山騎手の最初の重賞勝ちのパートナーとしてしっかりと名を残している。
スマートギア
牡 栗毛 2005年生
父マーベラスサンデー 母スケアヘッドライン 母父パドスール
競走成績:中央59戦6勝
主な勝ち鞍:中日新聞杯
(文・古橋うなぎ)
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