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6番人気のブレークアップが好位追走から直線で抜け出し、昇級初戦で重賞制覇。田辺裕信騎手(38)=美・フリー=は今年5度目の重賞勝ちとなった。今後はジャパンC(27日、東京、GⅠ、芝2400メートル)、有馬記念(12月25日、中山、GⅠ、芝2500メートル)が視野に入る。2着は5番人気のハーツイストワール。1番人気のテーオーロイヤルは6着に終わった。
中長距離界にニュースターが誕生だ。6番人気の伏兵ブレークアップが、オープン入り初戦でいきなりの重賞制覇。今年の菊花賞ジョッキー、田辺騎手を背にラスト2ハロン過ぎで抜け出すと、二枚腰を発揮して並ばせることなく押し切った。
「まさか勝てるとは。前走は成長を感じる内容で楽しみにはしていましたが、相手も強かったので、どこまでやれるのかというのが正直なところでした。勝てたのはびっくりで、うれしいです」
昨年12月以来のコンビだった鞍上は、驚きながらも勝利をかみしめた。好ダッシュから行く馬を行かせて3番手のインをロスなく追走。逃げたキングオブドラゴンが直線入り口で内ラチに接触し、その影響を受ける場面もあったが、動じることなく懸命に脚を伸ばして勝利をつかみ取った。
以前は逃げないともろい面があったが、前走の六社Sでは3番手に控える競馬で差し切り。「以前は最後に踏ん張り切れないところがあったが、前走は控えてもしまいの踏ん張りが良く見えました」と田辺騎手も進歩を感じ取り、そのまま今回の競馬に生かした。4歳秋を迎え、本格化してきたとみてよさそうだ。
2019年紫苑S(パッシングスルー)以来のJRA重賞勝ちとなった黒岩調教師は、「(今夏に)初めてしっかり休養させて、前のめりで切れない走りだったのが少し体が起きてバランスが良くなり、しまいの切れにつながったと思います。前回のいい状態を維持することに努めて、レースはジョッキーが上手に乗ってくれました」とガッツポーズで人馬を出迎えた。次走は状態次第でジャパンCか有馬記念が視野に入る。さらなる大舞台が楽しみになる走りだった。(三浦凪沙)
■ブレークアップ 父ノヴェリスト、母リトルジュン、母の父クロフネ。栗毛の牡4歳。美浦・黒岩陽一厩舎所属。北海道浦河町・谷川牧場の生産馬。馬主は阿部東亜子氏。戦績17戦5勝。獲得賞金1億2561万2000円。重賞は初勝利。アルゼンチン共和国杯は黒岩陽一調教師、田辺裕信騎手ともに初勝利。馬名は「空が破れたかのように見えるオーロラ」。
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