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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第19回は1989年のスプリンターズS優勝馬ウィニングスマイルを取り上げる。
サクライワイ、メイワキミコ、サクラシンゲキといった名うての快速馬が歴史を重ね、1984年に優勝したハッピープログレスによってグレード競走として拓かれたスプリンターズS。ただ、グレード制が敷かれた同年はまだ一介のG3であって、安田記念やマイルCSといったマイルG1ほどは重きを成さず、中央競馬の一部門として独立するには至らなかった。それでも日本競馬の発展や成熟、あるいは競走馬の生理学的見地からその立場が見直されていき、時代が下って1987年にG2へ格上げされた。1989年にスプリンターズSを制覇したウィニングスマイルはG2時代最後の勝ち馬である。
その1989年のスプリンターズS。1番人気には前年のクリスタルC優勝馬ツジノショウグンが推されて、ダートの根岸S勝ちがある6歳牡馬ウィニングスマイルは2番人気であった。前年のダービーにてハナを切ったアドバンスモアが予想通りの逃げ。前半3ハロンは32秒7を刻み、掛かり癖のあるウィニングスマイルには願ってもない展開となった。中団待機から3角で位置取りを悪くする場面もあったが、鞍上の田村正光騎手が進出を図ると馬群がバラけて、一旦先頭に立ったプリンシプルを直線半ばで交わし切り、馬場の真ん中を爽快に突き抜けた。
ウィニングスマイルが芝とダートの両方で重賞制覇を成し遂げたことは確かに意義があった。だが後々メンバーを精査すると、重賞ウイナーは人気2騎に9着グレースシラオキを加えた3頭だけ。「A級馬と比較するとどうしても見劣る」とはレース後の田村騎手の弁だが、当時のスプリンターズSは安田記念を頂点とする春の短距離路線の使いだしに当たるため軽く見られていた事情があった。また、出ていれば人気を集めていたはずのシンウインドやダイワダグラスが回避したことで、より一層寂しいメンツになってしまったことも否めない。
その後ウィニングスマイルは「春の短距離三冠」に皆勤したが、京王杯SCはリンドホシの2着、続く安田記念ではバンブーメモリーの7着に終わり、以降さしたる成績を残すことなく翌1990年7月に引退・種牡馬入りした。この1990年の12月にスプリンターズSはG1競走として新装開店する。先述のバンブーメモリーが初代王者となるわけだが、前年に続いて出走表に名を連ねた馬はアドバンスモアだけで、同馬は16頭中16着であった。
今現在のスプリンターズSの存在は国内芝短距離路線の頂点として揺るぎない。そしてスプリント路線はマイル路線と分化した上で並立するに至った。それでも2歳や3歳の世代限定スプリントG1が誕生していない現状を考えると、日本競馬は未だ発展の途上にあると言える。1990年の英国年度代表馬は史上最強スプリンターと名高いデイジュール。一方本邦に世界的な専業スプリンターが現れるにはなお時間を要した。サクラバクシンオーやロードカナロアといった存在は、ウィニングスマイルやバンブーメモリーを含む数多の競走馬が積み重ねた歴史の上に成り立っていることを、我々は忘れてはならない。
ウィニングスマイル
牡 鹿毛 1983年生
父リィフォー 母ヒルガオ 母父スティンティノ
競走成績:中央37戦9勝
主な勝ち鞍:スプリンターズS 根岸S
(文・古橋うなぎ)
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