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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第18回は2011年のシリウスS優勝馬ヤマニンキングリーを取り上げる。
現役時は「異能のオールラウンダー」として名高かったアグネスデジタルだが、種牡馬としてのその異能ぶりや万能性を産駒に遺伝させられたかというとまあ怪しい。「天才は一代限り」とはよく言ったもので、芝もダートもほどほどにこなす“どっちつかず”の産駒はよく見受けられたものの、その両方で重賞級の実力を備えた産駒はヤマニンキングリーをおいて他にない。
ゼロ年代後半から2010年代前半にかけて活躍したヤマニンキングリーの競走生活のハイライトは何かと問われれば、女傑ブエナビスタを完封した2009年の札幌記念で衆目の一致するところ。同重賞で挙げた金星は、3歳のブエナビスタが思い描いていた将来設計を変貌させたという意味で競馬史に少なからず影響を及ぼしたし、競走馬ヤマニンキングリーの「主な勝ち鞍」の筆頭として誇るべきものなのは間違いない。
4歳時の札幌記念で大物食いを果たしてさらなる飛躍を望まれたヤマニンキングリーだったが、G1どころかローカルG3ですら馬券に絡めないほどの不振に陥り一旦頭打ちとなる。苦境脱出を目指した関係者の頭によぎったのは、彼の父親であるアグネスデジタルの存在だったのだろう。血統面に調教での動きも加味されて、管理する河内洋調教師は復活を期してダート戦出走にゴーサインを出した。時は2011年、レースはG3・シリウスS。6歳の秋にしてうれしはずかしダート初挑戦であった。
例年のシリウスSにて使用される阪神ダート2000mコースは芝スタートであるが、初ダートのヤマニンキングリーにはこれが向いたようで労せずして2番手を確保した。入りはやや速いが道中落ち着くこのコース特有のラップも奏功し、ハナを切ったタナトスのすぐ後ろで折り合いをつけると4角過ぎで先頭に立ち、1番人気のタガノロックオンらが馬群でもがく中、前年の覇者キングスエンブレムの追撃を封じて押し切った。完全なる横綱相撲であり、実に鮮やかな勝利であった。
芝路線から参戦した馬にとってこなしやすいコースというのも大きかったが、2年ぶりの勝利をダート重賞で飾ったことは今後の展望を考える上で意義があった。一方血統面における意義を示すと、アグネスデジタル産駒のうち芝とダートの両方で重賞タイトルを得たのはヤマニンキングリーが初であり、現在のところ唯一であるという点だろう。
新境地を開拓したヤマニンキングリーはその後ジャパンCダート、東京大賞典、フェブラリーSとダートの王道G1を連戦したが、シリウスSはやはり条件に恵まれた上での勝利だったようで、いずれも着外に敗れた。加齢による衰えも影響していたのかも知れないが、彼にとっての“天職”はダートでは無かったのだろう。2013年の中央抹消後は川崎所属を経て、レース中の故障が原因で引退。当時はダート実績が種牡馬としての売りになり難い時代。父から受け継いだ明るい栗毛を北の大地に輝かせながら、現在は功労馬として余生を送っている。
ヤマニンキングリー
牡 栗毛 2005年生
父アグネスデジタル 母ヤマニンアリーナ 母父サンデーサイレンス
競走成績:中央35戦7勝 地方8戦0勝 海外1戦0勝
主な勝ち鞍:札幌記念 中日新聞杯 シリウスS
(文・古橋うなぎ)
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