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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第17回は2006年の神戸新聞杯優勝馬ドリームパスポートを取り上げる。
今年8月上旬のこと。「人をダメにする」ビーズソファが看板の株式会社Yogiboが、京成杯勝ちや菊花賞2着といった実績を誇る元競走馬アドマイヤジャパンと“広告出演契約”を結んだことで話題を呼んだ。その広告動画の構図…牧場の敷地一面に広がる緑の真ん中にサラブレッドが1頭鎮座している様子を目にして、約15年前に放映されたあるテレビCMを思い起こした方は一体どのぐらいいたのか。件のCMの出演者は奇しくも同じく菊花賞2着馬、それも1つ年下のドリームパスポートである。
後から考えてもどう立ち回ろうが“無理ゲー”だったと思われるアドマイヤジャパンの相手と比較すると、ドリームパスポートがクラシックで覇を競った相手には幾分の隙が感じられる。春二冠で敗れたメイショウサムソンは併せると無類の強さを発揮する馬ながらもキレるタイプでは無かったし、菊花賞でレコード駆けに屈したソングオブウインドは一体どのぐらい強いのか分からないまま屈腱炎で退場。何かが噛み合えば、3着だったダービーがとは言わないまでも、準優勝の皐月賞か菊花賞のどちらかは獲れていたのではないか。3歳時のドリームパスポートは、ファンにそう思わせるだけのポテンシャルを備えていた。
メイショウサムソンやフサイチリシャールといったG1馬、そして当時はまだ伏兵だったソングオブウインドをまとめて破ったG2・神戸新聞杯(2006年は中京芝2000mで施行)は、ドリームパスポートの競走馬としての性格を端的に示したレースだったように思う。基本的にどの競馬場でも合格点をマークできる彼が宿敵メイショウサムソンを降すためには中京コースで満点を取る必要があったわけだが、馴染みの高田潤騎手の卓越したエスコートにより120点の快走を見せた。大外一気で馬場の良いところを走れたし、馬体を併せなかったことも良かった。何より彼が最高点を取れるコースが旧中京だったのだろう。
「フジキセキ産駒故に距離に限界があるのでは」とは当時よく言われていたし、春時点で実績と比較して軽く見られていたのに父の存在が影響していたことは否定しがたい。だが、ドリームパスポートという馬は父親から受け継いだ器用さと堅実味に加えて、母の父トニービンや優秀な母系から力強さと爆発力を補完された正真正銘の優等生であった。それだけに、様々な事情から鞍上を固定できず、世代屈指の才能がスポイルされてしまったのは残念だった。
後年オーナーの名義が変わって「ぼく、ドリームパスポートです」のナレーションがテレビで流れた頃にはすでに順調さを欠いており、一見のどかな雰囲気のCMにも哀愁が感じられたものだ。そして彼が種牡馬入りへのパスポートを得る機会はついに訪れなかった。サラブレッドが社会で光り輝くためには人間の助力が不可欠だし、馬は人間の手を離れては生きていけないのである。新旧の“CMスター”たるアドマイヤジャパンとドリームパスポートには、そういった社会の理をそれぞれ異なる形で再認識させられた。
ドリームパスポート
牡 青鹿毛 2003年生
父フジキセキ 母グレースランド 母父トニービン
競走成績:中央22戦3勝
主な勝ち鞍:神戸新聞杯 きさらぎ賞
(文・古橋うなぎ)
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