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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第8回は2002年の札幌記念優勝馬テイエムオーシャンを取り上げる。
1990年に芝コースでの施行に変更された後の札幌記念は牝馬の活躍が目立つ。その中の1頭が2002年の勝ち馬テイエムオーシャン。この二冠牝馬を語る上で欠かせないのが祖母エルプスの存在であるが、揃って桜花賞を制していながらもこの2頭のカラーは大分異なる。
遡って1985年に桜の女王として戴冠したエルプスは、420キロ前後の馬体をフルに動かして全力で逃げる、「ケレン味のない」という表現がピッタリな快速馬。しかし華奢な牝馬であるが故に、その走りには危うさを常にまとっていたという。対して孫のテイエムオーシャンは3歳時440キロ程度の中背ながらも体を大きく見せる馬で、いつでも強気な本田優騎手を背に掛かり気味に先行する姿には頼もしささえ感じられたものだ。一本気且つどこか陰のあるエルプスと、早朝の海に出でた太陽のようなテイエムオーシャン。同じく前々で勝負する桜花賞馬でも、似て非なる存在であったように私は思う。
そんな「陽キャ」としてのテイエムオーシャンを象徴するレースが2002年の札幌記念だ。豪華メンバーの中でG1・3勝。実績最右翼の存在として認識されながらも、有馬記念以来の実戦復帰で馬体重は前走比プラス38キロ。当然これは不安視されて、単勝1番人気は重賞未勝利のコイントスに譲った。
ところがでっかい女テイエムオーシャンはちっちゃなことは気にしない。レースが始まるとゴーステディの逃げを離れた4番手で追走。道中彼女は相変わらず頭を上下させていたが、3コーナーで外を回してグイと進出すると、内で伸びあぐねるコイントスを尻目に横綱相撲で押し切った。後方待機から2着に入ったトウカイポイント以下を圧倒する女王の競馬…あのエアグルーヴ以来となる牝馬Vに札幌競馬場は沸き上がった。
歓喜の後、管理する西浦勝一調教師は「もう迷いません」と秋の天皇賞への参戦を明言。北の地で脂の乗り切ったテイエムオーシャンの姿を、偉大なる先達エアグルーヴに重ね合わせたファンは多かったはず。この時彼女は超一流馬としての夜明けを迎えたと言って良いだろう。ところが…。
ダンスパートナー、エアグルーヴ、メジロドーベルと「強いオークス馬」が連続して登場した1990年代後半と、スイープトウショウやヘヴンリーロマンスらが地ならししてウオッカとダイワスカーレットによって拓かれた「牝馬の時代」。それら2つの時代の狭間に活躍したテイエムオーシャン、ファインモーション、スティルインラブといった面々は、相対的に語られる機会が少なくなってしまった。当連載では後世に伝わった超一流馬をあまり取り上げないが、それは伝わらなかった馬の“瞬間風速の強さ”を今一度讃えたいという意図に拠る。天皇賞、ジャパンC、そして有馬記念と牡馬相手に結果は出なかったが、2002年の札幌記念におけるテイエムオーシャンの走りはまさしく本物であった。
テイエムオーシャン
牝 鹿毛 1998年生
父ダンシングブレーヴ 母リヴァーガール 母父リヴリア
競走成績:中央18戦7勝
主な勝ち鞍:桜花賞 秋華賞 阪神3歳牝馬S 札幌記念 チューリップ賞
(文・古橋うなぎ)
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