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レディース競演に沸いた真夏の越後路で、12年分の笑顔がはじけた。新潟名物の千直決戦を制したのは7歳牝馬ビリーバー。手綱を取り続ける相棒の切れ味を信じ、絶好のタイミングで抜け出した杉原騎手は、デビュー12年目で念願のJRA重賞初制覇だ。
「いつも以上にスタートも速くて、引っ張りきりで理想のポジションが取れました。最後は何とか前があいてくれ、と。(重賞制覇まで)時間はかかったけど、いつも乗せてくれている先生とオーナーの馬で勝てて何よりうれしい」
殊勲の鞍上の童顔が晴れやかだ。デビューから所属していた藤沢和厩舎が2月に解散。フリーになって1年目での見事なアピールVに、「心機一転、自分なりに頑張ろうと思っていたところですし、この勝ちは非常に大きいと思います。藤沢先生には、野菜をもらいにいくときに報告します」と、おどけながら恩師に思いをはせた。
「抽選(突破)も枠順も良かったけど、こうもうまくいくとはね」。穏やかに喜びをかみしめた石毛調教師も開業28年目で初タイトル。「除外されたり(レースで)前が詰まったりいろいろあった馬だけど、牧場も含めみんなで努力してやってきた。馬の様子をみてからだけど、サマースプリントシリーズも選択肢にはなると思います」と、夏の短距離女王も視界に入ってきた。オーナーのミルファームもモンテロッソ産駒もJRA重賞初制覇。可能性を信じたチームに、新潟の女神がほほ笑んだ。(内海裕介)
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