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【高松宮記念】ナランフレグが春の電撃王!開業30年目宗像師悲願に丸田男泣き
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春のGⅠシリーズ開幕戦は、8番人気のナランフレグが後方追走からイン突きで差し切ってGⅠ初勝利。開業30年目の宗像義忠調教師(67)=美、デビュー16年目の丸田恭介騎手(35)=美・フリー=の師弟コンビは、ともに初のビッグタイトルを獲得した。2着に5番人気ロータスランド、3着に17番人気のキルロードが入り、3連単278万4560円の大波乱決着となった。1番人気レシステンシアは6着。
前夜の雨が噓のような青空に、ファンの祝福が響いた。ゴール前の激戦をクビ差で制して、ナランフレグがGⅠ初出走で勝利。デビュー16年目で初のビッグタイトルをつかんだ丸田騎手が声を詰まらせる。
「最後、直線で抜けたとき…、うれしかったです。先生(宗像調教師)にずっとお世話になっていて、何か1つでも、と思っていたので、こんな大きい舞台で恩返しができて幸せです」
デビュー時から2018年まで所属していた宗像厩舎とのタッグでの戴冠に涙があふれた。
前半はいつも通りに後方から。内ラチ沿いでじっくり脚をため、最後の直線もそのまま内を進んだ。「阪神(3走前のタンザナイトS)で勝ったときにこなしてくれたので、自信を持って行きました」。7戦連続のコンビで迷いはなかった。ライバルが苦しむ重馬場を力強く駆け、馬群を割って鋭伸。わずかに抜け出したところがゴールだった。初のウイニングランではファンから「もっと喜んでいいよ」と声を掛けられ、右手を天に突き上げて感涙を流した。
若手のころは寝坊したり、やんちゃしたりで迷惑をかけたが、師匠は手綱を託してくれた。その思いに応えるために、フリーになってからもほぼ毎日、ナランフレグなど同厩舎の調教にまたがってきた。そんなまな弟子と通算19度目の重賞挑戦で手にした、開業30年目でのGⅠ初勝利。宗像調教師は「それがやっぱり一番うれしいです。GⅠでも落ち着いて乗れていましたね。馬とともによく頑張ってくれた」と笑みを浮かべつつ、「もっともっとGⅠを勝てる騎手になってほしい」と、さらなる活躍に期待を込めた。
今後は未定も、宗像調教師は「秋はスプリンターズS(10月2日、中山、GⅠ、芝1200メートル)あたりかなというイメージでいます」と、春秋スプリントGⅠ制覇をにらんだ。
近年の中心だったグランアレグリア、ダノンスマッシュが引退し、昨秋のスプリント王ピクシーナイトもけがで不在の短距離界。師弟の強い絆で混戦を断ったナランフレグが、一気に勢力図を塗り替えた。 (山口大輝)
■ナランフレグ 父ゴールドアリュール、母ケリーズビューティ、母の父ブライアンズタイム。栗毛の牡6歳。美浦・宗像義忠厩舎所属。北海道日高町・坂戸節子氏の生産馬。馬主は村木克成氏。戦績29戦6勝。獲得賞金3億3065万7000円。重賞は初勝利。高松宮記念は宗像義忠調教師、丸田恭介騎手ともに初勝利。馬名は「太陽(モンゴル語)+速く飛ぶ馬(モンゴル語)」。
★丸田恭介騎手…JRA・GⅠは12回目の騎乗で初勝利。これまでは2021年ホープフルS(ラーグルフ)の3着が最高。JRA重賞は今年初勝利で通算9勝目。
★宗像義忠調教師…JRA・GⅠは延べ51頭目の出走で初勝利。これまでは15年天皇賞・春(フェイムゲーム)の2着が最高。JRA重賞は今年初勝利で通算22勝目。
★ゴールドアリュール産駒…JRA・GⅠは19年チャンピオンズC(クリソベリル)で制して以来の通算9勝目で、芝GⅠは初勝利。JRA重賞は20年武蔵野S(サンライズノヴァ)で制して以来の通算25勝目。
★馬主・村木克成氏…JRA・GⅠは所有馬初出走で初勝利。JRA重賞も同馬の4回目の出走で初勝利。
★生産者・坂戸節子氏…同レースは生産馬2頭目の出走で初勝利。前回はナランフレグの半兄インプレスウィナーで14年16着。JRA・GⅠは生産馬3頭目、JRA重賞は生産馬延べ22頭目の出走で初勝利。
★6歳馬の勝利…21年ダノンスマッシュに続く2年連続6回目。
★売り上げ、入場者数…高松宮記念の売り上げは156億8378万2900円で前年比117・2%とアップ。入場者数は5931人(うち有料入場5553人)だった。
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