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メンバー最多のGI4勝を誇るクロノジェネシスが22日、引退レースの有馬記念に向けて栗東トレセンで追い切った。最終追い切りでは自己最速となるCWコース6ハロン81秒1を馬なりでマーク。こん身の仕上げで臨むラストランで、グランプリ4連勝の偉業を狙う。
最後まで世代交代を許すつもりはない。グランプリ3連勝中のクロノジェネシスが、栗東CWコースで最終追い切りでの自己最速時計をマーク。ラストランへ悔いのない仕上げを施した。
「いい状態で使えればと思って、いろいろ調教してきましたが、いいときと比べるともう少し物足りなさが残ります。そのあたりがどう競馬に影響するかですね」
見届けた斉藤崇調教師は慎重な言葉を並べたが、求めるレベルが高いからこそのジャッジ。時計、動きともに十分、及第点を与えられるものだった。団野騎手(実戦はルメール騎手)を背に、ヒンドゥタイムズ(5歳OP)を10馬身ほど追走。道中から前進気勢にあふれ、鞍上が懸命になだめながら折り合いをつける。手応えよく前との差を詰めて4コーナーで内に潜り込み、ピッチの利いたフットワークで加速。楽々と6ハロン81秒1-11秒9の好時計を叩き出し、馬体を併せてフィニッシュした。
指揮官は「今回、帰ってきてから、なかなか思うようにうまく体を使えなくて。いいときと比べると、並びに行くときの感じや並んだあとの感じが、どうしても物足りなく見えてしまいます」と課題を口にするが、ひと追いごとに着実に良化は遂げている。
国内では2019年のエリザベス女王杯(5着)をのぞき、13戦で3着以内を確保。前走の凱旋門賞は前夜からの大雨による欧州のタフな馬場に苦しんで7着に敗れたが、初の海外遠征となった今春のドバイシーマクラシックでは小差の2着と世界レベルの力を示した。「ドバイ帰りはガリガリでしたが、今回はそこまでガリガリにならずに帰って来られました」と斉藤崇調教師。担当の和田助手も「カイ食いがいいですし、体がふっくらしています。メンタル的にも強くなったと思います」と、2度の海外遠征を経ての成長ぶりを証言する。
「いつも一生懸命に走ってくれる馬。若い世代の馬たちもいっぱい出てきますし、負けないようにとは思っています。前回はフランスですごく苦しい競馬をさせてしまったので、本当に楽しんで走ってくれたらという気持ちでいます」と、斉藤崇調教師は優しいまなざしでターフに送り出す。
史上初のグランプリ4連勝の偉業へ。芦毛の女傑が有終の美を飾り、華々しくターフを去る。(斉藤弘樹)
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★GP4勝&牝馬の有馬連覇も初…クロノジェネシスは2020年宝塚記念、同年有馬記念、21年宝塚記念とグランプリレースを3連覇中。勝てばスピードシンボリ、グラスワンダーを上回り、史上初の4連覇&通算4勝となる。有馬記念連覇は、1969、70年スピードシンボリ、84、85年シンボリルドルフ、98、99年グラスワンダー、2002、03年シンボリクリスエスに続く史上5頭目で、牝馬では史上初の快挙となる。
★2戦ぶりコンビ・ルメールも気合…ラストランの手綱はルメール騎手が取る。落馬負傷で療養中の主戦・北村友騎手に替わり、初めてコンビを組んだ宝塚記念でグランプリ3連覇にエスコート。2走ぶりのタッグとなる鞍上は「ビッグチャンス。クロノジェネシスは引退レースで、グランプリ4連覇が懸かっていますから、ぜひとも勝ちたいです」と力が入っている。
★レース当日に引退式…クロノジェネシスの引退式は、中山競馬場で26日の最終レース後、午後5時過ぎから行われる。この模様はYouTubeのJRA公式チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=HHgAYEyq2d8)でライブ配信される。
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